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更新日:2023年4月21日

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補助金活用事例集volume8-3(前半):株式会社エムコーポレーション

 

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事業者

株式会社エムコーポレーション(外部サイトへリンク)

所在地:仙台市若林区卸町4丁目7-1斎喜ビル106

採択 事業再構築補助金 令和3年6月(第1回)
既存事業 小売・飲食業
事業再構築の類型と内容

業態転換

店舗の一部を縮小し、非対面型の注文システムを活用したお米などのサブスクリプションサービスを開始。

 

活用事例集:飲食店ノウハウを活かしたサブスクリプションサービスの導入

 株式会社エムコーポレーションさんは、鯖寿司を中心に、製造・卸売・小売業を営んでいらっしゃいます。事業再構築補助金を活用した新たな事業について、代表取締役の板橋一樹さんにうかがいました。

事例集volume8(PDF:1,913KB)

 

インタビュー記事

板橋さん

― はじめに、御社のこれまでの事業をご紹介いただけますか?

 もともとは石巻で鯖寿司を作っていたのですが、東日本大震災で被災して仙台に移ってきました。主力商品の鯖寿司は、自社工場で製造し、主に仙台場外市場杜の市場や駅、空港などの弁当売場に納入してまして、杜の市場内では寿司店の営業も行っていました。

 

― 鯖寿司はネット販売もされていますよね。

 はい。約10年前からネットでの小売販売を始めました。

 実はあまり力を入れておらず、ずっと売上が低調だったんです。でもまあ他の収益でやっていけるしいいかと放置していたのですが、新型コロナウイルス感染症が広がる少し前に、さすがにこのままではよくないと思い、ネット販売のテコ入れをしたところでした。

 その甲斐もあってか、売上が急増しまして、それまで年間約10~20万円だったのが1000万円規模までに伸びてくれました。

 

― それはすごい伸びですね。そこからなぜ事業再構築補助金の申請を考えたのでしょうか?

 感染症の影響で、市場や弁当売場などの売上減少額が大きすぎて、ネット販売の売上増加はその補填までにはならなかったんです。加えて、感染症拡大により直営の寿司店の営業も続けられなくなり、何か新しいこともやっていかなければと考えたところから、事業再構築補助金の申請に至りました。

鯖寿司

 

― 当初から補助金を使う前提で新しい事業の構想を立てられたんですか?

 いえ、まず新しい事業構想が先にあって、やりたいけどお金がかかるね、と話していたところに、新たな国の補助金制度が創設されました。もともと、利用できる制度はどんどん活用しようというスタンスで事業をしてきたので、すぐに応募の準備をし、第1回の公募(令和3年6月)に採択していただきました。

 

― 日頃から問題意識を持って考えていらっしゃったからスピード感のあるチャレンジができたんですね。どうしてお米のサブスクリプションサービス(サブスク)で事業再構築に取り組むことにしたんですか?

 自社で扱う商材はお米と鯖、と決まってまして、これまでの事業は生産者の方々と一体で取り組んできました。感染症拡大の影響で、自社だけでなく生産者の方々も厳しい状況に直面していて、特に米農家さんは、飲食店向けの出荷が全くなくなった上に台風19号の被害も重なって大変だったんですよ。

 そのような状況で、自社の寿司店も閉めざるを得なくなったこともあり、せめてこれまで寿司店で仕入れていた分のお米を、新しい方法で販売できないかと考えたんです。

 もともと米の生産販売というのは、相場の変動や、自然災害などによる収入の振れ幅が大きいので、以前から米農家さんとは、安定して売上が確保できる仕組が必要だよね、と話をしていたんです。

 サブスクでお客さんに継続的にお米を買っていただくことができれば、米農家さんの安定した収入にもつながると思いチャレンジすることにしました。

※サブスクリプションサービス(サブスク)とは
定額料金で一定期間サービスを利用できる仕組みのこと。

 

― サブスクというと、最近ではさまざまな内容のものがありますよね。

 そうですね。サブスクは感染症の影響が出る前から取り組みたいと思っていて、いろいろと勉強していたんです。サブスクは、我々はお客さんが継続したいと思えるような価値を提案し続け、お客さんはサービスに共感し成長に期待する、というように、お客さんと一緒にサービス自体の成長を目指すものだと考えています。

 自社の主力商品の鯖寿司は、賞味期限も短いし、毎日のように食べるものでもないし、サブスクはなかなかやりにくいなとモヤモヤ考えていたんですが、この感染症の影響もあり期せずして、今回、お米のサブスク販売という形になりました。寿司屋としてお米にこだわってやってきたことが活かせたと思います。

炊きたてのお米

 

― 今回のサブスクについて詳しく教えていただけますか。

 コンセプトは、寿司屋が目利きしたこだわりのお米を、一番おいしい状態で食べていただくということです。

最大の売りはお米の鮮度です。お米は生鮮食品で、精米後すぐ酸化して味が落ちてしまいますが、今回のサブスクでは、本当においしいお米を食べていただきたいと思い、発送直前に精米したてのお米を新鮮なうちに真空パックにしてお届けすることにしています。

 もちろんお米にもこだわっていて、これまでずっと一緒にやってきた米づくりの達人の佐藤さんの減農薬米を中心に、東北らしさを感じていただけるラインナップにしています。

 初回は、ササニシキ、つや姫、コシヒカリ、あきたこまち、はえぬきの白米5種類とササニシキの玄米のセットでお届けし、それを食べ比べてもらって、気に入ったお米を定期的に購入いただくか、または最初のセットでそのまま継続できるプランを考えています。

 基本は1合×6パックのセットで、世帯人数によって1回の量や発送回数を選べるプランを用意する予定です。

サブスク用のお米

 

― お米以外のサブスクサービスの予定はありますか?

 まずはお米のサブスクから初めて軌道に乗せたいと考えていますが、最終的には、家庭で手軽に調理できる酢飯商品や海鮮丼セットなども提供できればと考えています。これらは冷凍商品になると思うので、それに合った提供方法なども検討しています。

 お米の次の展開としては、お米だけでなく、お米に合う食材をセットにしたサービスを構想しています。宮城の食材は、お米はもちろん、魚もおいしいので、県外の消費者に今後サブスクでその魅力をアピールしたいです。

 もともと自社の鯖寿司だけ売れれば良いのではなく、生産者の方々と一体となって、宮城の良さを知ってもらいたいと思ってビジネスをしてきたので、このサブスクサービスで県外から注目され、たくさん販売していって、みんなにとっていい事業にしたいですね。

 

  • 米農家の佐藤さん

稲刈りをする佐藤さん

 

 

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