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更新日:2023年2月24日
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国産の陶磁器としては17世紀前半の肥前産磁器が大半ですが、ほかに瀬戸・美濃(現在の愛知県北部の瀬戸市から岐阜県多治見市付近)と唐津(現在の佐賀県唐津市付近)、丹波(現在の兵庫県篠山市付近)などで生産された陶器もあります。肥前三股(現在の長崎県波佐見町付近)産の青磁皿は多量に見つかっており、饗宴のためにそろえておいたとみられます。このほかにも、土師器質土器や蒔絵の椀などが見つかっており、本丸での生活を知る手がかりとなっています。
美濃(現在の岐阜県土岐市付近)で焼かれた製品と見られ、お茶の道具である「水指」と推定されます。上部には線刻や印刻による草花文を描き、下部には蓮弁文を巡らし緑色釉が全体にかけられています。
<織部水指>
天目茶碗とは、禅僧が中国から持ち帰った、抹茶を飲むための茶碗で、小さめの高台からろうと状に開いて口縁部ですぼまる形をしています。仙台城跡でも16世紀後半に瀬戸で焼かれた製品が出土しています。本丸の一角では、茶の湯が行われていたことがうかがえます。
<天目茶碗>
現在の長崎県波佐見町に所在する肥前三股青磁窯で17世紀前半に焼かれたものと考えられます。口縁部に段のある皿で、見込みにヘラで牡丹文が彫られ、薄い青緑色の釉薬がかけられています。同じ器形の皿の破片が多数出土しており、饗宴のためにそろえられたものとみられます。
<青磁牡丹文皿>
土師器質土器は、本来古墳時代以降の素焼きの土器全体を指しますが、仙台城本丸跡から1,900点余もの大量の破片が出土しています。ロクロで整形された大量の大小の皿は、酒器や灯明皿として使用されていたようです。仙台藩特有の格子状のタタキ目が施された焼塩壷も出土しています。
<土師器質土器>
金粉を蒔いた下地に漆を塗り研き出した梨地蒔絵の梅鉢文椀が出土しています。漆膜が残っているだけですが、高級な梨地蒔絵は、政宗の墓所である瑞鳳殿や大名墓等を除いては発掘で出土することが珍しい資料です。
<梨地蒔絵椀>
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