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更新日:2024年4月5日
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社名:株式会社福田商会
設立:1886年
従業員:57名
本社:仙台市若林区新寺1-4-5 ノースピア
主な事業内容:卸売(農業資材、飼料、建材)、飼料製造・精穀、不動産賃貸、ホテル事業(ANAホリデイ・イン仙台)、保険代理店業 他
「圧篇加工した飼料米製品」
創業135年という歴史の中で、事業も多角化し、会社全体で自社の価値観が見えづらくなってきていた。
2017年、知的資産経営報告書の考え方を学ぶべく、講師を招聘して社内研修を実施。
その後、各部門から中堅スタッフを中心に代表者を選抜し、スタッフが主体となって自社の歴史を見直し、自分たちの強みを再認識した1冊の報告書を作成した。
現在では、毎年全スタッフを交えた会議にて内容を精査し更新を行い、今後取り組むべき課題やステップアップすべき内容を共有するようにしている。
様々な事業部で働くスタッフが同じベクトルを共有できるようになると同時に、当該報告書は常に会社の現状を表すバイブルとなったことで、これを提示することで新しく仲間に加わるスタッフや取引関係者にも弊社の取組みや思いを直ぐに理解いただく機会にでき、業務の推進力を高めることにつながっている。
「スタッフ集合写真」
「知的資産を検証するワークショップの様子」
「全スタッフ会議におけるグループディスカッション」
コメを餌として鶏や豚に与えても問題ないが、牛は生米をそのままでは消化できないから飼料として好ましくない─。そんな事実に驚く人は、仙台市若林区新寺に本社を置く各種資材卸「福田商会」の取り組みに感心するに違いない。
福田商会はコメに熱と圧力を掛ける「加熱圧ぺん加工」という技術を応用し、牛が消化できる飼料を開発。稲作農家には飼料用米作付けの魅力を高めると同時に、外国産飼料に頼っていた畜産農家に対しては地元米原料の飼料という安心・安全・ストーリー性を提供する。農業資材卸の域を超えた課題解決は、まさに四方よしの理念に通じる。
「開発した牛の飼料」
創業は1886(明治19)年。歩みは135年の長きに及ぶ。柱である農業資材・建設資材の卸売りに加え、ホテル「ANAホリデイ・イン仙台」(若林区新寺)の経営、不動産賃貸、など多角経営を展開する。
コメを肉牛の餌に、という取り組みは2005年、農家に資材を販売するだけでなく農家の経営改善に貢献しようと、多収穫米の栽培研究に乗り出したことから始まる。2009年には飼料米の用途を広げるべく、加熱圧ぺん加工したコメを宮城県畜産試験場の協力を得て牛に提供。肉のうまみが増すなど、良好な結果を得て実用化につなげた。
東日本大震災では、この積み重ねが津波で被災した農地再生の足掛かりとなる。津波による塩害が心配された沿岸部の水田に、対塩性が比較的強い飼料用品種を作付けすることを農家に呼び掛け、いち早い水田の復興と農家の生業再生を後押しした。
畜産農家にとっても飼料に地元産米を使えることは魅力だった。年間を通じて安定した価格で入手できる上、輸入に頼ることなく国産で賄えることは食料自給率や環境保全の観点からも願ったり叶ったりだった。
独創的な取り組みは2013年、日本商工会議所青年会議所青年部ビジネスプランコンテストで最優秀賞の「日商会頭賞」を受賞。福田商会の名を全国にとどろかせるきっかけになった。
「社内ワークショップの様子」
もちろん、四方よしに欠かせない「働き手よし」の取り組みにも抜かりはない。2017年には「知的資産経営」の考え方を導入。年2回、全スタッフが集まって自社の進路を語り合い、会社を進化させる取り組みを続けている。経営の多角化にともない、他の部署のことが分かりにくくなる弊害は2003年から社内ニュースレターを毎週発行することで克服。良好な風通しを保つ。
こうした革新的な施策を主導してきたのは、代表取締役専務の福田大輔さん(44)。「長きに渡って支えても
らってきた地域に報いることが地元企業の役目。企業の原動力であるスタッフ一人一人の力を最大限に伸ばして、国の礎である第一次産業を支える企業であり続けたい」と語る。
「代表取締役専務の福田大輔さん」
津波で被災した若林区藤塚地区に農園、温泉、飲食の複合施設「アクアイグニス仙台(仮称)」を整備する事業にも参画。飲食部門を担う計画で、福田さんは「ホテルとの相乗効果を出しながらにぎわいの再生、農業の活性化、地元経済の成長に貢献したい」と意気込む。
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