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更新日:2023年2月17日

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仙台黒松で無人受け渡しサービス 老舗クリーニング店の挑戦【仙台市中小企業チャレンジ補助金取組事例】

株式会社神奈川クリーニングの取組事例

 株式会社神奈川クリーニングは、1967年仙台で創業したクリーニング業。現在は仙台市と多賀城市に11店を展開する。

伊藤課長
(営業課長として店舗運営のIT化に取り組む伊藤亜主可さん)

 伊藤亜主可(あすか)さんは創業した伊藤明夫さんの次男。父の事業を「地域に愛される仕事」と憧れ、早く一人前になって一緒に担いたいと考えてきた。職人肌の兄は一歩先に入社し工場を中心に力を発揮している。亜主可さんは大学で経営学を学び一般企業で5年働いた後、2021年大きな期待を胸に合流。

 しかし、初めに各店舗を回ってみると驚かされた。「令和の世に、うちだけ昭和で止まっていた」。店舗運営のシステムが一切IT化されておらず、看板は古く、広報も店舗に小さなポスターを貼るだけで店に来た人にしか伝わらない。「待っていればお客様が来てくれた時代のまま。変わらなければいけないと切実に感じました」。最初に手掛けたのは、仙台市の中小企業チャレンジ補助金を活用したスマートフォンの専用アプリと無人ロッカーの導入だった。

 

専用アプリでコロナ禍のニーズに対応

 きっかけは、新型コロナの影響で業界の需要が大きく落ち込み、営業時間を21時から19時に繰り上げたことだ。地下鉄駅に近い黒松店は仕事帰りに立ち寄る人が多く、「19時では間に合わない」という声が聞かれた。「このお客さんを逃したくない」と亜主可さんは無人ロッカーの設置を思い立つ。これなら営業時間外でもクリーニング品を預けたり受け取ったりでき、コロナ下で高まった非接触・非対面のニーズにも応えられる。専用アプリを作成し、運用開始から3ヵ月、登録者も徐々に増えておりトラブルもなく滑り出しは順調だ。

アプリイメージ
(専用アプリでは、預けたクリーニング品の確認やクーポンの受信ができる)

 会員登録して専用アプリにログインすると、クリーニング品の情報や料金がスマホで確認でき、紙の預かり票も不要。これは、ロッカーを使わず店舗で預ける人にとってもメリットだ。現在はみやぎ生協黒松店内にロッカーがあるため時間の制限があるが「将来的には24時間出し入れ可能を目指す」と意気込む。

ロッカー
(営業時間外でも無人ロッカーからクリーニング品を受け取れる)

 

技術力とアイデアで未開拓分野にも挑戦

 ファストファッションの定着や洗濯機・洗濯洗剤の技術改良などによってクリーニングに出される衣料品は減少の一途だ。しかし「伸びしろは、まだある」と亜主可さんは悲観していない。社内の業務改革や、これまで積極的に行ってこなかった法人への営業活動、インターネットでの発信など、取り組むべきことは多い。「まだ誰もやっていないクリーニングの未開拓分野にも挑戦したい。毎日頭をフル回転させて考えています」と目を輝かせる。

 「神奈川クリーニングの強みは、しみ抜きをはじめとする技術の高さと誠実な仕事。一度利用すればリピーターになってくださるお客さんが多いです」と胸を張る。勝負どころは、安さ一辺倒よりも技術力とアイデアだ。

(令和5年1月取材)

 

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