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更新日:2023年5月3日
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八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」
動物は、自分から体調不良を知らせてくれることはまずないので、変わった様子がないか毎日注意深く観察するとともに、定期的に体重測定や採血などを行い、健康状態をチェックしていくことが大切です。
また、動物の治療に当たっては、触診や注射が必要になることもあります。
しかし、動物がおとなしく従ってくれることはなかなかなく、従ってくれたとしても、動物がストレスを感じることにもなりかねません。
また、これらを嫌がって動物が暴れれば、動物・人間の双方に怪我のリスクが生じます。
こうしたことを避けるため、当園を含めた多くの動物園で、「ハズバンダリートレーニング」が行われています。
これは、動物に自発的な行動を促し、こちらがとってほしい行動がうまくできたときに餌などのご褒美をあげてその行動を強化していくことで、健診や治療に必要な行動・姿勢を動物が自らとるようにしていくものです。
もちろん、動物が初めからこちらの求める行動をしてくれることはまずありません。
日常的なお世話を通じて飼育員・獣医師と動物とが信頼関係をしっかりと築いたうえで、動物のやる気などの状態を慎重に確認しながら、少しずつやれることを増やしていきます。
いま、当園のアフリカゾウは、前に来る、後ろに下がる、止まる、来てほしい場所に来る、柵に横付けする、脚を上げるといったことができるようになっていて、毎日の健康チェックに大変役立っています。
「ベン」は、これに加えて、うつぶせになることなどもできます。
このトレーニングは、寝室に戻った後に行っていますので、タイミングさえ合えば、ガラス越しにどなたでもご覧になることができます。
「ベン」が柵に横付けになり、左の後ろ脚を上げています。
うつぶせになっています。
採血、注射などの練習をしています。
職員とゾウのやり取りを見ていると、まるで何かの芸を教えているように見えるかもしれませんが、実は、こうした大切なトレーニングをしているところなのです。
大きなアフリカゾウが職員の指示に応じて様々な動きを見せる様子からは、お互いの信頼感と、ゾウの賢さ、器用さが伝わってきます。
園長として園内を観て回るようになってから、いろいろな発見や驚きがありましたが、一番はじめに、驚きとともに「ぜひたくさんの方に観てもらいたい!」と強く思ったのが、このアフリカゾウの「ハズバンダリートレーニング」でした。
私の拙い言葉ではその魅力を伝えきれませんので、現地で実際にご覧になることを強くお勧めします。
当園では、スマトラトラやホッキョクグマ、キリンなどでも「ハズバンダリートレーニング」を行っていますが、スマトラトラとホッキョクグマは、お客様が入れないバックヤードでトレーニングしています。
キリンは、お客様から見えるパドックでトレーニングすることもありますが、実施は不定期ですので(観られたら、とてもラッキーです!)、「ハズバンダリートレーニング」をご覧になりたい方は、ぜひアフリカゾウのところにお立ち寄りください。
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