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更新日:2024年4月10日

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数字を意識した営業マインドに転換 短期間で受注額大幅アップを実現!|株式会社いちたす

株式会社いちたす(仙台市青葉区)は、幼稚園・保育園専門のコンサルティング会社です。税理士法人出身の代表取締役 大窪由衣さんと取締役 大窪浩太さんが、幼保業界に特化した経営支援を行うため、2018年に創業しました。サービスを提供する幼稚園や保育園を経営する顧客の開拓は、主に自社のウェブサイト経由でしたが、問い合わせから契約に結びつく商談件数が安定しないことが課題でした。

そこで、営業強化を専門とするプロ人材の藤田健太さんから営業体制構築に関する支援を受け、半年間で前年比330%の受注金額を達成することができました。今回の成果を上げられたポイントを振り返っていただきました。

お話を伺った方

株式会社いちたす

いちたす1.

代表取締役 大窪由衣さん
取締役 大窪浩太さん

 

プロフェッショナル人材

いちたす2.

藤田健太さん(株式会社グラフCEO)

 

「数字に向かう意識」を共有する!

大窪代表:

もともと私たちは税理士法人で経理財務のコンサルティング業務に携わっていましたが、営業の経験はありませんでした。当社を創業して自社ウェブサイトを開設し、SEOマーケティングが奏功して閲覧数やセミナーの依頼も増え、そうした問い合わせに対応する中で契約いただく場合が多く、こちらから積極的に契約を獲得しにいくような営業はできていませんでした。

いちたす3.

 

大窪取締役:

藤田さんの支援を受ける前は、営業担当は私一人でしたので、ウェブサイトにお問い合わせをいただいてから商談までに日数を要することも多く、せっかく関心を持っていただいたのに、タイムリーに対応できないことが課題でした。また、社内で営業会議を行っておらず、ミーティングで毎月の売上を共有するだけだったので、社員もどこか他人事で、売上を上げていくモチベーションが高くなかったと思います。

いちたす4.

 

藤田プロ:

いちたすさんとしては、問い合わせをスムーズに商談につなげられれば、成約いただける自信もおありだったはず。ただ、意欲的に営業している組織なら当然持っている「数字に向かう意識」が、正直なところほとんどなかったので、私から見ると、やるべきことは明快でした。

いちたす5.

 

大窪取締役:

最初の藤田さんとのミーティングで、新たに営業担当となる社員が「私にはできそうにない」と本音をもらした時、藤田さんが「営業はできるか・できないかではなく、やるものです」と。その一言に社員一同衝撃を受け、マインドが変わりました。藤田さんが担当者に直接「あなたがやるんですよ」と言ってくださり、大変心強く感じました。

 

藤田プロ:

営業担当となる社員の方には、代表と取締役の熱量を伝播させ、主体的に商談を受注に結び付ける意識を持っていただかなければなりません。そのためには、数字を使った営業ロジックを分かりやすくお伝えするのが一番です。まずはそうした一般的な営業ロジックを習得していただこうと考えました。

 

目標と現状を数字で把握する営業会議

大窪取締役:

藤田さんからは「まず定期的に営業会議をしていきましょう」と言われました。ごく当たり前なことだと思いますが、私たちにはその考えがありませんでした。

 

藤田プロ:

営業会議の目的は「数字に向かう意識の共有」です。目標とする売上の数字から逆算し、今どこまできていて、達成するにはあとどれだけ必要で、そのために何をすべきかを明確にする。
例えば売上目標額が1,000万円で現在500万円の売上があるとすると、残り500万円足りません。その時には、現在商談中の案件を一件ずつ見込みのランク付けをして、数字として見える化していく。目標に足りないならば「足りなかったね」で終わらせず、頑張ってあと100万円、200万円獲得できるよう、背伸びしてみる。それでも足りない分を、どのような方法で埋めていくのか、私も一緒に熱く議論しました。

いちたす6.

 

大窪取締役:

「営業会議では、最低限、この内容を確認しましょう」と会議のフォーマットを藤田さんが提供してくださったのですが、例えば、セミナー参加者からの見込み顧客数、問い合わせから商談につながった件数、現在の商談予約件数、ランク毎の見込み売上額など、改めてみればまさに必要な項目でした。そして、それらの数字から目標と現状の差額を把握し、そのギャップをどう埋めていくかを話し合うことがもっとも大事であると教わりました。

 

藤田プロ:

こうした営業会議をすれば、商談している営業担当者もやる気が出ます。「この一件を決めにいかなければ」と思えるようになる、そうしたプロセスを一緒に体験していただきたいと思いました。

 

大窪代表:

それをまさに実感することができました。
毎週営業会議を開くことで数字を共有でき、商談から売上につながる金額を予測できるようになりました。不足する見込みであれば、マーケティング事業部が獲得した見込み顧客リストからアプローチするなど、リカバリプランを持てるようになりました。
また、売上の年間目標についても、これまでは、経常利益を基準に目標設定していましたが、目標管理する上では、受注金額とするのが予測を立てやすく分かりやすいのでは、と教えていただきました。年間目標から月別の目標に落とし込む際も、例えば、幼稚園特有のイベントが重なるときは商談が進みにくいなど業界の事情がありますから、2~3カ月単位での目標設定とすればどうか、など助言をいただきました。

いちたす7.

 

「ご検討ください」から「お任せください!」へ

大窪代表:

それと、私たちはもともと、売上は自分たちが管理できるものというよりも、お客様の都合によるもので、運にも左右されると思っていたんです。けれども藤田さんから「売上は自分たちの力で管理できるものです」とおっしゃっていただき、これまでの私たちにはない考えでしたので、大きなマインドの転換になりました。

 

大窪取締役:

こちらからの提案に返事がない相手方には、これまでは、「興味を持っていただけなかった」と思い込んで、それきり何もしていなかったのです。ですが、藤田さんから「そこは電話するんです」、メールが返ってこない相手方には、「もう一度聞いてみるべきです」と、何度も何度も言われました。こうした粘り強くもうひと踏ん張りする姿勢も学びました。

いちたす8.

 

藤田プロ:

顧客となり得る対象へのコミュニケーションを、即時・適宜・徹底的にしてください、とお伝えしました。営業組織ならば、これも普通にやるべきことですから。

 

大窪取締役:

勝手に「脈なし」と忖度してしまっていて…。藤田さんに教わって、「ご検討ください」で終わらせていた一言を、「当社にお任せください」と言えるようになりました。そうすると意外なほど「じゃあ、任せます」と言っていただけて、商談の結果の感触がこれまでと全然違って達成感もありました。これは本当にうれしかったです。

 

藤田プロ:

顧客の側でも、契約を決めるきっかけが必要ですから、最後の「当社に任せてください」が大切なのです。

 

大窪代表:

相手が興味を持ってくださっているかどうか分からないのに「お任せください」なんて厚かましい…と思っていたんです。でも藤田さんは「営業ってそういうものですよ」とサラッと(笑)。でも確かに私たちは、サービス内容には自信を持っていて、お任せいただければきっとお役に立てると思っていたんです。潜在的な顧客を逃していた、支援のニーズはあるのにつかみ損ねていたことを実感しました。ありがたかったです。

いちたす9.

 

営業3名体制で受注率向上、受注額大幅アップ

大窪取締役:

また、今回のプロジェクト開始後、最初に営業を担当した社員が家庭の都合で退職することになったものの、別の社員が新たに育ってくれました。藤田さんから「ロールプレイをたくさん行い、あとは一人で経験を積むのが一番」とのアドバイスをいただき、新たな営業担当者には早い段階で一人立ちしてもらいました。こんなに早く一人で商談できるまでになることにも驚きましたし、自社で社員を育成できるようになったことも大きな成果です。

 

大窪代表:

現在は取締役と社員2名、合わせて3名の営業体制です。こうした営業体制ができたことで、お問い合わせをいただいてからタイムリーに商談までつなげられるようになりました。

 

大窪取締役:

現在、藤田さんからのアドバイスで営業マニュアルを作成しています。新年度は社員を現在の8名から12名に増員するのが目標で、新たに、県外からも社員を迎える予定ですので、新しく仲間となる社員ともこの営業マニュアルを共有していきたいと考えています。

いちたす10.

 

大窪代表:

もともと今回のプロジェクトは、営業体制を構築して安定的な商談件数を獲得することを目標としており、その結果として、数年かけて売上が増加してくれればと考えていました。ところが、半年後には前年比330%増加という驚くほどの成果につながりました。

 

藤田プロ:

今回のいちたすさんとの取り組みは、同じ思いで目指すべき方向性をしっかり共有できたことが、大きな成果につながった要因だと思います。素直に、熱量とチャレンジ精神を持って真剣に取り組んでくださったことに感謝を申し上げます。

 

大窪代表:

ありがとうございます。今回構築できた営業体制の維持、継続が、まずは一番大事だと思っています。そして、さらに成長していけるよう、これからもしっかり取り組んでいきたいと思います。

いちたす11.

(令和6年2月取材)

 

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