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更新日:2023年4月14日

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全社・全店舗を挙げてSNSマーケティングを実施!新たな社内カルチャーの定着へ|株式会社アメリカ屋

 ジーンズ等のカジュアルウェアを販売する株式会社アメリカ屋は、東北を中心に小売店を19店舗構え、通販事業も展開しています。通販事業は好調でしたが、実店舗のデジタル化の遅れが課題であり、店舗ごとのInstagramアカウントを活用したSNSマーケティングの改善に着手しました。店舗独自のSNS施策を展開するカルチャーが浸透した支援の内容について、アパレル分野のブランディング・マーケティングに強いプロ人材の深谷玲人さんと、アメリカ屋様の代表取締役社長寺崎公彦さん、現場担当者の伊香純一さんにお話をお聞きしました。

アメリカ屋の写真1

株式会社アメリカ屋代表取締役社長の寺崎公彦さん(左)、プロ人材の深谷玲人さん(右)

 

インタビュー記事

―今回の仙台市事業でプロ人材活用に取り組んだきっかけを教えてください

株式会社アメリカ屋 寺崎公彦さん(以下、敬称略):当社はカジュアル衣料の小売販売業として創業し、2022年の今期で54期目を迎えます。近年の社会のデジタル化への対応として、EC部門を開設し、売上は順調に伸びてきましたが、一方で、東日本を中心に展開している実店舗の運営に関しては、デジタル化の遅れが課題でした。特に、実店舗への集客にSNSを十分活用できておらず、強化しなくてはと考えていましたが、各店舗でSNS活用に対する意識がバラバラな状況で、会社として一貫したSNSマーケティングができていませんでした。

 

株式会社アメリカ屋 伊香純一さん(以下、敬称略):私はもともとEC部門で通販用の写真撮影・編集のマネージャーをしていました。社長から、動画などを活用したSNSマーケティングに取り組む指示がありましたが、自分自身、知見がなかったのでどのように進めたらよいのか課題に感じていました。

 

寺崎:そんなとき、七十七銀行さんから今回の事業をご紹介いただき、ぜひ活用したいと考えました。

アメリカ屋の写真2

 

―今回プロ人材として支援を担当された深谷さんは、当初のアメリカ屋さんのSNS活用状況をどのようにとらえていましたか?

プロ人材 深谷玲人さん(以下、敬称略):アメリカ屋さんは50年以上続く老舗企業で、東京在住の私も社名は存じ上げておりました。一方でそれほど知名度があるにも関わらず、SNSやWebでの情報発信を十分活用できていないのは大きな機会損失でもったいないと感じました。

 また、SNSで情報発信していても、SNSマーケティングに必要な各店舗のデータ管理などしっかりできていない印象を受けました。

 

―SNSマーケティングを行うにあたり、深谷さんはどのような支援をしたのでしょうか?

深谷:最初に、SNSマーケティングを行うために必要なデータの数値を管理するフォーマットを作成し、週1回のWebミーティングで各店舗の担当の方に展開しました。「数値を根拠に次のアクションをどう起こすのか」を意識してもらうことがSNSマーケティングの第一歩です。必要な数値の把握ができてきたところで、次のステップとしてとにかく「良い事例」の創出に努めました。はじめの2~3週間は各店舗の数値とSNSでの情報発信の状況を照らし合わせながら、「この店舗は上手くできているな」という部分を見ていきました。取り組みの標準化よりも先に、まずは良い店舗の取り組みをより伸ばしていこうと考えたのです。

 

伊香:深谷さんは、率先して店舗にも出向いてくださり、SNS活用に必要なノウハウなどを店舗スタッフに直接指導いただいています。

 

深谷:実際に良い実績が出ていたのは、(青森の)弘前店でした。そこで次のステップで弘前店にヒアリングを実施し、そこでの取り組みを成功事例として他店舗に展開しました。

 

寺崎:今回の仙台市事業をきっかけに、社内に専門の組織としてデジタルマーケティング部を創設し、伊香にその責任者を担ってもらいました。弘前店の良い実績は、もちろん深谷さんのサポートのおかげですが、伊香が弘前店のスタッフの元上司であったこともあり、かつての上司のためにも、と奮起したこともあったかもしれません。

 

伊香:やはり深谷さんから直接指導を受けた店舗は、投稿頻度や質が目に見えて向上しています。SNSの閲覧数、その他データを各店と共有することで店舗間での意識も向上。その結果、「SNSを見て初めて店舗に来た」というお客さんの創出につながったと思います。

 また、深谷さんには、SNS運用に関する簡単な初期マニュアルを作成していただき、各店舗に共有しました。今後マニュアルも第2弾、第3弾と続けて作成していくことで、店舗スタッフのSNSに対する知識レベルはかなりアップしそうです。

 

アメリカ屋の写真3

プロ人材の深谷さん(右)からレクチャーを受けるアメリカ屋の伊香さん(左)

 

支援の結果、社内ではどのような変化が生まれましたか?

深谷:初めの頃はInstagramをウォッチしていても定期的な投稿がなかったりしたのですが、今では1週間投稿がないと、「どうして?」と確認しあうような雰囲気になるなど、各店舗の皆さんの意識はかなり変わりました。

 SNSマーケティングは短期的に売上に直結するような成果は見えにくいですが、SNSで店舗集客につなげる意識が新たなカルチャーとしてアメリカ屋さんの中に根付いてきたのではないでしょうか。

 

寺崎:店舗ごとに、自店舗での取り組みをどうSNSに連動させていくのか、スタッフが自らさまざまなアイデアを出せるようになってきました。深谷さんに支援いただいたことで、店舗全体で「頑張れば数字に表れる」という実感が湧いたからこそだと思います。実際にInstagramのフォロワー数がこの調子でどんどん増えていけば、売上増加につながる手応えがありますから、フォロワー数の目標を設定しそれに応じた施策を行っていくことで、自ずと継続性も高まりそうです。

 

深谷:ある店舗では、メンバー1~2名が、毎日のように投稿してくれているケースもあります。SNSでその店舗の個性を打ち出せているという観点では、100点に近いSNS活用ができていると感じます。

 

アメリカ屋の写真4

 

事業の課題解決のためにプロ人材を活用するメリットは、どのように感じられましたか?

寺崎:どんな企業も、事業を成長させるための急勾配を登る過程の中で、何かしら課題を抱えていると思います。経営陣がそこをなんとか打開しようと思って働きかけても、社員からの抵抗があると二の足を踏んでしまうケースもあるでしょう。そうした時に、成長のための方法論や技術を持つプロの方から、この坂を登りきった後にはこんな景色が見えるよ、とか、坂を登りたくても登れない社員に対して、まずはここに一歩軸足を置けばいいよ、といった助言があると、社員の取り組む姿勢やスピード感が全く変わってきます。そうした悩みを持っている企業ほど、プロ人材活用のメリットはかなり大きいのではないでしょうか。

 こうした厳しい事業環境の中で、当社が新しい取り組みの第一歩を踏み出すのは勇気が必要でした。市の助成事業という後押しがあって、こうしてプロの方に教わる機会を得られたのは、非常に有意義でした。

 

―本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

(令和5年1月取材)

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