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更新日:2017年4月25日

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発表項目以外の質疑応答の概要(平成29年4月25日)

平成29年4月25日

 

(1)先日行われた県内4市長選挙について市長の受け止めを伺う

それぞれの地域によって事情が違うものだなと思ったことはひとつあります。石巻市に関しては県内最大の被災地であって、復興についても仙台や県南の地域と比べると、まだもう一歩というところがあると私自身は感じています。そうした石巻において、やはり現職が強かったというのは、復興の一貫性をまだまだ重視されて、そこにポイントが置かれた選挙戦だったのかと私は拝察をしました。

一方、内陸部においては大変僅差で激戦の選挙が行われたと受け止めております。私も現地にはおりませんので詳しく分からない部分もありますが、合併により展開された新しい市の一体性を目指したまちづくりの中で、地域的ないろいろな思いをどのようにくみ取るかという点に難しさがあったのかと思っています。

仙台にも合併があり、合併から30年が経過して現在は一定の一体感を得た上で市政を運営させていただいていると私自身は思っていますが、合併から12年程度のところでは合併の是非について地域によってお気持ちに差が出ている状況もあるのかというふうに思いました。

 

(2)次の仙台市長選挙では復興が争点になると思うか

復興については長期的に取り組まなければいけない課題がハード面でもありますし、心の面や子どもたちの将来に向けた応援というような意味では、長い時間がかかるものもありますので、引き続き仙台市政として大きな課題であることは間違いないと思います。

ただ、その進め方については、例えば右と左とに分かれるような大きな進め方の違いがあるかというと、どなたがお考えになられてもそんなに幅のある選択肢はないと考えています。いかに丁寧にきめ細かく続けていくかということであり、そういう意味で争点ではないのではないかと思います。重要な課題だとは思いますけれども、争点にはなじまないのではないかと私としては思っています。

 

(3)秋保地区を3区に編入するとした衆院選小選挙区の区割り勧告について、市長の受け止めを伺う

政令指定都市は大規模な人口を抱えているので、さらに住民自治をきめ細かくするという意味で区を設けていると私自身は理解しています。ですから、もちろん国政における一票の格差の是正は大変重要なことではありますが、区というのは大きな一体感を持って運営されるべきものと考えています。地域の住民の気持ちを国政に反映させていく時に、ごく一部の地域だけが代表する方が別になる、自分たちの地域づくりに寄せる要望を代表して国会で代弁していただく方が、区の中である意味で二分するというのは、区を一体として運営している私どもにとっても、また地域住民の方にとっても、決して合理的な根拠があるものだとは言いにくい側面があります。

また首長としても、それを住民の方に格差の是正上やむを得ないという言い方はできても、これがより良い方法だというふうにはお話ししにくい面があると受け止めています。政令指定都市全体として区を分断する選挙区のあり方というのは、はっきり言えばやめて欲しいとかねてから要望しておりますが、ついに仙台市もそういう状況になりまして、私としてもなお、指定都市の区を分区して別の選挙区になるというのは、住民の方のお気持ちを考えると望ましくないと受け止めています。

 

(4)秋保地区の住民は困惑するのではないか

住民の方は、なぜ自分たちだけがというお気持ちだと思います。全体の数を計算された中で、格差の範囲に収まるか、違憲判決の中で示されたガイドライン的な数字の中に収まるかなど、いろいろと専門の方々が精査された上でそういうことになったのだと思いますが、やはり住民の方の気持ちとしては、これがより良い方法だというふうには思えないというのが率直なお気持ちだと思います。

 

(5)区割り案に強く反対する首長もいるが市長の考えを伺う

一票の格差を是正することも求めなければいけない要請でありますので、現状の中でこうなることに一定の理解はするのですが、それが住民の方にご理解いただける状況をつくっているかというと決してそうではありません。

今のやり方を当てはめていけばどうしても微調整の中で分断していくことにならざるを得ません。地方がどんどん人口減少になっている中で、国政の場で本来的な地方の気持ちを生かせる形での選挙のあり方をきちんと議論していただく。今の方式だけが唯一の方式ではないはずなので、例えば比較する選挙区が鳥取のみであることが正しい格差の比較かどうかというところも含めて抜本的に考えていただいた上で、人口減少の中で過疎化する地域の声がきちんと反映できる国政のありようだと住民の方も納得できるような方式というのを模索していくことが、根本的には大切ではないかと思っています。

 

(6)太白区の選挙事務が複雑になると思うが、どのような対策を講じるのか

太白区の選挙事務において、今回の区割りの変更によって投開票事務のハードルがさらに高くなり、実務的に配慮しなければいけない要素が増えることは事実だと受け止めています。開票ラインが一つ増えるわけですので負荷は大きいと思います。

ただ、そうするということが法で決まれば、法に基づいてしっかりと適正に運営していくことが選管の最大の義務ですので、私もその義務が完全に果たされるように、場所の確保であるとか職員の確保も含めてしっかりと応援して、完全な事務執行が果たせるように力を尽くしたいと思います。

 

(7)太白区選管の職員の増員を行うのか

実際には開票のラインが一ライン増えると思いますので、当日の従事者は少なくとも今までよりも増員しなければならないと思います。その事前の作業として恒常的に人員が必要かどうかは区選管で検討していると思いますが、今後、総務局と話し合った上で必要であれば私の方にも上がってくると思います。

 

(8)行政区を一体として運営する上で、今回の区割り案によりどのような課題が生じると考えるか

国会議員の先生もよく地域を回られますので、地域の方々は、例えば農業の地域であればブランドづくりをどうしたらよいかや、太白区なら地域の活性化において秋保はどういう位置づけで行うかなどをご相談したり、また先生にご招待状を出したりなど、いろいろな日頃の交流があります。

しかし秋保地区だけ選挙区が違ってきますと、広い意味で太白区をご存じの先生にお話をするということではなく、県南の方からずっと回っていらっしゃる先生にお話をすることになり、一からお話をしなければいけないという部分が大変多くなるのでは、やはり住民の方も相当困られると思います。また、3区は非常に広範な区域を持つ選挙区ですので、今まで1区の先生が非常にこまめにおいでいただいたのに比べると、自分たちと国会議員との距離感が遠くなったと感じられるかもしれません。

 

(9)蒲生北部地区で現地再建を行った住民が市長との直接対話を要望しているが、市長の対応について伺う

住民の皆さまのお声は何回かいただいておりまして、私どもの考えは議会での質疑や住民の方へのご回答という形でも申し述べております。そういう中で住民の皆さまのお気持ちとしてご面会ということもありますので、今後のお話の中で、これまでと違うお答えやこれまでと違うお気持ちなど何か新しい要素が出てくれば、私が直接お目にかかることもあるかもしれません。ただ、今まで何度となくやりとりをさせていただいて、私の基本的な考え方はいろいろな形でお伝えをしておりますので、その繰り返しになるということであれば、ご面談としての意味というのをどう捉えるかということにもなろうかと思います。

 

(10)直接会う予定は無いということか

今の時点で私のスケジュールに入っているということはございません。

 

(11)面会せずに理解が得られると思うか

私どもの今回のお返事は、仙台市としては災害危険区域からの移転をお願いしたいということを基本に据えています。そのため、移転にあたってはさまざまなものが必要になるだろうということで、新しい制度を作らせていただきました。現地にお残りになりたいという方は、私どもの基本的な方向性、制度を作った趣旨とは、ある意味では違った目標を掲げていらっしゃるということの中で、そうした制度の対象として考えることはできかねるという話を、私の考えとしてすでにお伝えをしております。ご理解をいただくように私としてもさらにお話を続けていくというスタンスはずっと持ち続けておりますが、なかなか皆さま方のお考えと私や仙台市が持つ考えとの間には、一定の隔たりがあることは事実だと思います。

 

(12)市長が住民から直接話を聞くことで理解を得られるのではないか

私自身が会うということもありますし、また、この間担当の職員がいろいろお話を聞かせていただいたり、交渉をさせていただいたりしていますので、そうした中で今後お互いの中でどういう可能性があって、それに向けて私自身の行動、もしくは皆さま方のお考えにどういう変化があり得るのか、そうしたことを丁寧にすり合わせながら決めていくということもあるかと思います。

 

(13)市長が会わないことで住民側が見捨てられたと思うのではないか

さまざまな受け止め方があると思いますが、仙台市として住民の方を切り捨てるとか見捨てるということではなくて、何を重要と考えて判断に至っているかの違いだと思います。ですから見捨てたということではなく、地域の安全をどう確保していくか、特に将来世代に向けての安全をどう確保していくかということについてのビジョンの持ち方が少し違っているのかと思います。

 

仙台市長 奥山 恵美子