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更新日:2023年2月24日
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本丸北壁石垣修復工事に伴う発掘調査で出土した遺物の中には、舶来のものが多数含まれています。
本丸跡から出土した大量の陶磁器の中でも特徴的なのは、中国産の青花(せいか・日本では染付という)の占める割合が多いことです。また、朝鮮王朝(李朝)の白磁も見つかっています。
さらに、ガラス器の破片が約500点発見されており、これらは17世紀後半のヴェネチアやボヘミアなどの北ヨーロッパが生産地と考えられます。
本丸跡からは、ガラス器の破片が約500点見つかっています。うち、エナメルで彩色されたガラスの器の破片を4点発見しています。
ガラス片は、口緑部の白色の2段列点部分(2点)、動物(ウマか?)の目の部分(1点)、動物(ウマか?)の足の部分(1点)にあたり、杯(グラス)状の形とみられます。17世紀のヴェネチアもしくはボヘミアなど北ヨーロッパ産と見られ、エナメルで彩色したガラス製品として、国内ではまれな出土例です。
<左:エナメル彩ガラス><右:想定復元図>
本丸からは青ガラスモール鉢が出土しています。口緑部が折り返されて補強された青ガラスの鉢は、器厚の変化が縦の稜線(モール)となって美しい青色の濃淡を生み出しています。ガラス内に気泡を多く含む半透明のソーダガラスで、17世紀のヴェネチア産とみられます。このほかにも緑色や透明なものなど、さまざまな器種、器形の製品の破片が出土しています。
<左:青色ガラス><右:想定復元>
本丸跡から出土した大量の陶磁器の中でも、最も多く出土しているのが、中国で焼かれた青花です。日本では染付(そめつけ)と呼ばれ、青いコバルト釉(呉須(ごす))で絵付けされた碗や皿などさまざまな器種があります。特に、中国の明の時代末から清の時代初めにかけての景徳鎮窯(けいとくちんよう)の製品が多くみられます。
<青花>
蓋受けのある口緑部破片があることから合子(ごうす)と推定されます。体部には円形などの区画が配され、呉須(ごす)で施釉後、白化粧土の貼付による鳳凰文や唐草文が施され、鳳凰の頭部と体部には金彩が残っています。中国明の時代末から清の時代の初め頃に、景徳鎮窯(けいとくちんよう)で焼かれたと見られ、これまでの出土品や伝世品でも類例のない、貴重な遺物です。
<金彩鳳凰文合子>
五彩は、白釉陶(はくゆうとう)や白磁を素地に、赤・緑・黄など明るい絵の具で上絵付し焼き付けた製品で、中国の明時代末から清の時代の初めにかけて盛んに焼かれ、日本では赤絵や色絵と呼ばれています。仙台城跡では、約200点余が出土しており、ウマや植物、幾何学文様など、さまざまな絵柄の碗や皿があります。
<五彩>
青磁は、青色に発色する釉がかけられ、高温で焼成された磁器です。中国で焼かれた青磁は、わが国の茶人に珍重されていました。仙台城本丸跡では、100点余の青磁を出土しており、2匹の魚が対面する双魚文(そうぎょもん)のある皿など大型の器もあります。
<双魚文青磁皿>
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