現在位置ホーム > 市政情報 > 市の概要 > 市長室へようこそ > -協働がつなぐ仙台-郡市長とふれあいトーク > 令和6年度 > 第5回「-協働がつなぐ仙台-郡市長とふれあいトーク」(12月21日)

ページID:78960

更新日:2025年2月6日

ここから本文です。

第5回「-協働がつなぐ仙台-郡市長とふれあいトーク」(12月21日)

令和6年度、第5回目の市長とふれあいトークは、冬至の日に開催されました。活動の場の一つでもある、北洲ハウジングの寺岡展示場にお邪魔して、持続可能な社会を目指し、プラスチックの削減や食品ロスの解消に取り組んでいる「量り売りマルシェ仙台」の皆さんにお話を伺いました。

市長と皆さん

郡市長

市長と皆さんと          郡市長

「量り売りマルシェ仙台」とは

「量り売りマルシェ仙台」は、2019年6月に設立された持続可能な社会を目指す団体です。ジャンボン・メゾン、紫山のごはん会、PLANNING LABORATORYの3名の発起人が中心となり、プラスチック削減や食品ロス解消に取り組んでいます。「やがて土に還るマルシェ」を理念とし、自分の容器を持参し必要な量を購入する形式で毎月開催されます。地域生産者と協力し、食品への意識を高めるとともに、無駄を減らし持続可能な生活様式の普及を目指します。

懇談に参加された方々
有限会社 ジャンボン・メゾン 髙﨑 かおり(たかさき・かおり)さん
料理教室 紫山のごはん会   佐藤 千夏(さとう・ちか)さん
PLANNING LABORATORY   渡辺 沙百理(わたなべ・さゆり)さん
株式会社 北洲        山家 史子(やんべ・あやこ)さん

挑戦から始まった循環型社会への取り組み

市長
今日はお招きいただきまして、本当にありがとうございます。
量り売りマルシェってどういうものなのか、この目で実際に見させていただきました。
お客さんと出店者の方々のお話も聞き、説明いただいてとても素晴らしい試みだなと思って。
限られた時間ですけれど、ぜひ、マルシェの生い立ちから、どのような思いで活動なさってるのか、お聞かせいただけたらと思います。

髙﨑さん
大崎市岩出山で、女性だけでハムやソーセージを作っている有限会社ジャンボン・メゾンの代表です。
会場にスライサーを持ち込んで1枚からハムを買える仕組みを作りたかったということと、切りたてのハムの美味しさを伝えたいっていう、その2つ。それで量り売りをやりたいといって、佐藤さんと渡辺さんに相談したのがきっかけになっているんです。その時、渡辺さんの方から「容器はどうしますか?」と聞かれて、「どうせだからお客様に持ってきてもらおうよ」って。最初は「そんなことできるのかな」と思っていたんですが、「最初に買い物のルールを決めて、容器を持参して必要な分だけ入れてくださいという仕組みを作る。それだったらできますよ」って言われたので、それで始めました。

佐藤さん
私は紫山のごはん会の主宰でして、もともとジャンボン・メゾンの商品開発をしていたんです。北仙台にキッチンスタジオを設けていたんですが、そこで商談会をした際に渡辺さんも来ていらっしゃって、「こういうことをやりたいから一緒にやりませんか」っていう流れです。
もともと、食品ロスの事などお話はしていたんですけど、なかなか周りには響いていかなくて。ちょっと無理かな、もう分かってくれないものだと思っていた。
髙﨑さんが「パッケージが無駄だ」って言った時、私は「そんな簡単じゃないよ」、なんて内心思っていたんです。「マルシェをする、それも毎月」って言われた時も、驚いて、続かないと思っていたんです。
でも、北仙台のキッチンスタジオでスタートしたら、思った以上にお客さんが容器を持ってきてくれたんですね。

髙﨑さん

懇談会の様子

ジャンボン・メゾン髙﨑さん    懇談会の様子

髙﨑さん
1回目の開催の時、容器持参率100%ですよね。

佐藤さん
さすがに、使いまわしできるものではなくビニールなどもあったんですが、みんな最初からいろいろ工夫して持ってきてくださって、びっくりして。それで、楽しく巻き込まれていった感じですね。

市長
北仙台でこの試みを始めたのは2019年6月からですか。そこに、初めはどのぐらいの出店者がいらっしゃったのかしら。

佐藤さん
8店舗ぐらいだったと思います。広さが最大でもそのくらいで、それが今のいつものメンバーになりました。

市長
お声がけをされたんですか。やってみませんかって。

佐藤さん
そうですね最初は周りや、共感してくださるつながりのあった方に。徐々にその場が広がっていくっていう感じです。

市長
輪が広がっていった訳ですね。渡辺さんは、この活動に本気を出されたのはなんだったのでしょう。

渡辺さん
私はPLANNING LABORATORYという屋号でイベントプランナーとして活動しているんですけれど、商店街の活性化のマルシェをその時期にやっていました。それで、ジャンボン・メゾンさんの商談会で初めてお会いして。髙﨑さんのお話を聞いた時、すごくワクワクしたのを覚えています。パッケージを開封したら、もうゴミになる。そのゴミを私達は買っているんだよねって。そのお話を聞いて衝撃を受けました。

市長
ゴミを買っているっていうのはすごい発想。

渡辺さん
中身があって、それにラベルやパッケージの値段が足してある。確かに無駄だなと。必要な部分ももちろんあると思うんですけど、なくせるところもある。そういうところで、何かやってみたいなという風に思いました。
その後の打ち合わせの際に、「年に一回とか二回やったところで、それが日常に根付いていくかっていうと、ちょっと疑問だね」「じゃあ毎月やっていきましょう」と。まず二十四節季の暦に合わせて、毎月開催して発信していこうと提案しました。

佐藤さん

渡辺さん

紫山のごはん会佐藤さん      PLANNING LABORATORY渡辺さん

市長
今、二十四節季っておっしゃったけど、今日は冬至で、土曜日でもありますね。ちょうどいい日和だったけど、二十四節季にはウィークデーもあるじゃないですか。

渡辺さん
ウィークデーは来るお客さんも違ってきます。今日は土曜日だから来れたっていうお客さんもいるけど、逆にウィークデーだったら来れるという方もいらっしゃるんです。中には、有休をとって来てくれる人もいました。

市長
こちらには北洲ハウジングの山家さんがいらっしゃるわけですが、展示場を提供されるきっかけは?

山家さん
量り売りマルシェさんの関係者に弊社社員の家族がいたことがきっかけです。
量り売りマルシェの活動を知って、永く暮らせる持続可能な家づくりという当社のコンセプトに通じると感じ、モデルハウスを使っていただくことにしました。

市長
なるほど。サステナブルな社会を作っていくんだっていう、新しい循環型のものにしていかなくちゃいけないっていう、そういう思いがマッチしたんですね。

山家さん
昔からの家はスクラップアンドビルドと言われています。大体30年ぐらいから建て替え時期に入るのが今までの日本の形でした。ですが、北洲のつくる住まいは丈夫で快適でデザイン性も良く、ずっと住み続けていけるぐらい、住めば住むほど味がでてくる住まいです。北洲ハウジングの家づくりへの考え方と、量り売りマルシェの、必要なものを必要なぶんだけ手に入れられる考え方がしっかりとはまりました。

山家さん

マルシェの様子

株式会社 北洲 山家さん     渡辺さんと市長とマルシェの様子

広がる共感の輪

市長
皆さん非常に環境に対しての意識も分かってらっしゃるし、豊かさって何なんだっていうような、その思いを常に持って生活なさってるんだなって、感銘を受けますね。
忙しい中にいると、まあいいや! ってなる事がありますけど、でもそういう丁寧にしていく暮らしを、このような催しをしながらご提案をされてこられた訳ですね。この活動が、2019年から今日にまで至っている。5年間。本当に続いてますね。

髙崎さん
仙台でやっているのを見て、福島や、名取や長町、東京などでも。この活動に興味を持たれる方が結構いて、「おらほの町でもやりたい」って人が、増えたんですよ。それで、気仙沼や、大崎、あとは石巻も。山形で講演会をした時も興味を持ってくださって、話を聞くと「やってみたい」っていう人たちがすごく増えるんですよ。
いつも言ってるんです。私たちのやるイベントって、決して大きくはない。けど、小さいコミュニティで点在すれば、トータルすれば大きくなるじゃないですか。それを目指していて。
小さいからこそ手が届く、このぐらいの規模がちょうどいいんですよね。
ゴミを出さないっていう趣旨に関しても、大きくなるとどうしても、そのイベント自体でゴミが出るような風になってしまうから、うまくいかない。
小さいコミュニティが今現在、あちこちに点在していってるという状況なんですね。

市長
私の子供のころはそれこそ量り売りって、割とポピュラーだった。お豆腐屋さんがそうで、鍋を持っていったりとか。お醤油なども一升瓶から量り売りで、「このぐらいで」なんて話して、そういうのがあったんです。食品衛生法などでいろいろと難しいところもあると思うんですが、その辺はどんな風に。

マルシェの様子2

マルシェの様子3

販売中のおいしそうなお菓子     みそなども量り売りです

髙﨑さん
元々佐藤さんのキッチンスタジオで開催していた時は営業許可をとっている場所で開催していました。
モデルハウスで開催する際に改めて保健所に相談に行った所、その場で調理行為や飲食行為が発生しなければ、製造許可を取った場所で作ったものを販売するのは特に問題ないとのことでした。

市長
いろんな出店者の方々の広がりもある。また、交流に来られるお客様の広がりもあるという中で、お感じになってらっしゃることはありますか。
すごく面白いイベントですし、社会のためにとてもいいことだと思うんです。

佐藤さん
意外と、自分達と同じような考えを持っている人達が多かったという実感です。
飲食店でテイクアウトを希望するお客様が「容器を持参する」ことが自然に広がっている。ラジオ番組でも「仙台では量り売りマルシェで容器持参が根付いてきているので、容器持参して下さいというお願いに対してあまり驚きがない」という事を言ってくださっている。定着し始めたと感じます。

市長
それだけ活動の場が広がっていってることに対しては、どのようなご感想を持ってらっしゃいますか。

渡辺さん
五年前から目標にはしていたんですけど、やっぱりやってみないと分からない事が多かった。各地に共感してくださる方たちが増えて、活動がどんどん広がっていく事は想像しきれていなかった。そうなったらいいなとは思っていましたが、今は純粋に嬉しい。
試みが広がっていく中では、仕組みづくりが大事になってくるのかなと。始めやすい仕組みができて、ベースを作っていく必要が出てきたのかなと感じるところもある。

継続することの大切さ

髙﨑さん
今市長がおっしゃったように、私達ぐらいから上の年代は量り売りは原点回帰なんです。でも、大学などで講義する際、若者たち、彼らはゼロベースなんです。

市長
知らないんだ。

髙﨑さん
授業が終わった後にレポートを読むと、「髙﨑さんはすごいことを考えましたね」って書くんですよ。いや、これはもう江戸時代から始まっていることなんだよって事を知らないんです。教科書では習っているんですけど、実際に自分たちがやるってなったときに、「容器持参で持っていくの?」って不思議に思っちゃう。今の若い子達にとっては、私たちの活動はリノベーションととらえられる。世代間でも違ってくるんですね。
だから私は今、若者たちにこれを広めようと、一生懸命お話をする取り組みをしています。

市長
初めて出会う購買行動、そうですね。
皆さんがいろいろな思いを持って、刺激を大いにし合いながら、五年間過ごしてこられて。
こんな風に広がりを持っていってるっていうのは、本当にとてもすごいことなんだなって、素晴らしいなってと思いました。
これから先のことについて、あるいは今までやってこられた中で、印象的だったことも含めてご紹介いただければ。

懇談会の様子2

マルシェで販売されているもの(野菜など)

懇談会の様子(クリスマスツリー) とても立派なカボチャ   

日常に根付く「いつか土に還るマルシェ」

髙﨑さん
そもそもうちはスライサーを持ち込んで、ハムを1枚ずつ買っていいですよっていうルールだったんです。大学生が来て、ハムを1枚買ってパンに挟んで食べて。すごくゆっくりと時間をかけて食べてたんですが、食べ終わった時「僕、こんなにハムと対峙したことないです」って声が上がりまして。というのは、「ジャンボン・メゾンさんのハムは高級だからなかなか買えないけど、1枚だったら、僕みたいな学生でも買えるし食べられるんだ」って言われたんです。面と向かって。とても嬉くて、その時は正直、感動して泣いちゃいました。予想もしなかったことだったんですね。でもその時から、やっぱり若い子、次世代の若者たちにいいバトンをつなげる事が出来ればいいなと思って。そこはすごく意識しています。

佐藤さん
私はずっと、商品開発支援の中でサステナブルは経済活動と結びつかないと思っていた。
でも量り売りは違うなと思って、今ものすごく確信しています。新しい経済活動になっていくんだろうなと実感しています。ずっとコンセプトにしている「いつか土に還るマルシェ」という。このマルシェが一般の生活レベルの話になったらいい。そこまでやっていきたい。

渡辺さん
私は元々環境への意識が高かったわけではありませんが、量り売りマルシェとの出会いで自分自身の生活を見つめ直すようになりました。そんな「気付き」が生まれる場所でありたいと思っています。
意識が高くなくても、参加する方が誰でも変わることができる。環境問題はハードルが高いことではなく、身近で自分事として取り組めることなんだ、と。そんな気づきのきっかけになる場所です。
お客さんとお店の関係もすごく近い、共通の目標で一緒に活動を盛り上げていく仲間なんです。

髙﨑さん
東日本大震災の時はこういうコミュニティが点在していた訳で、近所や地域の助け合い、それと似てるね、って言ってたんです。大震災で気付けたのかもしれないね、という話をしていて、それらの経験がなければ生まれなかったマルシェかもしれない。


市長
量り売りをやっている女性たちがすごく元気。切り開いていくぞっていう力強さみたいなものをこのマルシェに感じて、とても感動しましたし、心強く思いました。
ぜひまたここからも、元気にいろんな発信をしていただければと思います。

お問い合わせ

市民局広聴課

仙台市青葉区国分町3-7-1市役所本庁舎1階

電話番号:022-214-6132

ファクス:022-213-8181