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更新日:2022年10月21日

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第4回「―協働がつなぐ仙台―郡市長とふれあいトーク」(9月18日)

今回は、仙台市立病院を訪問し、院内で活動するボランティアさんたちにお会いしてきました。
仙台市立病院では、5つのボランティア団体が活動しています。平成26年11月に仙台市立病院が現在のあすと長町に移転し、地域の中核病院としての使命を果たすなかで、ボランティアさんの役割や活躍が大いに貢献していると改めて感じた訪問でした。
懇談前には、受け付けや診察等のサポートをするガイドボランティアさんの活動を見学しました。

懇談に参加された皆さん

ガイドボランティア  髙橋 啓治(たかはし・けいじ)さん  
傾聴ボランティア   引地 惠一(ひきち・けいいち)さん   
ホスピタル・クラウン エルエルさん              
けやき文庫      畠山 ひかり(はたけやま・ひかり)さん 
スモールエンジェル  浦山 裕佑(うらやま・ゆうすけ)さん 

写真左引地さん

右0918髙橋さん

写真左 引地さん  
写真右 髙橋さん

髙橋さん
ガイドボランティアの髙橋です。平成26年10月から活動をはじめ6年目で、77歳になります。今日は、市長にお会いできて光栄です。

引地さん
傾聴ボランティアをしています。72歳です。現在は、サークル教室の講師として活動しています。

エルエルさん
ホスピタル・クラウンの中村です。クラウン名はエルエルです。平成20年1月からこの活動を始めて12年目です。市立病院と医療センターと日赤病院の三か所の病院で活動しています。年齢は70歳です。

畠山さん
東北福祉大学の4年生で看護の勉強をしています。平成28年6月からけやき文庫で活動して4年目で22歳です。

浦山さん
スモールエンジェルの浦山です。大学のサークルとして活動していて3年目で、4年生の22歳です。

活動を始めたきっかけ

髙橋さん
市立病院があすと長町に移転する前に97歳で母親が亡くなり、自分の時間が取れるようになったころに新聞広告でボランティアの募集を知りました。幸いヘルパー2級の資格を習得しており、少しでも社会に役立ちたいと考えたのがきっかけです。初めてのボランティアで大変なこともありました。

引地さん
45歳で大病をして、五橋にあった市立病院に長く入院したとき、患者として心の動揺がとてもありました。
その後完治し65歳ころにリタイアしてから、何か病院でお役に立てたらと思い、新しい病院ボランティア募集に、すすんで応募しました。

市長
御自身の闘病していた経験があったからこそ、大変な傾聴という仕事をなさろうと思われたのでしょうね。

引地さん
患者は自身の心痛もあり、ご家族の悩みも含めてベッドに伏し、周りは医師や看護師といった医療のプロですので、ボランティアが傾聴に伺って、おしゃべりや若いころのエピソードや話を聴いてさしあげると患者さんの気持ちも和むようです。

エルエルさん 
私は元看護師で、患者さんの病気が良くなるためには、薬や注射だけでなく治療の中に笑いがあってこそ元気になっていくと仕事をしながら確信しました。
現在は笑いが医学的にも評価されていますが、昔は病院で笑うことは不謹慎で、ナースステーション内でスタッフが笑うことすら婦長に叱られたものです。
米国映画「パッチ・アダムス・トゥルー・ストーリー」(ロビン・ウィリアムス主演・実在のクラウンドクターの話)を見てホスピタル・クラウンの存在を知り、その後雑誌で日本でも活動があることを知り、57歳のとき誰にも叱られずに患者さんを笑わせようと思い、看護師を辞めました。研修を受け、実践を積み、平成20年から医療センターを皮切りに3つの病院で活動を開始しました。

市長
中村さんが東北では、先駆者でいらっしゃるのですね。

エルエルさん
東北では初めてでしたが少しずつ増え、今では青森と岩手、山形に一人、宮城には三人、福島に二人、秋田にはいないのです。

市長
けやき文庫は先輩方から引き継いでこられたのですね。

畠山さん
現在は市民ボランティアの方に平日は活動していただいていますが、2年前までは東北福祉大学の学生だけで結成された団体でした。市立病院へは自宅から東北本線一本で行くことができるため大学よりも近く、長期的に続けられるボランティアを探していたところ大学で斡旋されました。私自身は本をあまり読みませんが、時間のある入院患者の方に本を貸し出し喜ばれるのは、良い活動だと思います。返却された本のページにはさんだ栞の裏に御礼のメッセージが書いてあったときなど、嬉しい気持ちになります。週に一度、土曜日だけの活動ですが感謝の言葉をかけられることもあり、やりがいを感じて続けられました。

市長
スモールエンジェルは、どのような活動なのですか。

浦山さん
平日の14時から16時までの二時間です。授業があるので、空いている人が活動に入りますが、人数は少なくなります。小児病棟のプレイルームで保育士から一緒に遊んでOKの子どもとトランプなどをして遊びます。
けやき文庫のボランティアをしていましたが、子ども好きならばと先輩から紹介されました。

市長
三年間の活動で、どんな感想をお持ちですか。

浦山さん
やさしく声をかけ、適度な距離感を保ち、遊んでいるうちに時間がきてまだ遊びたいと泣き出してしまう子どもには明日の約束をしてなだめたり、手術や治療の不安を和らげるよう気を配ります。

市長
ガイドボランティアは、どのようなことをなさっているのですか。

髙橋さん
平日の9時から12時まで、患者さんのご案内や車椅子の乗降介助や小児病棟の環境整備を主にしています。
また季節ごとに院内の飾りつけをしたりしています。メンバーは女性が多いです。

市長
先程玄関より入りましたら、お揃いのグリーンのエプロンをしていましたね。
いろいろなご相談に乗っている様子を拝見しました。「ありがとうございます」という声も聞こえましたし、ボランティアルームでは作り物をしていました。何人で活動しているのですか。

髙橋さん
41人いまして、常時5、6人は活動しています。
車椅子が必要だと思いお声がけしますと要りませんとお断りされ、帰りは何故か乗ってくることがあり、もっと必要としてくれたらいいのにとつらく感じることがありました。
「大変助かりました、またお願いします」と声掛けされるときには嬉しいです。
目の不自由な方でタクシーで定期的に来院している方には、肩をお貸しして一緒に受付を済ませ、診察までご案内することにしています。感謝されますと、やりがいがあり、嬉しいです。

市長
余計なお世話にならない程度にという見極めは難しいですが、もちろん嬉しいこともありますよね。
引地さんの傾聴も大変なお仕事ですよね。

引地さん
髙橋さんと同じガイドボランティアから始めました。傾聴ボランティアは2017年2月の養成講座を3回受けた後、4月から活動を始め2年半経ちました。患者さんお一人と一時間くらい寄り添って、お話を聴きます。最初は身構えられますが、次第に若いころのエピソードや生活歴、職歴がわあーっと溢れ出て、時間を忘れてお話しなさってくれます。

市長
養成講座の受講は、必須なのですね。

引地さん
ぽんと行って、すぐできることではないですね。病院のボランティアですので、深刻なことも多々あります。
一時間でも病気や苦しみを忘れて、和んでほしいと思っています。

市長
患者さんの方から、来てくださいと手をあげていただけるのですか。

引地さん
医療ソーシャルワーカーから本人に打診があり、了承されたら日程の調整をします。
場所はベッドサイドや、少し外に出て景色を眺めながらの場合もあり、さまざまです。

市長
御自身の入院の経験が活かされているとのことでしたけれど、大変なことや自分では抱えきれないこともあるのではないですか。

引地さん
病院から出たら、気持ちを切り替えることにしています。院内では重圧を感じることもありますが、それを引きずるわけにはいきませんので、患者さんには申し訳ありませんが出るときにはさっぱりと。

市長
それでまた、次の機会を明るく迎えられるのですね。

左畠山さん

右浦山さん

写真左 畠山さん
写真右 浦山さん

それぞれの活動への思い

引地さん
傾聴の後に、とてもいい笑顔を見せてくれたり、握手をしてくれる患者さんがいて、そんなときはよかったなあと実感します。
終了後は簡単な反省文をノートに書くのですが、その時の喜怒哀楽を全部ぶつけます。

市長
エルエルさんは、実際にメイクを施してクラウンになって、何かエピソードはありますか。

エルエルさん
クラウンの文化は、なかなか日本には無いので、喜んでくれるときもあれば、泣き叫んで親にすがる子もいます。

市長
メイクはご自身でなさるのですか。

エルエルさん
メイクや道具は自分で支度します。集団で接するのではなく一人ひとりと接しています。感染症の子もいるので、そのあたりは師長と打ち合わせをします。年代も、性別も病状も違いますので、探りながら反応を見ながら遊びを提供しています。クラウンはマジックも披露しますが、マジシャンではないのでご愛嬌です。笑ってくれると嬉しいですね。わずかな時間でも、病気を忘れてほしい。親御さんにもリラックスしてほしいですね。患者さんが赤ちゃんであれば、ずっと抱っこをしている親御さんも笑わせてあげたいということです。

市長
ぜひ、ふだんのパフォーマンスをみせてください。

ここでマジックを披露

市長
ありがとうございました。大人でも楽しいから子どもは大喜びですね。お子さんだとリアクションはどうですか。

エルエルさん
退院の時に「風船を作って」とリクエストされて渡したりもします。大学病院やこども病院は比較的長期入院の子が多いのですが、ここは、たいていは短期で退院していきますので、1回きりの出会いというのが多いですね。

市長
看護師をお辞めになってこの活動を始めて、振り返ってどうですか。

エルエルさん
親の反対を押し切って、看護師は25歳の時になりました。笑わせて人を元気にしたい、というのは看護師のときも思っていたことでした。看護師はどうしても、患者さんに対して質問になってしまいます。「熱は何度でしたか」「ご飯食べられましたか」「傷はどうですか」と。看護師時代も、そのようなときでもできるだけ話しかけて、笑いを入れるようにしましたが、賛否両論ありましたね。それに、できるだけ傾聴したいけれど、仕事は忙しくて、時には笑ってもらうことが難しいこともありましたが、今は笑わせることができています。
笑わせることをやめたら、傾聴の活動もしてみたいですね。患者さんが内なる感情を出したら、どれだけ気持ちが軽くなるか。

市長
医療スタッフは忙しいので、皆さんが上手にその隙間を埋めて支えてくださっているのでしょうね。
ありがたいと思います。畠山さんは四年生で就職が目前ですね。

畠山さん
はい、就職先は決まりましたが国家試験を合格しなければなりません。

市長
そうですか。このボランティアで身に着けたことが、社会人となっても活かされそうですか。

畠山さん
これから看護師になります。笑わせる、傾聴する、というのは看護師の仕事上、忙しくて対応ができないのかもしれないと思うこともあります。私がいなくても患者さんが1人でできることを考えたときに、本や絵本、写真集などの傾向が分かると勧めることができます。文庫本をお貸しする際の短い時間のやり取りでも、マンガや日常生活に近い雑誌なら読めるかなといったお勧めもできるのは、ここのおかげかなと思います。

市長
そうですか、会話の中にヒントがあるのですね。本は、何冊くらい準備しているのですか。

畠山さん
何冊・・・なのでしょう。4,600冊くらいでしょうか?移動用のラックがあり、それに土曜日ですと4台出動しています。ほかに倉庫に同じくらいの量の本があります。
1回も借りられたことのない本もあり、入れ替え作業をしながら貸し出しています。

市長
病室から出られない方などはどうしているのですか。

畠山さん
感染症等の関係で、こちらから病室への訪問に制限はありますが、病棟まで行ってもいい場合はラック1台分を持っていくこともあります。デイルーム※にいると、ご家族が借りに来ることもあります。

※デイルーム 各階病棟にある談話室

市長
借りた後の本に、メッセージが挟まっていたというお話がありましたが、心に残っていることはありますか。

畠山さん
急性期の病院であっても、長期入院の方もいます。テスト期間で長らく来れないこともあり、1カ月近く空いてしまうこともありました。1カ月後行くと入院が継続されていて、「待っていたよ、何をしてたの?」と直接声をかけられて少しでも患者さんのためになっていたのだと嬉しいような申し訳ないような気持ちになりました。
私が1年、2年のときは学生ボランティアのみで、かつ土曜のみ活動していたのです。

市長
その笑顔に患者さんは励まされたりするのでしょうね。
浦山さんの活動をしていてよかったことや悔しかったことを教えてください。

浦山さん
長期だったり、または何度も入退院を繰り返しているお子さんだと、修学旅行に行けなかったり、お祭りなどイベントに行けなかったという話を聞くことがあります。
病院のスタッフと一緒に季節を感じてもらう夏祭りや七夕まつり、クリスマス会、お楽しみ会など、病院から出ることはできないが、雰囲気を味わってもらえるような企画をしています。「楽しかった」と喜ぶ顔を見ると嬉しくなります。魚を工作して魚釣りをしたり、ヨーヨー釣り、ボーリングなどで、いっときでも病気を忘れてもらえたらと携わっています。

市長
いろいろと工夫されているのですね、子どもさんの表情も輝くのでしょうね。
浦山さんも四年生でしたから就職は決まりましたか?ボランティアは活かされましたか?

浦山さん
将来は海外で子どもたちや医療機関に関わる仕事を希望していて、海外にも支社のある企業に決まりました。

市長
頼もしいですね、頑張ってください。

中村さんエルエル

右エルエル

中村さん(エルエル)

今後もご活躍をーいくつになっても学ぶことはたくさんあります

市長
最後に皆さんに今後の抱負を伺っていきたいと思います。

髙橋さん
初心を忘れず、患者さんの想いを理解して80歳までこの活動を続けたいと思います。

市長
80歳と言わずもっともっとご活躍ください。ガイドボランティアの皆さんには、ご高齢の方が多いのですか。

髙橋さん
男性は退職した方が多いでしょうか。女性は主婦の方が多いです。私は77歳です。

市長
ご家族の反応は?

髙橋さん
実は私は、市のボクシング協会に所属しております。ボランティアのスタッフは素晴らしく、楽しく活動させてもらっています。妻は自分の母の介護をしており、そちらで忙しいのですが、私の活動は勧めてくれています。

引地さん
2年半活動をしてきたなかで、患者さんが1カ月くらいで亡くなることが続いた時がありました。ショックを受けました。話しているときは、そういう素振りなどはありませんでした。人生最期のときに、その方の昔話を聞かせてもらったのだなと後から考えたりもしました。一期一会。与えられた時間を過ごし寄り添って時間が過ぎていきます。

市長
大変な経験ですが、話を聞いてもらえた充実感もあるのでは。
ぜひ長く続けてください。

エルエルさん
80歳まで続けたいですね。もともと12年前に始めたときに、いつまでするか考えたことがありました。10年後までやれるかな、看護師として33年間続けてきて、体力や筋力の衰えはネック。隠せませんね。気持ちのうえではやれそうですが、周りに迷惑を掛けないように。前のエピソードで喉の手術をした子どもとその親御さんと触れ合う機会がありました。クラウンは、初めはどのようなお子さんなのかわからない状態から入ることが多いです。その子は声が小さくて、親御さんを通じて話をしていました。恥ずかしいのかと思っていたら喉の手術をして声が出しづらかったのですね。次第に親御さんもリラックスしてくれて、大きな声で笑ってくれたりしました。
お子さんが手術をして、痛い思いをしたりして、お互いにつらい状態でいたのでしょう。「今日は楽しくて良かった」と話してくれて、親御さんも背負い込んでいたものが大きかったのだろうと感じました。
「良い時間を過ごせた、入院していて一番楽しかった」と言ってくれました。反応でわかります。これからどうなるかはわかりませんが、続けていきたいです。
現在、87の病院にホスピタル・クラウンがいます。クラウンは、研修が定期的にあります。関西・関東方面の方は出席者が多いですが、気質?文化?民族性?なのでしょうか、東北はなかなか人が集まりません。うちも4人のうち1人は若い方ですが、3人は似たりよったりの年齢です。仙台市内でも毎月どこかで研修があります。
興味のある方はぜひ。

市長
広くPRしてほしいですね。病院施設に広く、いろんなところで受け入れてくれるといいですね。

エルエルさん
特に市立病院の方々には、本当に感謝しています。お世辞ではありません。このような機会がないとなかなか言えないので。職員としての使命なのでしょうか。私自身に何かがあって、気持ちが乗らない時ももちろんあります。それでも、患者さんたちを笑わせようとして活動しています。職員さんたちが、私たちへの応対が気持ちいいと、私もまた来ようと思えますし、実際に来てしまいます。

市長
病院のボランティアというと、受け入れる病院側も、なにかとハードルが高くなりますでしょうか。患者さんのプライバシーも配慮しないといけないですしね。

畠山さん
就職で仙台を離れてしまいます。あと半年、市民ボランティアとして2年間続けてきたことをこれから生かしていきたいし、何ができるか考えたいと思います。何らかのアドバイスができたらと思っています。また、リタイアしたら戻ってきたいです。

浦山さん
私も残り半年なので、長く活動しているスモールエンジェルの灯を消さないようにたくさん入ってもらえるようにしたいです。大学生はどうしても学業やアルバイト、遊びなどが優先されてしまい、ボランティアまでという方は少なく、継続できないことが多いです。

市長
良い医療を実感して、これからも病院として患者の身になってボランティアの力を借りてより良い病院として職員とともに頑張ってまいりますので、引き続きご活躍ください。
今日は、お時間をいただきまして、感謝申し上げます。ありがとうございました。

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