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更新日:2025年4月11日
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眼科医療機器販売の日本眼科医療センターは、東北大学のニーズから眼の健康に特化した唯一無二の自社製品「MEOCHECK(メオチェック)つきいちし~や」を完成させています。視野や見え方を自分で簡単にチェックできるもので、緑内障の早期発見への貢献が見込まれるなど予防効果が期待されます。本製品は医療機器ではなく一般向けの民生機器ですが、販路開拓に苦戦していました。そこで、医療・ヘルスケア業界におけるマーケティングの専門家・中島広道さんが、メディア戦略をはじめとするさまざまな戦略を伝授。展示会出展や調剤薬局チェーンとの交渉入りなど、成果を上げています。
代表取締役 郡山 知之さん
執行役員・販売事業部長 髙橋 亨さん
総務主任 田面木 悠雄さん
ヘルスケア・ビジネス・マーケティング研究所 所長 中島 広道さん
郡山社長:
緑内障は国内で40歳以上の約20人に一人が発症する非常に多い病気でありながら、初期は自覚症状がないために早期発見が困難です。つまり不調を感じて眼科にかかったときには、かなり進行してしまっている。これをなんとかしたいと、東北大学の中澤徹教授が当社に相談を持ち掛けてくださったことをきっかけに、高度な独自技術を持つメーカー・QDレーザと三者の連携により「MEOCHECK(メオチェック)つきいちし~や」が生まれました。緑内障だけでなく白内障など他の目の病気も、高い精度でセルフチェックが可能な製品です。
本製品の目的は“潜在患者の顕在化”ですから、医療機関ではなく街の中、一般の人の生活の中に装置を置く必要があります。そのためにはまず、多くの人に知ってもらわなければならない。目の機能が重要な運送業界にはDMを送付するなどしていましたが、もっと広く周知するための手段をわれわれは持っていません。企業の福利厚生の一環としてのニーズがあるのでは、とも考えましたがどうすれば周知できるかが分からない。そこでぜひプロを頼りたいと応募した次第です。
中島プロ:
当初から製品自体が非常に優れ、有用性が高いことは理解していました。そのうえでターゲットをどう設定するかを検討。一般企業への導入はハードルが高いと考えられるので、もともと同社で動いておられた物流・運送関係の他に調剤薬局、メガネ店、健康増進施設などを挙げました。
薬局は全国に約6万店舗、コンビニより多いほどでマーケット規模としては大きい。また近年、国の施策で「かかりつけ薬局」を推進していることもあり、各店舗では差別化に力をいれています。「気軽に目のチェックができる」という特色は有用ですし、健康増進の観点から地域貢献もできる。さらに異常が分かった人を眼科医院に紹介することで、医療機関にとってもメリットがある。薬局と地域、医療機関、販売会社・メーカーの、まさに「四方よし」。メガネ店や、スポーツジム等の健康増進施設でも同様です。
郡山社長:
住民が日常の行動の中でつきいちし~やに触れる、簡単に検査できるという環境づくりは効果が大きいと思いました。「眼科に行かなくても簡単に調べられる」と分かれば、健康チェックの習慣付けができる。人の行動を変えることができる、と。
中島プロ:
広報戦略として初めに提案したのは、メディア向けセミナーです。医療業界、眼科業界の専門メディアの記者・関係者に向けて、発案者である中澤教授の講演も含めたセミナーを開催すればインパクトがあり、大きな効果が期待できます。
郡山社長:
メディア戦略はまさに私が一番やりたかったこと。長年医療業界専門に活動されている中島さんの人脈やネットワークがなければ、われわれだけでは実現しえないので非常にありがたい提案でした。「緑内障学会」等における論文発表の内容が公開されエビデンスを開示できる状況になった段階で、ぜひ実施したい。
中島プロ:
もう一つ、眼科業界の情報紙や健康保険組合連合会(健保連)の機関紙等への記事体広告の掲載も提案しました。記事体広告は純広告と異なり、客観的な記事の形式で制作するため、製品の特長や有用性を説得力をもって伝えることができます。健保連は全国の健保組合で構成されていますので、福利厚生という視点から一般企業にアプローチするのに適しています。掲載された記事は、後にターゲットを絞ってDM送付をする際に同封することで、さらに訴求力を高める効果が期待できます。
郡山社長:
こちらも、さすが中島さんの人脈と機動力です。セミナーと同様、現在は論文内容の公開に合わせて動けるよう準備をしている段階。いずれもある程度自社で実施できるノウハウを伝授していただきました。
中島プロ:
髙橋さんと取り組んだのは、健康関連の大規模展示会へのブース出展です。薬局、メガネ店、健康産業等の関係者が実際に体験すれば、つきいちし~やが唯一無二の製品であることを理解してもらえます。
髙橋さん:
昨年11月、東京ビックサイトで開催された「WellnessTokyo2024」へ出展しました。準備から当日の展示までさまざまなノウハウを教わりました。
医療機関以外の場所で目の健康チェックができる装置は、今のところ他にないため、展示場ではかなり注目を集めたと実感しています。つきいちし~やの存在を知らずにきて、「へぇ、こういうのがあるんだね!」と驚き、関心を寄せてくれた人が多かった。すぐには実際の販売に直結しないものの、業界の多くの人に知ってもらうことができました。今年2月にも東京で「健康博覧会2025」に出展します。これほど大規模な展示会は初めてで、中島さんがつないでくださったおかげ。
中島プロ:
健康博覧会に取材にも来てもらえるよう、複数メディアに直接連絡を取りました。さらにターゲットを絞り、薬剤師会や眼科医会、薬局業界、運輸物流業界などが毎年開催する大会への出展もコーディネートできます。特に物流業界は2024年問題やドライバーの高齢化など雇用環境に関心が高まっているタイミングですので、アプローチのしがいはあると思います。
実際に上がった成果は、調剤薬局チェーンと商談にこぎつけた案件です。東海地方に約500店舗を展開する中部薬品、東京エリアの田辺薬局およびノムラ薬局が関心を持ち、おつなぎしました。
髙橋さん:
デモンストレーションで実際に見ていただき、高評価をいただきました。中島さんにはPR資料作りにも多大なアドバイスをいただき助かりました。店舗での運用や契約形態等、具体的な説明をする段階までこぎつけています。
郡山社長:
今回の支援は大変満足度が高かった。中島さんが業界事情や緑内障について詳しく、コネクションや人脈が豊富なこと、メディア戦略を中心にいくつもの提案をしてくださったことが良かった。プロジェクトメンバーの髙橋と田面木もよくやってくれました。
田面木さん:
私は窓口として、共有事項の連絡やスケジュール調整等を担当しました。中島さんのアイデアや発想は、社員だけで話していても出てこない種類のもの。刺激されました。「そんなことができるのか!」と驚くことも多かったです。
中島プロ:
何より皆さんの迅速な対応がプロジェクトの推進力になりました。お忙しい中でも「忙しい」と言わずモチベーション高くやってくださった。同志のような関係になれたことが、うまくいった要因です。
郡山社長:
同志、まさに同じ価値観をもって取り組めました。中島さんとの相性は最初の面談の途中でピピッときましたよ。直感は正しかったです。
(令和7年2月取材)
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