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更新日:2016年9月20日

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慶長遣欧使節スペイン訪問400周年記念 市民訪問団がスペインを訪問しました。

仙台藩主、伊達政宗公の命を受け、当時スペインの植民地であったメキシコとの貿易を行うべく派遣された慶長遣欧使節が、1614年にスペインに到着して400年。

これを記念し、2014年10月7日(火曜日)~14日(火曜日)の日程で、仙台市民訪問団計26名がスペインを訪問しました。

スケジュール

日にち

訪問地

スペイン地図

10月7日

日本からスペインへ移動、マドリード到着

10月8日

マドリードからコリア・デル・リオへ移動

10月9日

セビリア

10月10日

セビリア、エスパルティーナス、コルドバ、マドリード

10月11日

マドリード

10月12日

マドリード、トレド

10月13日

マドリード(スペインから日本へ移動)

10月14日

日本到着、仙台帰着

コリア・デル・リオ

コリア・デル・リオは、1614年10月5日にスペインに到着した慶長遣欧使節が、グアダルキビル川を遡上して滞在した場所です。慶長遣欧使節の末裔と推定されるハポン(スペイン語で「日本」の意味)さんがいる地として知られています。

現地では市長を表敬訪問し、支倉常長の像が設置されている広場で桜の記念植樹を行いました。また、この日は慶長遣欧使節訪問400周年記念・東日本大震災追悼のサッカー親善試合にご招待いただき、訪問団も現地のみなさんと一緒に観戦することができました。夜はハポン姓の方々等との交流会を開催。お互いの文化を紹介したりしながら大いに盛り上がり、現地の方々が慶長遣欧使節の歴史を心から大切に思ってくださっていると感じました。

支倉常長像写真

コリア・デル・リオにある支倉常長像。グアダルキビル川を向いて建っています。1992年に宮城県により寄贈されました。

コリア・デル・リオ市庁舎前写真

コリア・デル・リオ市長、ハポンさんを交えて、市庁舎前にて記念写真。

グアダルキビル川写真

1614年10月5日、スペインのサンルカル・デ・バラメダに到着した慶長遣欧使節が船でセビリアへと上っていったグアダルキビル川。

サッカークラブのユニフォームを交換している写真

ハポンさんとの交流会にて、コリア・デル・リオのサッカーチーム、コリアC.F.とベガルタ仙台のユニフォームを交換。両チームのユニフォームは偶然にもカラーがとてもよく似ています。

セビリア

1614年10月21日、セビリアに到着した支倉一行は、ここで大変な歓待を受けました。ここは、慶長遣欧使節に同行した宣教師、ルイス・ソテロの出身地でもあります。

市民訪問団は、実際に支倉常長も訪れたという市庁舎内の部屋で表敬訪問をし、また、遣欧使節縁の文書が残されているインディアス古文書館、セビリア市文書館、そして支倉常長が滞在したアルカサルを訪問しました。両文書館では私たち訪問団のために特別に資料を用意してくださっており、インディアス古文書館では徳川家康の書状、セビリア市文書館では伊達政宗がセビリアに宛てた書状といった、歴史的に大変貴重な資料を閲覧することができました。

セビリア市庁舎表敬写真

セビリア市庁舎表敬訪問。この部屋は400年前に支倉常長らも訪れた場所であり、議事堂として使われているそうです。

セビリア大聖堂写真

セビリアにあるカテドラル。世界遺産に登録されています。建物は圧巻の大きさで、馬車も走っており、多くの観光客でにぎわっていました。

インディアス文書館写真

セビリア市文書館にて伊達政宗の書状を拝見。仙台市博物館学芸員が書状の詳細を解説しました。

アルカサル写真

アルカサル。随所に見られる幾何学模様の装飾は大変美しいものでした。

エスパルティーナス

セビリアからバスでエスパルティーナスに向かいました。この地には、ロレト修道院があります。

ロレト修道院は、支倉常長がスペインからイタリアへ渡るも外交交渉が頓挫し、その後も交渉を続けようと、1年以上もの間滞在していた場所です。

ロレト修道院写真

エスパルティーナスにあるロレト修道院。神父さんの出迎えを受け、担当者に説明をいただきながら内部を見学しました。

コルドバ

コルドバはかつてイスラム教が栄えていた土地であり、イスラム時代の文化を伝える建築物や街路が遺されています。
支倉一行も実際に訪れた記録が残されているというメスキータは、歴史の遷移のなかでイスラム教とキリスト教の様式が混在していったという珍しい建築物です。訪問団は、メスキータのほか、ユダヤ人街など、世界遺産に登録されているコルドバ歴史地区を散策しました。

メスキータ写真

コルドバにあるメスキータ。イスラム教のモスクとして建設されましたが、その後キリスト教の聖堂と転用され、改築されていきました。

マドリード

スペインの首都・マドリード。ここで支倉常長は、国王フェリペ3世に謁見し、キリスト教の洗礼を受けます。支倉常長が洗礼を受けたのは、デスカルサス・レアレス修道院(王立跣足会女子修道院附属教会)でした。訪問団はスペイン政府機関学芸員の案内により、厳かな雰囲気漂う教会内を見学し、保存されている貴重な資料の数々を見ることができました。そして、フェリペ3世に謁見した王宮を訪れ、王立武器庫博物館にて中世ヨーロッパの数多くの武器資料を見学しました。また、有名な作品が数多く展示されている世界有数の美術館・プラド美術館では、フェリペ3世の肖像などを観覧しました。なお、プラド美術館訪問日の10月12日は、ちょうどスペインの独立記念日であるイスパニアデー(祝日)にあたり、街中は独立記念パレードを見ようと多くの見物客でにぎわっていました。

デスカルサス・レアレス写真

デスカルサス・レアレス修道院。歴史的に貴重な資料が多数保存されており、一般観光客が開館前から列を作っていました。

王宮写真

マドリードにある王宮。王立武器庫博物館が併設され、充実した展示も見ることができました。

トレド

マドリードからバスで南に約1時間半のところにある世界遺産の古都、トレドを訪問しました。世界遺産であるトレド大聖堂は荘厳かつ豪華な趣きがあり、当時の支倉常長ら一行もこの建築物と雰囲気にさぞ衝撃を受けたのではと想像しながら内部を見学しました。

トレド風景写真

世界遺産の古都・トレド。かつてイスラム教・ユダヤ教・キリスト教が混在した地では、情緒溢れる街並が広がっていました。

トレド大聖堂写真

トレド大聖堂の前にて。

(参考資料:「伊達政宗の夢-慶長遣欧使節と南蛮文化-」(仙台市博物館発行))

慶長遣欧使節一行が400年前にスペインに到着したのは10月5日。そして今回、訪問団がスペインに到着したのは10月7日でした。訪問団は、スペインの空気、人々、文化、重厚な歴史にふれながら、スペイン各地に残る支倉常長ら慶長遣欧使節の足跡を辿りました。現地の方々も、そして訪問団員からも、支倉常長の築いたこの交流を次の100年へと繋げていきたい、そういった声が聞こえてきました。

かつてサン・ファン・バウティスタ号で月の浦を出帆し、メキシコを経由してスペインへと渡った仙台ゆかりの人物の偉業に思いを馳せながら、仙台とスペインとの縁を感じるとともに、仙台市民としてこの歴史を大切にしていこうとの思いを新たにした旅でした。

参考

お問い合わせ

文化観光局交流企画課

仙台市青葉区国分町3-7-1市役所本庁舎4階

電話番号:022-214-1252

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