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更新日:2023年10月4日

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調査研究報告要旨(平成25年度「仙台市博物館調査研究報告」第34号)

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新刊図録・目録調査研究報告機関誌「市史せんだい」仙台市史

平成25年度「仙台市博物館調査研究報告」第34号には、以下の論文等を掲載しました。

1 屏風のなかの動物たち―伊藤若冲とその周辺作品をめぐって―

内山 淳一

当館は特別展「大江戸動物図館―子・丑・寅…十二支から人魚・河童まで―」(平成18年)をはじめとして、江戸時代の動物画に関わる展覧会をたびたび開催してきた。本稿は、それらの機会に出品された個性あふれる屏風作品の特質を、動物の渡来時期や画像の出典といった観点から論じたもの。特に、伊藤若冲筆「鳥獣花木図屏風」(プライスコレクション)については、登場するいくつかの動物の出典を明らかにすることで、その制作期を絞り込める可能性を提起する。

2 資料紹介―「伊達の黒箱」文書について(二)―

菅原 美咲

本稿は平成22年度「仙台市博物館調査研修報告」第31号に引き続き、伊達家寄贈文化財に含まれる「伊達の黒箱」とよばれる寛文事件関係資料群の一部を翻刻し、その内容を紹介した。「伊達の黒箱」には寛文11年(1671)年3月27日に仙台藩奉行の原田甲斐宗輔が、一門伊達安芸宗重を斬った刃傷事件について、その事後処理に関する文書397通が一括して収められている。本稿では4月3日から4月7日までの62通を翻刻した。

3 慶長遣欧使節をめぐる諸問題―大使支倉の名乗りと「震災復興派遣説」について―

佐々木 徹

本稿では、慶長遣欧使節に関わる幾つかの論点の中で、大使支倉六衛門の名乗り(仮名)の問題と近年提起されている慶長16年の地震・津波からの「震災復興派遣説」について若干の検討を加えた。

その結果、系譜・系図類で同一人物とされる支倉六衛門と支倉五郎左衛門・支倉与市については、同時代資料との不整合が甚だしいため、それぞれ別の人物とみるのが妥当であると結論づけた。

次に、「震災復興派遣説」については、現状では資料的な裏付けが全くない上に状況証拠もいまだ希薄と言わざるを得ず、受け容れがたい見解であると述べた。特に、仙台藩のみならず全国各地で凶作や飢饉といった様々な災害が頻発する前近代社会にあって、慶長遣欧使節の派遣を震災復興政策の一環であると特化されることは、かえってこの使節の意義を矮小化させてしまうのではないかとも指摘した。

 

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