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更新日:2023年2月24日
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III期石垣の石材からは、当時の職人たちからのメッセージともいえる様々なサインが発見されています。ノミによって彫られた刻印・刻字は約3,000個を数え、刻印は「井・○・+・△」をはじめとして50種類以上が確認されています。刻字には「十二・上・下」など数字や位置を表したと考えられるものも見られ、その中からは「慶安五年八月十五日」(1652)と刻まれた石材も発見されました。
<詰門東側石垣刻印分布図>
<石垣の刻印>
<石材に刻まれた文字 「慶安五年八月十五日」>
III期石垣角部には、角石と呼ばれる長方形で精緻に加工された石材が使用されています。角石は約1~6tの重量のあるとても大きな石材で、長辺を左右交互に振り分ける「算木積み」という技法で積んでいます。また、稜線は「江戸切り」とよばれる、一定の幅で精緻な加工を施しています。角石同士のすき間は大変狭いので、薄く丈夫な鉄のクサビやカスガイといった「敷金」をはさみ安定を図っています。本丸北壁石垣の角部は、勾配を徐々に変化させて、弓なりの美しい反り勾配を作り上げています。
<左:算木積み><右:角石の上に残る「敷金」のサビ跡>
<左:カスガイ状の敷金><右:クサビ状の敷金>
石材加工のための道具には、叩くための「ゲンノウ」、「セットウ」、石を割るための「ヤ」、形を整えるための「コヤスケ」、「ノミ」などがあります。石垣修復工事では、当時使われたと考えれているノミ、ヤ、カスガイなどを発見しました。かつては、熟練した石工が、これらの道具を用いて手作業で石材を加工して積んでいました。現代も仙台市内には江戸時代の技術や伝統を受け継ぐ石工がおり、その仕事ぶりから当時の様子が想像されます。
<左:修復工事で出土したノミとヤ><右:石材を加工する(故)黒田虎雄さん(青葉区)>
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