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更新日:2023年10月4日

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調査研究報告要旨(平成19年度「仙台市博物館調査研究報告」第28号)

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新刊図録・目録調査研究報告機関誌「市史せんだい」仙台市史

平成19年度「仙台市博物館調査研究報告」第28号には、以下の論文等を掲載しました。

1 支倉常長像の模写と写真ー大泉光一氏「支倉常長像の加筆・改作」説の検証を兼ねてー

濱田 直嗣

仙台市博物館が所蔵する「国宝・慶長遣欧使節関係資料」は、使節の帰国以来さまざまな経緯を重ねながら現代に伝達されているが、本稿では、その中の代表資料である「支倉常長像」の近代における受容の動向を、写真と模写及び書籍掲載の実例に照らして報告した。

明治9年(1876)に仙台で開催された「宮城博覧会」に出品の本画像を明治天皇が叡覧され、随行の岩倉具視らが歴史的、外交的、政治的な観点から高く評価したところに始まる近代の多岐にわたる活用は、ほぼ3系統に分類できる様式を生み出している。

時代の経過とともに独自の内容を確保した模写図、写真、制作図のこれらを検討する傍ら、大泉光一教授が近年提唱されてきた本画像の加筆・改作説の検証を試みたが、そこには破綻と誤認がかなり指摘され、提唱の恣意的見解に反論する結果になった。

2 柳宗悦と東北ー昭和九年~昭和十五年ー

小井川 百合子

民芸運動を提唱した柳宗悦(1889~1961)が、昭和初期から昭和15年までの間に、東北の地でどのように行動し、東北の人々に影響を与えたかを、日本民藝館所蔵の「領収書」と東北各地で刊行されていた新聞の掲載記事からひもとこうとするものである。

柳と東北との関わりは昭和2年冬に始まるが、特に昭和9年11月の東京高島屋での「現代日本民芸展」の開催は、柳たちの調査活動を推進させる大きな契機となった。二万点余の各地の民芸を集めた展示販売の企画には、すさまじいまでの行動力が必要だったからである。日本民藝館所蔵の「北国品物取扱ひ店」やその付属資料及び領収書群は、その準備期間の柳たちの精力的な行動を推測させる重要な資料となっている。

3 資料紹介 御証文方御本牒手控ー仙台藩における資料管理の一側面ー

齋藤 潤

本稿は、当館が所蔵する仙台藩家臣濱田家伝来資料に含まれる「御証文方御本牒手控」の全文を翻刻し、若干の考察を加えたものである。この資料は、仙台藩において資料管理を管轄した部局の一つであった「御証文方」の基本台帳(「本牒」)を基本に作成されたもので、主に近世大名家伊達家の家としての存立を支える文書や記録を中心に、その内容や数量、収納状況、傷みや紛失などの特記事項を、分類・収納されていた長持ごとに書き上げている。仙台藩における資料管理の様相を具体的に示した極めて貴重な資料である。

 

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