ホーム > 事業者向け情報 > 経済・産業 > 中小企業支援 > 支援メニュー > 経営課題を解決したい > 施策 > プロフェッショナル人材活用による中小企業の課題解決支援事業 > 組織体制の強化から自発的なMVV策定へ|株式会社りらいぶ
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更新日:2025年4月11日
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株式会社りらいぶは、機能性ウェア「リライブシャツ」シリーズの開発・製造・販売で急成長中の企業。2017年の創業から、売上も従業員数も急増していますが、課題は事業規模の拡大に対して内部体制の構築が未熟であること。今回は、人材開発コンサルタントである種田成昭さんの伴走支援を受け、今後の成長に目を向けた組織づくりに取り組みました。
執行役員・社長室室長 三鬼 有登さん
経理管理本部 部長 齋藤 武人さん
株式会社TANEDA 代表 種田 成昭さん
三鬼さん:
当初は従業員数名からスタートした小さな会社が、売上の急拡大に伴って従業員数を増やしてきました。成長の度合いがあまりに急激だったため、内部体制の構築が追い付かない状況でした。そこで、今後の成長に向けた組織づくりについて、外部の専門家にプロの視点でアドバイスをいただきたく応募した次第です。
種田プロ:
飛躍的に成長する中で、未来に向けた組織づくりをどうしていくべきか、その道しるべを一緒に作ってほしいというご依頼と受け止めました。現状、売上を一つ一つ積み上げる仕事は万全に展開されていましたし、何か大きな問題を抱えているわけではなかった。しかし今後の成長戦略を描くにあたっては、人事制度も経営戦略も二段階程度レベルアップするべきであると感じました。それほど大きな伸びしろがあるからです。
よく見ていくと、事業部門のトップは会社や仕事に対して強い思い入れがあり、能力も高い方々。ただ、思い描く会社像がそれぞれ異なっていました。まずはそこを統一すること、社のビジョンや方向性を共有することが重要でした。そこで「経営戦略に同期させる人事戦略」をどう実現させるかを主眼に、三鬼さん、齋藤さんとともに取り組みを始めました。
種田プロ:
まず実施したのは、幹部陣の自己分析です。一人ずつヒアリングを行い、コミュニケーションのスタイル、仕事に対する姿勢や考え方、マネジメントのスタイルをそれぞれ分類。個人のタイプや傾向を明らかにし、自覚してもらいました。これにより「自分のタイプならばこのようにコミュニケーションを取ればより円滑だ」など、自分自身について理解が進みました。さらに会社の成果を上げるためには、りらいぶの幹部としてどうあるべきかを、それぞれ深掘りしてもらいました。
三鬼さん:
これまで、部門ごとのリーダーの長所や強みをどう伸ばすか、不足しているところをどう補い克服するか、というところまで社として踏み込めなかった面があります。種田さんのおかげでそれぞれの個性や性質が分かり、誰がどの役割を担い何を管理すれば会社がより成果を上げられるのか、といったところが明確になってきました。また幹部個人が自身の強みと弱みを理解し、自分をどう変えていくかに向き合えたことは、会社全体にもプラスに働きました。
齋藤さん:
社員への意識調査を実施して、社内で漠然と感じていた課題や、長所・魅力が再認識できました。内側から見ていて気づかないことも、種田さんが客観的に可視化してくださり、またその手法を学ぶことができたのは大きな成果です。ちなみに、社員の多くが感じていた、りらいぶの強みは「のびしろしかない!」ということでした。
種田プロ:
今後りらいぶの成長戦略を描くうえでどのような組織を作っていくべきか、という点は、支援期間を通して三鬼さん、斎藤さんとディスカッションを重ねました。
三鬼さん:
例えば、今期の売上を見たときに、伸びてはいるが本来この2倍を売り上げることが可能だった。これは本来得られたのに逃した利益、つまり機会損失ですよね。これをどう獲得しにいくか、という価値観を学びました。
伸びているからよしとするのか、「もっとやれたはずだ」という点に視座を置くのか、今後会社としては後者の考えを持つ。最大限これだけ実績が出せるという中で、例えば、売上は二分の一だがその分を社内的な他の要素や課題解決に注力したのか、機会損失にまったく目を向けないのかでは、大きな違いが生まれます。そこに気がつくことができました。今後、売上の因数分解ができる体制、すなわち、売上を構成する要素を子細に分解し、課題を具体的に見つけて効率的に改善できる体制になっていかなければならない、その意識が植え付けられた成果は大きいです。
齋藤さん:
種田さんが何度も「りらいぶの一員として」と言ってくれて、半分内側に入り込んで一緒に走ってくださったことが心強かった。本来外部に明かすべきでないようなことまで赤裸々に相談しました。すると種田さんがさまざまな角度から問いかけをしてくれて、自分たちの考えも整理できたし多角的な視点を持つことができました。今回交わした膨大な量のディスカッションはすべて勉強になり、今後に生かすことができます。
三鬼さん:
個人的に再認識できた点は「ひらがなで表現する」ということです。経営的指標や経済用語など、小難しい単語や横文字を無意識に使いがちですが、種田さんは常に非常に分かりやすい言葉で「こうなったらいいよね」と言語化して話をされる。これがとてもいいと思いました。私自身、社内の発信に分かりやすさを意識するようになりました。
種田プロ:
素晴らしいと思ったのは、最終的に幹部陣が自発的に合宿をされ、「会社にとって本当に大切なこととは何か」、つまりコアバリューをとことん膝を突き合わせて議論されたこと。その中でMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を導き出されたことは、私の支援から離れたところですでに皆さんで走り始めている証です。
齋藤さん:
支援を通して幹部陣の方向性の一致が図れたからこそ、合宿が実現しました。社の理念は社長が掲げていますからミッションは、ぶれない。ビジョンとバリューの策定が合宿の目的でした。中途半端な時間ではなくがっつり向き合って意思統一しようと意気込んでいて、一つの単語ごとに議論が白熱するほど思いを込めて作りました。
三鬼さん:
完成した内容はこちらです。
Vision
革新的なサービスで、心身の健康が日常となる世界をデザインする
Value
約束を守り信頼を築く。
最高の価値を届けるために挑戦する。
関わる人すべてを尊重し敬意をもって行動する。
バリューの“動詞”に使う言葉はかなり議論しました。「挑戦することが大切である」「保守的にならずしっかり動いていこう」という意志を示したいという点は、満場一致でした。営業活動や商品開発、経営戦略といったすべてのアクションの指針となるMVVを自分たちで策定できたことは大きな成果となりました。
種田プロ:
幹部陣が若くポテンシャルが高いですから、今後の成長に期待が高まります。私から見て大変素直な方々、しかしある意味クセがあり、こだわりも持っている。一つの方向に向いて動き出せば大きなエネルギーを生み出されると思います。日本を代表するユニコーン企業に成長するべくチャレンジを続けてほしい。
三鬼さん:
パワーがあるからこそ、ベクトルが合わなくなると組織づくりは非常に難しい。しかし、方向性がずれたときに修正する方法論も種田さんから学びました。今後悩んだときに立ち返るべき原点をいただいたので、これからしっかりやっていきたいです。
(令和7年3月取材)
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