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更新日:2025年3月23日
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令和6年度、第6回目の市長とふれあいトークは、4月~11月の毎週末や祝日に仙台城本丸跡への来訪者に、伊達政宗公や仙台城の魅力を伝える活動をしている「仙台城ガイドボランティア会」の皆さんにお話を伺いました。
「仙台城ガイドボランティア会」は、平成18年に発足した団体です。平成21年に特定非営利活動法人の認証を取得しました。会員は平成16年、17年に教育局文化財課で企画・開催した仙台城ガイドボランティア養成講座の受講生が中心となっています。4月から11月の期間、週末や祝日に仙台城本丸跡を訪れた観光客に対して「おもてなしの心」で伊達政宗公や仙台城の魅力を中心に伝える活動をしています。
市長と皆さんと 郡市長
懇談に参加された方々
仙台城ガイドボランティア会 理事長 相澤 勉(あいざわ・つとむ)氏
仙台城ガイドボランティア会 副理事長 須藤 恒(すとう・こう)氏
仙台城ガイドボランティア会 監事 髙橋 睦子(たかはし・むつこ)氏
市長
仙台始まりの地である青葉山エリアに訪れた多くの観光客の方々に、その成り立ちをご説明してくださっている仙台城ガイドボランティアの皆様方にお話を聞かせていただくという機会をいただきまして、本当にありがたく思っているところです。
今、インバウンドを含めて、観光客の方々が随分増えているかと思います。私たちはこれからも攻めの観光を行っていきたいと思っておりまして、その中でも青葉山エリアを重点地域に位置付けているんですね。
ですから、皆様方に、なおご活躍をいただいて仙台、仙台城の魅力、伊達政宗公の魅力を発信していただけると大変ありがたいなというふうに思っているところです。
では、今日お集まりのお三方にそれぞれ自己紹介をしていただこうと思います。
相澤さん
仙台城ガイドボランティア会理事長をさせていただいている相澤です。
今、市長がおっしゃったように、このボランティア会が観光の大きな力という認識は同じ思いであり、今後も頑張っていきたいと考えています。
須藤さん
副理事長をさせていただいている須藤です。私はこの会に入って8年目になります。
土曜日曜のほとんどはお城にいますので、皆様と何回かお会いした人もいるかもしれません。活動を始めたきっかけは良く言えば、社会貢献活動をしたいとの思いでこの会に入りました。
髙橋さん
監事をさせていただいている髙橋です。
ちょうど須藤さんと同時期にこの会にお世話になりまして8年目になります。
まだまだ初心者マークを外せずにいるところではあるんですが、この会が今年15期の方々を迎えての活動ということなので、もっと頑張っていきたいなと思っているところです。
相澤さん 須藤さん 髙橋さん
市長
もうすでに皆さんには、仙台の観光の振興の一翼を担っていただいている強力なメンバーでいらっしゃるなというふうに思いますけれども、そもそもこの会が発足したのはいつ頃でどういうことで発足したのか、理事長にご説明いただければと思います。
相澤さん
当会発足のきっかけは、平成16年、仙台市の文化財課が市政だよりを介して、仙台城のガイドボランティアを養成する講座を開催するというようなご案内をしていました。
その講座を受講生が中心となって、当時の文化財課の室長や歴史民俗資料館の館長から色々なご助言やご指導をいただくなどの準備段階を経て、ボランティアの任意団体として会を発足しました。
その後、当時の役員を務められた方々の熱い思いから、平成21年にNPO法人を取得して、現在に至っています。
市長
こういう講座を受けてボランティアをやってみようと思われたのは、相澤さんはもともと歴史がお好きだったり、郷土愛に特に強い思いがおありだったんですか。
相澤さん
私は名取市出身で、歴史にも詳しくなく、仙台のこともよく知らない、最初はそんなお粗末な状況でした。先ほどお話が出ましたが、市政だよりにガイドボランティア会養成の記事が目に留まって、軽い気持ちで養成講座を受講したっていうのが、そんなのが始まりです。
入会した以上は、訪れた方に喜んでもらいたいという思いを持って、仙台城や仙台のまちの魅力を伝えています。
市長
意外なお話をお聞きしてしまいましたけれども、須藤さんはいかがですか。
須藤さん
実は私も、歴史は年号を覚えなくちゃいけないので、あんまり好きじゃなかったんです。ですが、現職が終わって家にずっといたんじゃなあ、というところにガイドボランティア会としての応募があって、飛びついたというのが正直なところなんです。
市長
髙橋さんはいかがですか。
髙橋さん
実は私もそうなんです。社会参加の一つにボランティア活動はとても有効だという意識がありました。震災のときに、自分自身が何も動けなかったっていうことが、心のどこかに引っかかっていて、何かしらのボランティアをやりたいなと思っていました。
そこで、たまたま須藤さんと同じ新聞を見たんだと思うんですが、「あっ、これだったら」と思いまして。仙台城のこと、政宗公のこと、詳しいことは何も知らなかったんです。
市長
そうなんですか。私自身も皆様方のお話を伺って、えーって驚きを持って聞かせていただきました。とても魅力的な、ボランティア活動だからこそ、ずっと続いているんだと思います。今の会員は何人いらっしゃるんですか。
相澤さん
35名です。
当会の問題として、高齢化がどんどん危惧される部分がございます。コロナ禍を経験して、どんどん会員が減ってきている現状がありますね。
ですので、会員をとにかく増やせないと、会自体が成り立たなくなるということで、一生懸命皆さんに会員募集ということでご案内させていただいているところです。
市長
コロナ禍で大変色々なご苦労もおありだったと思います。その中で活動を続けてこられて気付かれたこと、苦労されたことを印象に残っているエピソードも交えてお話いただければと思います。
髙橋さん
コロナ禍のときは社会全体の動きがストップした状態でしたから、人と関わることもできませんでした。
その後、少しずつ観光客の方も戻ってきたころ、関東から東北の夏祭りを回ってきた方がいらっしゃったのですが、「青森、秋田と回ったが仙台城に来て初めて人と話した」とおっしゃっていました。とても嬉しそうに旅行の話を聞かせていただけたのが、すごく印象に残っています。
須藤さん
コロナ禍の時は、ガイドの数のほうが観光のお客様より多かった時期もありました。「今日も人いないね」。そんな会話なんですね。
でも、地道にやっていくことが大事かなというふうに思いまして、お客様がいなくても、たまたま来られた方には、誠心誠意お話をすることを心がけていました。
全盲の方がいらっしゃったとき、騎馬像の大きさをお話することがあったのですが、形を説明するのがやっぱりちょっと大変でした。騎馬像の下にあるレリーフを直接手で触ってもらって、「政宗公ってこんな顔してるんだよ」っていう、そんな工夫をしたのが自分でもよくそういうことを思いついたなっていうような、そういう経験をしました。
市長
その方は、なんておっしゃられましたでしょうか。
須藤さん
「なんか結構ごつい顔だね」と言っていましたので、案外と伝わったのかなという気がしています。
市長
相澤さんはいかがですか。
相澤さん
私も理事長の立場として、ガイド活動のやる意味をすごく自分としても考えさせられました。ガイドする上で、感染の対策、危険性とか、ご家族がいる会員もおりますし、やはり苦労はもちろんありましたけれども、会員が同じ方向を向いてガイドをしていくということが一番大切だと思いました。
活動のスライドと懇談の様子
市長
今、観光の方々も随分と増えているわけでして、インバウンドで外国の方々も増えていますし、小さなお子さんからご高齢の皆さんまで年代も幅広くおいでになられると思うんです。
それぞれに合わせて、どのようにご説明をなさるのか、心がけていることなど教えていただけますか。
相澤さん
おっしゃるように、仙台空港の国際便の就航拡大と、仙台港の大型クルーズ船寄港の影響で海外の多くの方々が仙台にいらっしゃっていることは、肌で感じるところです。
ただ、歴史的な専門用語というと、それを紐解いてガイドすること自体が、なかなか難しい。通常の会話形式で案内するのとはまた違いますので、そういったところでやや困難な部分はあるんですけれども、必要に応じて英語や東南アジアの語学に長けた会員が対応しているのが現状です。ただ、全員が外国の方々に対応するのはなかなか難しい部分がありますので、まずはとにかく笑顔で、まず写真を撮ってあげるっていうことから、心ばかりの「おもてなし」をしているっていうのが現状です。
市長
これまで活動を続けてこられてですね、やりがいや、こんなことがあって本当によかった、もっともっと続けていかなきゃなみたいな気持ちを、皆さんにお聞かせいただこうと思うんですが、その点についてはどうでしょうか。
相澤さん
ガイドが終わったときに、その場で感謝の言葉を頂くのはもちろんですけども、後日感謝の手紙をいただいたりすることもあるんです。
何よりやっぱりガイドの魅力っていうのは、喜びとか満足感を同じ空間で共有できるっていうことにあると思うんですよね。
その時を大切にしながら、色々な形で、一方通行のガイドだけではなくて、色々な話を聞きながら同じ空間を楽しむというところも、私としてはこのガイドのやりがいかなっていうことで考えています。
我々の基本理念である「おもてなし」を心がけて、お話した時間を思い出としてお持ち帰りいただければな、ということでお伝えしております。
市長
何かあったかい気持ちになりました。須藤さんはいかがでしょうか。
須藤さん
私も相澤と気持ちは一緒なんです。ですが、私の場合、お客様の目線に立った説明をしたいなと思っています。
私たちガイドっていうのは、自分の知識を広めるのが仕事ではない。お客様の年齢や知識に合わせてコミュニケーションを取りながら仙台城の魅力、仙台の魅力、政宗公のいいところをお話ししたいな、というふうに心掛けています。
髙橋さん
地元の方であっても観光客の方でも、人と触れ合うことの中に、人が救われるところっていうのがたくさんあるんだろうなと思っています。
仙台城って目に見えるものがあまり残っていないので、1つ1つのエピソードで想像力をかき立てていくような話の仕方って、すごく大事なんだろうなと思います。
ガイドが終わるころには、私と一緒に目がキラキラ輝いて、仙台のまちを見下ろしながら政宗公がここでどんな思いを持って、どんな夢を描いてたんだろうかっていうところに、想像が一緒に向いたときにやったって思う。
それと、地元の方が仙台城に登って行って街を見下ろしながら、心が癒されるような場所であってほしいなと。
最後の最後で人っていうところを意識しながらガイド活動をしていきたいなと思っています。
市長
大変良いお話をお聞きすることができました。
歴史や文化をお伝えするガイドボランティア会ではあるけれども、それを超えたところで、訪れた方々との会話の中で、色々なものが膨らんでいる活動なのだということも、また改めて認識させていただきました。
ぜひ仙台にお住まいの皆さんにも足を運んでいただくことを、この紙面を借りて今日は申し上げたいというふうに思います。
どうぞ皆さん、お体には十分に気をつけられて、これからも活動続けていただきますことをお願いいたします。
今日は本当にありがとうございました。
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