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更新日:2023年4月14日

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SNS担当チームのスキル向上とフォロワー・問い合わせ数の増加に成功!|株式会社キュウエイコーポレーション

東北で注文住宅「アヴィエスホーム」の建築販売を行っている株式会社キュウエイコーポレーションでは、コロナ禍で住宅展示場の来場者が減少し、集客のためにSNS活用に広報戦略を転換しましたが、成果が表れず課題を抱えていました。そこで、Webマーケティングのプロ人材である田伏さやさんの支援を受け、営業担当チーム一丸で取り組んだ結果、フォロワー数・問い合わせ件数の増加に成功。具体的な内容について、株式会社キュウエイコーポレーション常務取締役の渡辺留美子さんや「アヴィエスホーム」住宅展示場利府店の皆さん、プロ人材の田伏さんに話をお聞きしました。

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プロ人材の田伏さやさん(左)と株式会社キュウエイコーポレーション常務取締役の渡辺留美子さん(右)

 

インタビュー記事

なぜ、仙台市事業に応募しようと思われたのでしょうか?

株式会社キュウエイコーポレーション 渡辺留美子さん(以下、敬称略):SNS活用が課題で、何とかしなくてはと考えていました。近年、住宅展示場にある当社のモデルハウスへの来場者は減少傾向でした。以前は、お客様は住宅展示場でいろいろなメーカーのモデルハウスを見学しながら検討する方が多かったのですが、近年はインターネットなどで情報収集し、興味があるハウスメーカーのモデルハウスだけに行くお客様が増えています。また、興味関心を持つきっかけも、従来のテレビCM、新聞広告からSNSに移行しています。当社でも、こうした顧客行動の変化に対応して、SNSを活用したプロモーションに取り組み始めていましたが、ターゲットの顧客層に効果的に情報を届けるためのノウハウがなかったので、プロの知見をお借りしたいと思っていました。しかし、SNS活用のプロから支援を受けることに対する費用対効果が明確に判断できず、社内決裁が下りませんでした。そんなときに仙台市事業でプロ人材の費用が軽減されるという話があり、それが後押しとなって、進められることになりました。

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―もともとSNSの運用はされていたそうですが、どのような課題があったのでしょうか?

「アヴィエスホーム」住宅展示場利府店 村上純一さん(以下、敬称略):アヴィエスホームのInstagramは、私を含め利府店の営業担当者全員で運用しているのですが、営業の業務と兼務するのが大変で、定期的な投稿ができなかったことが一番の課題でした。また、営業担当者がローテーションで投稿することとしていたのですが、情報発信の仕方や内容に統一感がなく、なかなか成果も出ません。その結果、モチベーションも低下し、さらに投稿頻度が下がるという悪循環に陥っていました。月1回の定例会議で「投稿数を上げよう」と声掛けしてはみるものの、なかなか定着しませんでした。

 

―そうした状況に対して、田伏さんはどのような支援から着手されたのでしょうか。

プロ人材 田伏さやさん(以下、敬称略):最初、皆さん「何をどうすればいいのかわからない」という状態からのスタートでした。そこでまずは、アヴィエスホームの家づくりに興味関心を持ってもらいたいターゲットのペルソナ(具体的な人物像)を設定するところから始めました。Instagramでは、子育て中の母親がターゲットだったので、彼女たちがどんな価値観を持っていて、何にお金を使い、週末はどんな過ごし方をするのかといった、ペルソナの具体的なイメージを膨らませて、彼女たちが喜ぶ情報という観点で、投稿するテーマを考えることにしました。

 その過程の中で、もともとのキュウエイコーポレーションさんのWebサイトには、ペルソナに響くと思われるモミの木など建材としての魅力や、実際に住宅を建てられた方の声などを紹介するさまざまなコンテンツがあることが判明し、これを一つずつ発信していくことにしました。

 まず私がWebサイトのコンテンツから引用した情報を基に投稿内容を考え、あわせて、営業チームの皆さんが持っている住宅やインテリアに関する知識などを共有していただき、それに基づく投稿内容を皆さんに考えていただくことにして、定期的に投稿ができる体制づくりを進めました。

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―営業チームの皆さんは、支援を受けてみていかがでしたか?

営業チーム 門馬航之さん:営業チームは男性社員ばかりでしたので、ターゲット層の女性が何を考えているのか、なかなか分かりませんでしたが、田伏さんのアドバイスで情報発信の際に女性目線を取り入れられたと思います。

 さらに投稿時のフォーマットを作っていただき、またターゲット層に響くハッシュタグなども教えていただいたことで、簡単かつ定型的な投稿がしやすくなりました。これまでは営業業務のかたわらでなんとかこなしていた投稿の負担が減り、システマチックに行えるようになりました。

 

営業チーム 吉田嵩さん:定期的な投稿が可能となっただけでなく、投稿した結果を分析し、次の投稿の改善につなげていくPDCAサイクルの構築もできました。これまで自分たちのような素人分析だけでは、PDCAサイクルを回すことが困難でしたが、田伏さんに投稿分析していただいたことで、どう改善すべきか対応策を考えやすくなりました。

 

営業チーム 青木英弘さん:当社でSNS活用を行うことになった当初、私自身は「Instagramって何?」からのスタートで、「SNSで発信すればすぐお客様が来るのでは」と簡単に考えていました。当然そんな簡単なものではなく、投稿をしていても全く成果が出ないことにやきもきしていましたが、田伏さんから、「SNSでファンを増やすには、十分な期間が必要」と教わり、これまでの考え方をリセットできました。目先の結果ばかりを追うのではなく、長期的な視点から運用できるようになり、モチベーションの維持につながっています。

 

田伏:ほとんどのSNSは無料でアカウントを設定できるので、気軽に始められる反面、成果が出ずに1年も経たないうちにやめてしまう企業は意外と多いです。

 ですが、たとえ少ない数字であっても、何らかの反応があるのなら、その中にファンの方がいらっしゃる可能性があります。例えば、アヴィエスホーム利府店さんの場合、「利府町在住の子育て中の女性」をターゲットに設定すると、そもそもの母数が多くはなりません。ですが、そのターゲットに刺さる情報にこだわって投稿をしていけば、絶対に成果につながるはずです。今回のご支援では、特にこの部分を伝えしました。

 

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田伏さんの支援を受けるアヴィエスホーム利府店のみなさん

 

―支援の結果、どのような成果がありましたか?

渡辺:定量的には、Instagramのフォロワー数は約100人増えました。田伏さんから支援いただく前は、ほぼ増減なしでしたので、準備期間も含め5ヶ月間でここまで増えたのは、嬉しいです。今後もフォロワー数増加が期待でき、明るい展望が開けました。

 

村上:Instagramを見たというお客様からのお問い合わせや資料請求、展示場への来場予約など、実際のアクションも増えています。お客様にお話を伺うと、ほとんどの方が「Instagramを見ています」とおっしゃるので、確かな手ごたえを感じています。

 

―今回のプロジェクトの中で印象的だった出来事など教えてください。

村上:プロジェクトの開始当初は、田伏さんと「こうしていこう」と決めた内容を、きちんと実践できずにいました。また、途中で予定外の営業業務が発生し、かかりきりになってしまい、予定どおりにプロジェクトに取り組むことが難しい時もありました。そんな時、田伏さんから、「これがまだですよ」「あれはどうなってますか?」と声掛けいただき、スケジュール管理をしていただけてとても助かりました。支援が終わった後は、自分たちでスケジュール管理や投稿フォーマットづくりなどをしていく必要があります。田伏さんにご支援いただく前の状態に戻らないように運用を継続していくことが、今後の課題ですね。

 

―今後、プロ人材活用を検討している事業者の方に向けてのメッセージをお願いします。

渡辺:これまでなかなか成果が出なかったSNSでの情報発信が、田伏さんに支援していただいたことで、当社がアプローチしたい顧客層の方にしっかり情報が届き、実際にSNSを見てご来場いただくお客様の獲得につながり、やはりプロの知見・ノウハウはとても貴重だと感じました。この知見やノウハウを社内に定着させるためには、半年間という限られた期間では、限定的にならざるを得ないと思います。プロ人材の効果を最大限に活かすためには、プロの方との活動期間をできるだけ長く確保することが重要だと思います。

 

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

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(令和5年1月取材)

 

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