アフリカゾウ「ベン」の死亡について

令和7年11月21日（金曜日）に死亡したアフリカゾウ「ベン」（オス推定36歳）について、解剖の結果死因が判明しましたので、ご報告いたします。

1.　経過

昨年秋ごろより、動きがゆっくりとなり、下腹部等に浮腫（むくみ）が認められるようになりました。
また、腹痛を頻繁に認め食欲が低下するなど体調不良が続き、本年6月からは前肢に化膿が認められたため、園外の専門家からも助言をいただきながら治療を行ってきました。
その後、浮腫は軽減し、食欲も回復したものの、死亡する1週間ほど前より歩行が更にゆっくりとなりました。
11月21日（金曜日）の午前6時2分に倒れた後、起立困難となり、起立介助や治療を行いましたが、同日午後0時18分に死亡しました。

2.　死亡原因

心機能低下による循環障害

3.　死因に関する見解

解剖において、心機能低下を疑う心臓の病変や、肺水腫及び全身の皮下・筋間における浮腫等が認められました。
また、両前肢の蹄や右大腿部及び左臀部の皮下に膿瘍（膿が溜まった状態）が認められました。
これらの所見やこれまでの経過を総合的に考え、心機能低下により発生した循環不全（主に肺水腫）が死因と推察されました。
全身の皮下・筋間でみられた浮腫は、心機能低下による循環障害（血液の流れが悪くなること）が全身に生じていたことを裏付けるものと考えられます。
また、前肢や大腿部等の膿瘍から、慢性の炎症が長期間にわたって持続していたことも確認されました。

 

このことについて、近くで見守ってきた獣医師のブログを公開しましたので、あわせてお読みいただければと思います。

• アフリカゾウ「ベン」を偲んで（2025年12月8日）（別画面が開きます）

なお、11月23日（日曜日）より設けましたアフリカゾウ屋内展示場観覧通路の献花台とメッセージノートに、全国からたくさんのお花やメッセージを頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。

献花台とメッセージノートの設置は、年内最後の開園日12月27日（土曜日）までとなりますのでご了承ください。