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更新日:2023年4月20日

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補助金活用事例集volume16:三洋テクニックス株式会社(後半)

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インタビュー記事

─ キントーンの導入に併せて労務管理システムも導入されたそうですが、こちらはどのようなきっかけですか。

 もともと、「働き方改革」、中でも長時間労働解消に向けた対応も必要だと考えていました。

 当社では、秋季に向けて除雪機械の整備案件が増えます。雪が降る前には整備を終えなければならないので、どうしてもこの期間の残業時間が増えてしまいます。生産性向上のためには働きやすい職場環境づくりが不可欠でした。

 

─ どのように改善されたのでしょうか。

 これまでは社員の出退勤をタイムカードで管理していました。毎月の給与計算のために出退勤情報をエクセルに手入力する必要があり、時間がかかるのと、入力ミスが発生するリスクがありました。

 そこで、労務管理システムを刷新しました。本社と卸町工場に設置したカードリーダーに、各自出退勤時にICカードを読み込ませ、勤務時間等をシステムに記録させます。各自のスマホからも、出張や直行直帰の入力、残業申請などもできます。残業申請・承認と会計システムが連動しており、自動で給与計算に反映されるようになりました。

三洋テクニックスの画像

 

─ こちらの導入効果はいかがですか。

 給与計算事務は、これまでかかっていた時間を9割削減できました。入力ミスもなくなり、業務効率化の効果をとても実感しています。

 残業申請だけでなく、有給休暇の申請もスマホからできるようになったので、現場の社員からはペーパーレスで申請手続きが楽になり、休暇の取得可能な残時間数や、自分の累計残業時間数の確認なども簡単にできると好評です。

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─ 導入はスムーズに行えましたか。

 主に使用するのは現場の社員なので、まず何人かの社員に試しに使ってもらい、使い勝手などを確認してもらいながら導入しました。新しい仕組みに全員がすぐ対応できるようになることは、まずなくて、人によって、早く慣れる人もいれば、時間がかかる人もいます。習慣化してもらうことが大事なので、何度も根気強く、声掛けしたり、入力を促したりしています。

 

─ 残業時間の削減につながりましたか。

 そうですね。徐々に減っていっていると思います。労務管理のデータと顧客管理のデータとの連携によって、整備案件ごとの作業時間なども把握しやすくなり、業務の平準化にも役立っています。

 当社では、毎週月曜日の朝に全社員が集まる会議を行っています。受注案件の進捗状況や納期などを情報共有しているのですが、そうした場でも、全社員に時間の管理にこだわってほしいと話して、効率的な働き方を意識してもらうようにしています。

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─ 効率的な働き方によって残業時間が減ることは、人によっては残業代が減ってしまうので、積極的な取り組みにつながりにくい面があったりしませんか。

 あくまで残業は必要だからやるのであって、残業代ありきで残業するという社員はいないと思っています。「残業してでも仕事を終わらせよう」と思って取り組んでいる社員に対しては、「残業しないでほしい」とは言いませんし、申し訳ないけれども有難いと思っています。

 当然ですが、作業に慣れてない人が慣れている人より時間がかかることは仕方ないと思っています。だから定期的に勉強会や技術講習を行うようにして、力量をあげてもらい、自分の限られた時間でいかに早く仕事を終わらせられるか、という観点で取り組んでもらっています。

 結果として、生産性向上などによる売上増加分は、社員の給与に反映させるようにして、最近は毎年ベースアップを行っています。

 

─ システム導入にあたってのデメリットなどはなかったですか。

 システム導入には保守費用やシステム利用料など、ランニングコストはかかりますが、これまでかかっていた手間を考えると、導入前に戻ることは考えられません。手間が減った分を収益に直結する業務に充てられるので、大きなメリットを感じています。

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─ IT導入補助金の申請手続きはいかがでしたか。

 IT導入補助金を申請したものの、不採択だったという話を結構聞いていたので、必ずしも採択されるものではないと思っていましたが、富士フイルムさんは、支援実績も多く、申請支援の専任の方がいて、申請書の書き方など丁寧にサポートしていただき、手続きは問題なく進められました。富士フイルムさんにお願いしてよかったと思っています。

 

─ 補助金がなければ、導入しなかった可能性はありますか。

 今回は、補助金があったので一度に顧客管理と労務管理のシステムを導入できましたが、もし補助金がなければ、一度にやろうとは考えなかったと思います。あるいは、勤怠管理は、これでなければ業務ができないものではないので、当面はタイムカードのままだったかもしれません。

 ただ、今の採用難の状況を考えると、社員にとって働きやすい職場環境づくりにつながることは積極的に取り入れる必要があるので、いずれはシステム導入をしていたと思います。

 

─ 採用にはやはり苦労されていますか。

 業務に対して人員が足りない状況が続いており、地元の工業高校の機械科卒業生を採用したいのですが、大手企業と競争になるので、非常に厳しいです。

 採用できたとしても、長く働き続けてもらうことも難しくて、一時期、せっかく入社してくれた社員がなかなか定着しない時期がありました。

 新入社員に対する社内研修が不十分だったり、繁忙期に業務が集中して大変になっていたり、いくつか原因はあったと思いますが、そうしたものを一つひとつ解消して会社を変えていきたいと思って取り組んできました。

 実際に成果も現れて、今ではすぐ辞める人はいなくなりましたが、今回導入したシステムも、そうした経営改善の一環だと考えています。

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─ さらなるシステムの活用なども検討されていますか。

 顧客管理システムとして導入したキントーンは、予想以上にやりたいことができると感じました。今後は、例えば社員が持っている多様な資格を管理して、資格を“見える化”し、社員の資格取得の動機付けにつなげていきたいです。ベテラン社員の優れた技術の継承も、当社の課題の一つです。スキルやノウハウの可視化・継承への活用も今後検討していきたいと思います。

 

─ 今後の展望を教えてください。

 よく「働きやすさ」と「働き甲斐」との両立が大事といわれます。

 当社では、勤務時間のインターバル制度を設けたり、有給を時間単位で取得できるようにしたり、いろいろ制度を変えて働きやすさの追求をしてきました。

 でも、その目的は、やっぱり働き甲斐を得られるようにするためです。

 当社は、顧客ごとに受注、見積、整備、納品、請求まで原則として社員が一貫して行うため、担当社員がお客様と直接やりとりする機会が多いです。自分が整備した結果に対して、直接お客様に喜んでもらえることが、いちばんの仕事のモチベーションになると思います。

 システムで整備履歴などの情報を把握しやすくすることで、整備依頼があった時には、前回の内容を踏まえてさらにいい整備をしようとか、これまでの履歴から予防整備を提案しようとか、お客様に喜んでもらえるようにもっと活用していきたいです。社員に働き甲斐を感じてもらいながら、顧客満足度を高めていけるよう、今後も経営改善を図っていく予定です。

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─ 本日はお話ありがとうございました。今後のますますのご発展を祈念しております。

取材日:令和4年9月2日

 

IT導入支援事業者

 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社は、業種や業務の特性に合わせた課題解決型のサービスを提供しており、IT導入補助金の「IT導入支援事業者」に登録されています。

 今回は、同社のIT導入支援事業者としての取組について、担当者様にお話を伺いました。詳しくは富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社のインタビューページをご覧ください。

富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社

 

地域産業応援金

 仙台市では、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるために、国の補助金などを活用し、前向きな投資や事業活動を実施する市内事業者に対し、その取り組みを後押しする『仙台市地域産業応援金』を支給しています。
 今般の原油価格高騰等の影響を踏まえ、新たに「原油価格・物価高騰等加算」を新設し、支給額を増額してます。詳しくは地域産業応援金のページをご覧ください。

 

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