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更新日:2025年4月11日

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システム連携で業務効率化とデータの一元化|株式会社閣

 「牛たん料理閣」は1988年、青葉区一番町で創業しました。2012年に2代目である中田伸一社長が就任、2015年に株式会社閣を設立して以来、順調に店舗数や業態を拡大。直近10年で従業員数も約30人から約200人に増えました。一方で会計や労務管理等のバックオフィス業務はDX化できておらず、非効率なまま少人数で担う状況が課題でした。今回は、業務改善やDX化推進に強みを持つウィズグロースの小田川潤代表と相澤真也さんの支援を受け、会計および労務管理システムの導入に踏み切りました。

お話をお伺いした方

株式会社閣

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女将 中田 和子さん

経理担当 津々良 智恵さん

人事担当 澤田 由香里さん

プロフェッショナル人材

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株式会社ウィズグロース

代表取締役社長 CEO 小田川 潤さん(左)

相澤 真也さん(右)

膨大な事務作業が社全体の負担に

中田さん:

店舗数や従業員数が急増し事業規模が拡大する中、事務処理が増大しスタッフの負担が増してきました。特に各店長が閉店後に行う売上・費用等のデータ入力、経理担当が行う毎月の給与計算の作業が膨大で、なんとか効率化できないかと常に悩んでいました。また社長は、店舗ごとの実績をリアルタイムで一括管理・分析し、経営に生かしたいと考えていましたが、どうすればいいのか分からない状況でした。

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小田川プロ:

売り上げが順調に伸びる一方で、バックオフィスの担当者は増えておらずかなり負担が大きい状況でした。一部にシステムは導入されているものの、それぞれ独立していて連携が取れていないため効率が良くない。また各店舗では、本社に報告する複数の帳票に合わせて終業後にデータを手入力しており、非効率なうえにミスも起きがちでした。そこで、バックオフィス業務を効率化しつつ、店舗のデータを的確に自動で集約できるシステムの導入を目指しましょうと提案しました。

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中田さん:

コンサルタントと聞くと身構えてしまって緊張していましたが、小田川さんと相澤さんが気さくに接してくださり、質問もしやすくて安心しました。

システム選びとサポート体制

小田川プロ:

最初に導入したのは会計システムでした。実は閣さんでは以前に会計システムの導入にチャレンジしたものの、断念された経緯がありました。

中田さん:

苦い経験です。実際にシステムを動かし始めると分からないことが多く、サポートを受けたいのに担当者が次々に変わったり電話がつながりにくかったりして、らちが明かない。根本的な部分を理解しないまま動かしたために、データの仕分けも狂うということが起き、業務の忙しさもあってあきらめざるを得ませんでした。

小田川プロ:

「システムさえ入れれば業務を効率化できる」と思われることが多いのですが、軌道に乗るまでのサポートは大変重要です。また会計システムは種類が多くそれぞれに強みが異なるため、選び方も大切です。今回は業務を詳しくヒアリングして、どのような機能が必要なのか、閣さんに合うのはどのようなものかを検討しました。複数社のデモンストレーションを一緒に受けていただき、アドバイスをさせて頂きながら、みなさんに吟味してもらいました。

中田さん:

今回は専属の充実したサポートチームがあるベンダー(販売業者)を紹介いただけたことも良かったと思います。まだ本格稼働には至っていませんが、今回はサポートをしっかり受けられることできちんと知識を積み上げながら取り組めています。私たちが想像できない機能もあることを教えてもらい、「こんなこともできる!なんて便利なの!」と感激するほどです。

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システム同士を連携させ一元管理へ

小田川プロ:

経営に重要なデータが最終的に集約される会計システムの導入を決断されたことにより、それと連携するPOSレジや勤怠管理、給与計算等のシステムを一気に導入できる道筋がつきました。レジで入力された内容が自動的に会計システムに送られるので、各店長が毎日閉店後に行っていた作業が不要になります。労務管理や給与計算についても、それぞれ独立していたシステムを連携させることで、手入力で行っていた業務が自動化されるようになります。さらにすべてのデータがひとつに集まり、必要な項目に合わせて集計されるので、経営陣が見たい時に見たいデータを確認できます。

澤田さん:

これまで手入力に頼る部分が多く、店長が閉店後の疲労した状態で作業することもあってミスが避けられませんでした。小さな入力の間違いが大きな差につながり、そのミスを探すのにまた膨大な労力がかかるという悪循環をなんとかしたかった。正しい売り上げ、正しい給与を計算するという当たり前のことを行うのに大きな負荷とストレスがありました。導入するシステムを選ぶ際には、相澤さんが驚くほど詳細にリサーチして選択肢を提示してくださり、判断しやすかったです。

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相澤プロ:

今回重要だったのはシステムがいかに連携しデータを一元化できるかというところ。同じ数字を複数個所に入力する必要がなく、入れたデータが自動的に集約されることで、経営陣がリアルタイムで情報を確認できることを目指しました。今は実際に動かして検証を始めている段階です。

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津々良さん:

経理を担当して約4年。パソコンもあまり詳しくないので今回のシステム導入には不安もありました。でも従来のアナログ作業に限界がきていたことは確かで、やるしかないという気持ち。ここを乗り越えれば正確性と効率化が必ず実現できる、その未来が楽しみです。

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中田さん:

システムが順調に動きだせば、現在津々良が一人で担っている経理事務をマニュアル化し、他の従業員にも割り当てる計画です。津々良には本部の人材としてさらに視野の広い仕事をしてもらいたいので、事務作業を軽減できるのは非常に助かります。バックオフィス作業の自動化、店舗ごとの事務作業の軽減、経営陣のリアルタイムでの損益管理により、全体的な事務作業工数が50%以上削減される見込みです。

大もとから変える決断が奏功

小田川プロ:

会計システムは店舗運営にかかわるすべての情報が集約されるところで、大変重要です。その分、システムを入れ替えたり導入したりすることは会社や従業員の皆さんにとって大きな負荷を伴います。店舗運営と並行しながら進めるにはなおさらですし、今回のケースでは超繁忙期や新店オープンも重なっていたので内心少し心配はありました。しかし皆さんは「最初に既存の会計システムを入れ替える」と勇気をもって決断された。これが大きなポイントでした。会計システムが軌道に乗れば、POSレジや勤怠管理など付随するさまざまなシステムを導入し連携させることが可能で、結果的に多くの業務が効率化され皆さんが楽になれる。腹をくくってチャレンジしていただけたことが、成功の決め手となったと思います。

中田さん:

システムが連携すればどうなるか、という未来図をしっかり見せていただいたことで勇気が出ました。もちろん一人では不可能ですから、澤田と津々良に「一緒に頑張ってほしい」と話し、初めから周りを巻き込みました。

澤田さん、津々良さん:

これまでのほうが大変でしたから、くじけるということはなかったですね。覚えることは多いけれど、前しか向いていない感じ。

中田さん:

現在、POSレジ導入は2店舗にとどまりますが、今後全店舗に拡大予定。各店長の膨大な事務作業が軽減され、本来業務である店舗管理や従業員教育などに力を注ぐことができるでしょう。社長が強く望むリアルタイムの損益管理も実現します。やるべきことは見えていて、あとはやるだけです。

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(令和7年1月取材)

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