（1）本日環境省が、岩手、宮城のがれきの広域処理が3月末までに完了する見通しを発表したが、市長の所感を伺う

今回の震災の中でがれきの処理は、初期における大変大きな、最大の課題といってもいいと思います。とりわけ、量が膨大だということがあったわけですが、広域処理のめども立って、がれき処理という、復興に向けて一番最初に達成されなければいけない目標が順調に目標年次内で解決できるということですので、これは仙台市としても大変うれしいことであります。

（2）一方で、福島県のがれき処理は、原発事故の影響で処理の見通しが立っていないが、市長の所感を伺う

いろいろな意味で、復興の妨げになっている要素として、放射性物質が付着したがれきや落ち葉、河川の汚泥などの放射性物質が一定濃度以上付着したものを処理し、最終廃棄にまで持っていくプロセスの途中での中間処理施設、そして最終処分施設の問題があり、そこがまったく決定できていないために、福島の今の現状があるのだろうと思います。

福島のがれき処理の阻害要件として最もよく現れていますが、福島だけでなく、宮城県内でも稲わらであるとか、一部農産物であるとか、中間処理施設の場所が確定しないために、処理に入れないでいるものが現にあるわけです。

環境省を中心に、国が責任を持って強力に自治体と協議して進めるという姿勢を出さない限り、一自治体では解決できない問題です。早く今後の見通しを立てていただくことが、福島県はもちろん、宮城県においても極めて重要なことだと思います。

（3）泉岳自然ふれあい館の火災から約1カ月たつが、現状はどうなっているのか

まだ、警察と協力しての調査が続いています。風が強かったとか気候的な要素もあって、やや当初の予定より遅れていると聞いています。天候次第ではありますが、おおむね今週いっぱいくらいで終了の見込みではないかと思っています。

（4）再建に向けてはどうなっているか

大変多くの方、特に子どもたちが待ち望んでいた施設ですから、我々としましては、早期再建に向けて、工事に着手したいというのが最大の願望です。

しかしながら、警察が十分な調査をすることも大事なことですので、警察の方でしっかり調査をしていただいて、我々としてとりかかるべき時期が来たら、すぐに工事なり何なりにかかれるように、まずは現場でなくてもできるいろいろな作業について進めておくようにという指示を出しています。

（5）今度の参議院議員選挙では、憲法96条の改正が争点になっているが、市長の憲法96条改正に対する考えを伺う

憲法は日本国の一番基本となる法律です。憲法の改正というのは、大変重要なことであって、国民全体として、しっかりと重要さ、そして課題のありようを認識して取り組むことが必要だと思っています。

そういう意味では、96条改正も、3分の2の議決を必要とするものを半分にするということは、これは相当程度にハードルの高さが変わってくるということですから、そのことを国民全体がしっかりと議論して、重要性を認識した上でのことになるかどうかということが極めて大切だろうと思っています。

私自身としては、現状ではまだ国民的な議論は、十分な熟度といえるほどに深まっているというには、少し早いのではないかと思っています。

（6）憲法96条改正は、参議院議員選挙の争点としては避けるべきということか

議論が深まることは良いことだと思います。ただ、いわゆる何でもそうなればいい、目標があってそこに進めばいい、その結果が出ればいいというのと、憲法の議論というのは違うのではないかとは思っています。

仙台市長 奥山 恵美子