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更新日:2025年3月21日
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軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI)は、健常(年齢相応)と認知症の中間の状態です。
記憶力や注意力などの認知機能に低下がみられるものの、自立した日常生活を過ごせる状態を指します。
MCIから健常(年齢相応)な状態に回復する人の割合は1年で16~41%、MCIから認知症に進行する人の割合は1年で5~15%とされています。
MCIに早い段階で気づき、生活習慣の改善や治療を受けることで、認知機能の低下をゆるやかにしたり、状態を改善できる可能性があります。
※『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック』(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター)をもとに
仙台市作成
日常において基本的な生活動作は自立しているものの、以前と比べて
というような認知機能の低下がみられます。
ご本人の自覚だけでなく、以前から知る他の人から見て感じられる情報も大切です。
出典:地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 「教えてドクター!気になる病気」軽度認知障害(MCI)
MCIの背景として、アルツハイマー病やレビー小体病などの認知症を引き起こす疾患、慢性硬膜下血種などの脳血管障害、正常圧水頭症、うつ病、ビタミンB群・葉酸や甲状腺ホルモンの不足、薬の副作用などが知られています。
そのうち、認知症の原因の約7割を占めるアルツハイマー病は、MCIの原因の約5割を占めると言われ、MCIの原因がアルツハイマー病である場合、認知症へと進行する可能性が高いと考えられています。
出典:地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 「教えてドクター!気になる病気」軽度認知障害(MCI)
アルツハイマー病の原因に働きかけて病気の進行自体を抑制する薬です。
アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)の方、および、アルツハイマー病による認知症が軽度である時期が治療対象となり、検査(脳脊髄液検査またはアミロイドPET検査)により脳にアミロイドβがたまっていることを明らかにする必要があります。
詳細を知りたい方は厚生労働省ホームページ(外部サイトへリンク)をご覧ください。
加齢などにより心身の活力(認知機能、筋力、社会とのつながり等)が低下した状態をフレイルと言います。
フレイルは、健康な状態と要介護状態のちょうど真ん中の状態です。多くの人が健康な状態からこのフレイルの段階を経て、要介護状態に陥ると考えられています。しかし、早めに対処すれば健康な状態に戻ることができる状態でもあります。
認知機能の維持・改善もフレイル予防の取り組みの一つです。
1.生活習慣病等の体調管理・治療
生活習慣病とは、食事や運動などの生活習慣が原因となって引き起こされる病気の総称です。
具体的には糖尿病、高血圧、肥満(メタボリックシンドローム)、脳卒中、脂質異常症などがあります。
中年期には、糖尿病や高血圧、脳卒中などの生活習慣病を予防するために太らないこと、つまり「メタボリックシンドローム対策」が重要となります。
高齢期では、糖尿病や脳卒中は認知症の危険性を高めるとされています。一方で、高血圧や肥満、脂質異常症に関しては、中年期では認知症の危険性を高めることが分かっていますが、高齢期においてははっきりとしたことはわかっていません。高齢期であれば「高血圧や肥満、脂質異常症であっても問題ない」ということではないので、注意してください。高齢期に差し掛かると、寝たきりや要介護状態を予防するために痩せないこと、つまり「フレイル対策」が重要になってきます。
※『あたまとからだを元気にするMCIハンドブック』(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター)をもとに
仙台市作成
2.栄養 しっかりと栄養をとりましょう!
身体に必要な栄養がしっかりとれるよう、朝・昼・夕の1日3回食事をとりましょう。
「主食」、「主菜」、「副菜」をそろえると、栄養のバランスが整いやすくなります。フレイル予防で特に大切なのは、たんぱく質を多く含む「主菜」です。毎食欠かさず食べましょう。
いろいろな種類の食品を組み合わせて食べることで、筋肉量の低下や身体機能の低下を予防することができます。
3.口腔 お口の健康を保ちましょう!
毎食後・寝る前の歯みがきや義歯の清掃をしっかりと行いましょう。
舌や唇、頬、のどの筋肉を鍛えると、食べ物や飲み物の飲み込みにくさや、むせの改善につながります。
またいきいきとした表情を保ちます。
かみごたえのある食材を使用したり、食材を大きくするとかむ力が維持できます。
口腔ケアには自分で毎日行うセルフケアと、歯科医師や歯科衛生士などの専門家が行うプロフェッショナルケアがあります。年に1度は歯の健康診査を行い、ご自身の口腔状態に合わせたケアを行ってもらいましょう。
4.運動 意識して身体を動かしましょう!
生活のなかでこまめに動き、横になったまま・座ったままの時間を減らしましょう。
家事もこまめに、できることは自分で行い、家庭内での役割をもちましょう。
多要素な運動によって転倒・骨折が減少し、身体機能が維持・向上することがわかっています。ウォーキングや筋力トレーニングなど、いろいろな運動を組み合わせて身体を動かしましょう。
友人や家族と一緒に運動するのもおすすめです。
仙台市には地域の方が集まって運動している介護予防自主グループもございますので、参加してみてはいかがですか。詳しくは地域包括支援センターにお尋ねください。
5.社会参加 人や社会とつながりましょう!
地域では趣味活動やボランティア活動、スポーツ、学習活動など様々な活動が行われています。自分に合う活動を見つけて、仲間と出会い、無理なく続けることがフレイル予防につながります。
パソコンやスマートフォンなどでオンラインが使えるようになると、日本だけでなく世界中の人ともつながれます。共通の趣味を持つ新しい友達とも出会え、様々な情報に触れることができます。
ただし、詐欺サイトや不正送金メール(架空請求)などには注意が必要になります。
いつまでも自分らしく生活するため、介護・フレイル予防(健康づくり)の取り組みを行っています。
認知症・MCIの本人やその家族、地域の人が交流し、認知症やくらしの工夫などの情報を得ることで、ともに認知症への理解を深めます。運営スタッフには認知症の知識を持つ専門職が入ります。
MCIの症状がある方や、物忘れが気になる方は、早めに各種相談先へ相談してみましょう。
※ アルツハイマー病の新しい治療薬の投与を行っている認知症疾患医療センターがあります。詳細は上記リンク先ホームページをご覧ください。
「あたまとからだを元気にするMCIハンドブック」
「別冊生活ノート」
「MCIハンドブック簡易版」
出典:国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
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