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更新日:2016年9月20日
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平成25年4月24日(水曜日)午後2時30分
教育局第一会議室
委員長 松坂 宏造
委員長職務代理者 永広 昌之
委員 油井 由美子
委員 草刈 美香子
委員(教育長) 上田 昌孝
午後2時30分
第1号議案 小学校および中学校の通学区域に関する規則の一部改正について
(学事課長 報告)
原案のとおり決定
〔主な質疑〕
委員長
愛子小学校が大規模校化しているが,平成27年4月開校時点の愛子小学校と錦ケ丘小学校の児童数等について,どのように予測しているのか。
学事課長
昨年度の推計では,平成27年の開校時において,愛子小学校は1,350人程度,そのうち950人程度が錦ケ丘地区の児童と予測している。分離後の愛子小学校は400人程度と考えている。
委員
2点伺いたい。この学区では錦ケ丘小学校の近辺のサイカチ沼の下流の辺りの子供たちは愛子小学校へということになる。交通事故を考えると国道48号よりも南の錦ケ丘に近い子供は,錦ケ丘小学校への通学のほうがより安全な通学路ができるのではないかという見方もある。この学区割はある程度地域の皆様の意見も伺った上での決定だったのか。また,錦ケ丘小学校の通学範囲は,錦ケ丘一丁目から九丁目に限定されていて,そこから秋保へ行く道路沿いは愛子小学校になっている。将来,宅地開発がされた場合には,錦ケ丘小学校への通学のほうが便利な位置にあるという場所もこの範囲にはかなりある。
学事課長
1点目の地域の皆様からのご意見については,平成22年7月に錦ケ丘小学校設置について地域の方々への説明を行って,学区案を一丁目から九丁目としてお示ししている。その説明会において,皆さんから御了解をいただいた経緯がある。2点目の秋保地区へ抜ける道路の部分は,現在,人家はなく,今後も予定はないと確認しているが,将来的に人家ができた場合には,その時点において地域の皆様のご意見を伺いながら学区の見直しも視野に入れて検討してまいりたい。
委員長
錦ケ丘小学校は平成27年4月開校ということで,諸手続もこれから進むと思う。ぜひ学区の編成もあわせながら,地域に愛される錦ケ丘小学校ができて,愛子小学校と連携した形で,学区間での交流ができる地区になってほしいと思う。
委員
現在,1,350人いる愛子小学校が急に半分以下の400人になり,1学年70人いるかどうかという状況になった場合に,学習活動など子供たちに与える影響について配慮してほしい。先ほど錦ケ丘小との連携という話もあったが,森もあるし,空き教室の活用なども行いながら,子供たちが極端な変化に慣れていけるよう,配慮していただきたい。
委員長
大規模校から中規模校になるが,そうなった場合に,今までではできなかったことができるということもある。その辺も踏まえながら,学習活動に取り組んでいただくことを期待したい。
第2号議案 臨時代理に関する件について
(教職員の人事異動について)
(教職員課長 報告)
※報告事項(1)教職員の人事に関する事項についてと一括報告
原案のとおり承認
〔主な質疑〕
委員
今までも同じような通達がされてきた中で起こってしまっているので,どこかで見直しをしていかなければならない。シートの作成や校長への通達,パンフレットの作成はとても大事だが,別の方法で,校内の風通しをよくするための何かを考えていかなければならないのではないか。先生方が抱えているものをもう少し誰かに伝えられるような環境も整えていかなければいけない。
学校教育部長
今回の不祥事防止対策で,今お示しした(1)から(6)までの中で,事務に関する対策が(3)と(6)である。事務の不祥事が多発した中で,学校における管理の徹底を図るため,学校事務適正指導専任チームということで,再任用の職員等からなる9名の専任体制で3チームを組んで,現在,学校に対する巡回の準備をしている。このチームが学校事務の巡回する中で,事務の不祥事を減らしたいと考えている。また,先生方の心のケアを行う相談の窓口に関しては,従来から教職員課で心の健康相談事業を行っている。こちらは震災後ということもあって件数は増えているが,なお周知に努め,その充実を図ってまいりたい。あわせて,不祥事の防止,根絶に向けた取り組みについて,一人ひとりの自覚の徹底が基本ではあるが,なおそれだけではその対策について完全ではないと思うので,学校には昨年9月にコンプライアンス委員会の設置を指示した。これは,学校の教職員が一丸となって不祥事に取り組むことを組織的に進めてもらうための組織である。これをさらに活用して,教育委員会として取り組むべき課題や体罰の根絶をテーマにあげることも示している。また,必要な研修の事例等々についても,教育委員会から適時情報提供し,学校全体として取り組んでいただくことを進めている。
委員
各学校でのいろいろな取り組みや状況把握は,各学校に設けられるコンプライアンス委員会が行うことになるが,ここがどれくらい機能するかが重要だと思う。昨年9月に設置を指示されたということだが,この設置状況や開催状況についてはどうか。
教職員課長
コンプライアンス委員会の昨年度の実施状況について,1回目の報告は9月に行ったが,昨年度の実績をまとめたものと今年度の計画については,4月末日まで提出を指示しているので,集まり次第お示しできると思う。各学校では,工夫を凝らしながら,多いところで10回程度実施したと聞いている。
委員
公務員倫理・服務チェックシートについて伺う。これは先生方に渡して,一人ひとりの先生が,自分の都合に合わせて提出すると思うが,その後,管理職が確認して,必要に応じて面談を行うなど,そういう活用はされているのか。
教職員課長
年間3回程度の提出を求めている。チェックシートは校長が確認して,必要な場合には改善を求めており,その結果は教育委員会に報告されている。校長の分は,直接教育委員会に報告するシステムになっている。
委員
年3回同じものが来ると,人の気持ちとして,またこれかというところもなくはないのではないかと思う。きちんと時間をとり気持ちを向けてチェックシートに取り組んでいただける方法はないものか。
教職員課長
教職員が向かった際,前回と少し違うと感じるところが出せるような形を,今後研究してまいりたい。
理事
実際には何か事案があったりすると,それを反映させるようシートの一部の修正を行っており,できるだけ網羅できるようにしている。
委員長
今後,学校や教育委員会でこれを教訓としてどのようにしていくのかということで,(1)から(6)のお示しがあった。継続しているものやこれから進めていくものなど,いろいろとある。それらは学校内で,校長や教頭などのトップから,きめ細かに指導をしていくということが大切ではないか。校長先生方がトップで話しても,そこからいかに先生方におろしていくかということだと思う。スクール・コンプライアンス携帯シートも昨年の夏に作成して各学校に配っており,様々な意見があるのは承知しているが,これも十分活用していただいて,やってみて成果が出るような,不祥事が起こらないような体制をとっていくよう,一丸となってやっていただきたい。
(1)教職員の人事に関する事項について
(教職員課長 報告)
資料に基づき報告
※第2号議案 臨時代理に関する件についてと一括報告
(2)仙台市泉岳自然ふれあい館の火災と対応について
(生涯学習課長 報告)
資料に基づき報告
〔主な質疑〕
委員
新しい建物の一番大きな食堂や,事務室を含む建物を再度建築しなければならなくなったということで,予定どおりの開館は無理となった。9月以降は古い施設で営業するということだが,野外キャンプ場等も含めて現行の部分だけを利用するということなのか。野外キャンプ場など利用可能な部分については,A棟がなくとも運営できると思うが,そういう部分を活用していく計画があるのか。
生涯学習課長
今回全焼したA棟に電源等,いわば心臓部にあたる機械設備が入る予定となっており,そういったものが備わらないと,野外キャンプ場も含めて電気や水の供給がうまく機能しないため,新たな施設全体が完成して引き渡しに至るまでは,現在の古い施設を全面的に使用する予定としている。
委員長
指定管理者に対しての件だが,当初予定では6月末に建物の引き渡しをして,9月1日開館という予定だった。指定管理者のほうでもおそらく,雇用の問題等で9月1日に向けていろいろ計画されていたのではないかと思う。
生涯学習課長
指定管理者とは,今年の1月以降,実質的な引き継ぎ業務に入っており,冬場の泉岳少年自然の家で行われる事業も見学していただいた。今回,開館が延期する見込みである旨を説明したところ,開館に向けた職員の採用等についてはまだ行っていなかったということで,具体的な損害額は発生していないと伺っている。
委員長
今後,これを再建築するに当たって,もちろん工事業者等の保険等である程度対応されると思うが,新たに市として負担しなければならないものはあるのか。
生涯学習課長
今回の改築工事は,仙台市と事業者との工事請負契約に基づいて進めていた。請負契約書上,一般的な損害に対する負担に関しては,引き渡し前の工作物に生じた損害については,原則として受注者側がその費用を負担することになっている。しかし,今回の火災では,不可抗力による損害という形で認定される可能性がある。そのような場合には,一定の割合について事業者が負担するが,それ以外の部分について発注者側が負担する規定もあるため,今後出火原因の特定や責任の所在等,被害額の全容が明らかになり次第,負担割合等について協議していくことになると考えている。
委員長
今のところ,工事業者といろいろ打ち合わせしているかと思うが,何か現時点でこういう形でやっていくという部分や,いつ頃までにこうしたいという情報はあるのか。
生涯学習課長
まず,再建に向けたスケジュールとして,消防,警察による出火原因調査の終了が第一となる。既に3週間たったが,まだ調査は続行中ということで,もう少し時間がかかる見込みと伺っている。それが終了したら,膨大な量のがれきの撤去に一定の期間を要する見込みである。その後,残存の基礎部分が長時間の火災で高温にさらされているため,基礎部分をそのまま再度使用できるかどうか,あるいは基礎部分から工事をやり直さなければならないか,そういった調査を行う期間がかかる。それらを踏まえて再建のスケジュールを考えていくことになるが,工事の手法等定まらない状況もあり,なかなか現時点で明確にいつ頃までというところが示せない状況である。
委員
再建スケジュールが定まらないということだが,泉岳少年自然の家を継続して運営していくにあたり,その間の施設の安全面はいかがか。
生涯学習課長
古い施設については,現行の体制の中で,防火・防犯等も含め職員が管理を行っている。そういった体制を継続するとともに,今回火災原因がいまだ不明ということではあるが,防火等に関しては,より一層現施設でも意を用いてまいりたいと考えている。
委員
現行体制で行うということは,そこに社会教育主事の方もいらっしゃるということか。
生涯学習課長
社会教育主事もそのままの状態で継続する。
委員長
メインとなるところが火災になったということなので,再建には長い期間が必要ではないかと感じる。ふれあい館を大変楽しみにしていたこともあったし,年間行事の中で,ここでやろうと計画していた学校もおそらくあったのではないかと思う。少しでも早い時期に開館できるよう,ぜひ取り組んでいただくことをお願いしたい
(3)平成25年度「杜の都の学校教育」について
(教育指導課長 報告)
資料に基づき報告
〔主な質疑〕
委員
防災教育は,今回かなり大きな工夫がなされていると思うが,3月に新たに作成,配付された「防災副読本」について,最初は1冊だけ出るのかと思ったら,小学校低学年,高学年,中学校と,きめ細かく段階ごとにと記述が変わっていた。中学校向けのものを読んだ限り,かなりよくできていると思う。副読本は防災教育の中にどう組み込まれるのか。
教育指導課長
防災副読本は,市内の全小中学校に配本して,昨年度は各学校において防災教育の年間指導計画づくりを行った。ただ,まだ副読本が完成していなかったため,今年度は昨年度作成した年間指導計画に,副読本の活用も含めて,各学校で実践,研究,検証,改善をして新たな年間指導計画を作成することになっている。
委員
今の副読本も,発達段階に応じた指導ということで,よく作られていると思う。発達段階に応じた指導のほかに,もう一つ注意しなければならないのは,地域に応じた指導ということである。この中にも局所的災害の指導という項目があるが,何となく曖昧ではないかと思う。学校でもそれぞれ事情が違っていて,海岸沿いであれば津波を真っ先に考えなければいけない。河川沿いであれば洪水,急斜面のあるところでは斜面災害等,それぞれ地域ごとに重視しなければならない課題がある。それらについては地域の方々と話し合って,画一的でない防災教育をしなければならない。その辺が鮮明ではなかったようなので,ぜひ地域に応じたところを追求していただければと思う。
教育指導課長
各学校においても地域の特性,例えば土砂崩れや河川の氾濫など,学校が立地する条件に応じて,防災教育の全体計画,年間指導計画を織り込んで作成していくことになっている。その際には,地域の方々からもご意見をいただきながらということになると思う。
委員
完成版を拝見してとてもうれしく思った。読んでいて,とても前向きな気分になる。担当者が全て作ってくださったということだが,やはり自分が関われば,それだけ愛着が湧くので,もし可能であれば,先生方がご自分の必要なものを見たときに,ここはもう少しこうしてほしいという意見を反映できるようなシステムができないかと思う。全部を見るわけではないが,関わった部分で何か感じるものがあったり,そういったものをここに表していけるシステムがあると良いのではないか。頑張っている先生が多いのだから,そのような先生がもっと前向きになれるような,そういったシステムを入れていただきたいという思いがある。ぜひ生かしていただければと思い,要望する。
委員
先にいただいた副読本は,小学校低学年,高学年,中学校とそれぞれ発達段階に応じた記述がされていたし,家庭でも取り組めるような部分もあったので,発生のメカニズムなどもきちんと述べられていて,良いのではないかと思いつつ読んだ。各学年,例えば小学校から中学校,中学校から高校のときの引き継ぎで,そのつながりがうまくいったら良いのではないか,同じ仙台に住む子供たちとして,この中から引き継ぐべきことを引き継いでいきつつ,地域性というもの,自分たちがどういうところに住んでいるのか,自分たちの身の回りにはどういった危険があるのかを学びつつ,こういった防災教育を取り入れていったらいいのではないかと思った。一つ副読本で気になるのは,特に低学年の副読本の写真の番号が,どういうわけか入り乱れていた。やはり低学年の子供たちが見やすいようにするなら,ある程度番号を順番に並べるとか,ばらばらにするのであれば写真のところの番号を大きく印字するとか,そういった工夫があると,より使いやすかったのかなと思った。中学生のところで,高校生の活動も紹介していく,つまりこの防災教育がずっと続いていくという視点が投げかけられていて,子供たちにとってはその年齢によって考えることがあるというポイントが示されていて,良かったのではないかと思う。
学校教育部長
今回,「杜の都の学校教育」で新たな防災教育についてまとめており,防災教育モデル校として小中18校を指定しているが,新たな学校防災教育推進の検討委員会のご意見等を踏まえて,また,モデル校での取り組みの課題を反映して,今回この防災教育のページを構成している。ほかの教科は,教育委員会の施策として教育委員会事務局がまとめている部分が多いが,防災教育については,まさに今学校でモデル校を中心に取り組んでいただいている課題をフィードバックしながら,このまとめを行っている。モデル校については,5つの行政区の中で,中学校区単位で全部で18校指定している。地域の状況を踏まえた防災教育,なおかつ小中学校の連携,更には地域だけではなくて保護者の方も一緒に連携した防災教育が,それぞれの工夫の中で取り組まれている状況で,今年度もそういった形で取り組みをお願いしている。その成果をまたこういった形で反映させながら,新たな防災教育の内容の充実に今年度も努めてまいりたいと考えている。
委員長
本当に盛りだくさんの内容だった。一つひとつ見ると,本当に重要なことばかりである。重点事項の1から7,仙台市の教育施策のところもあって様々である。平成25年度はこのようにやっていくということをいかに学校から先生方に落とし込む,そこがやはり大切ではないかと思う。学校現場は日常業務が忙しいため,そういう部分をいかに学校内でやっていくかというのが,私もまだ見えないところもある。私たちも,もちろん学校現場に行って見て,そういうところが見えるような形の取り組みを把握したいと思っている。大変重要な内容ばかりなので,防災教育や,文部科学大臣表彰を受けた自分づくり教育といったところでも,引き続き平成25年度,取り組んでいただければと思う。よろしくお願いしたい。
(4)スチューデントシティ・ファイナンスパーク事業の協賛企業の募集について
(学びの連携推進室長 報告)
資料に基づき報告
〔主な質疑〕
委員長
仙台市の場合,仙台商工会議所,仙台経済同友会,宮城県中小企業家同友会等が大きな団体だが,総会など,集まる機会が5月にあるので,チラシを持っていくなどの働きかけをしていくと,なお一層いいのではないか。
学校教育部長
経済団体のほうには,直接回ってご協力のお願いをして,賛同人の名前を載せる了解をいただいた。商工会議所では,今週,会議があり,会議所の議員の方々への資料送付等についてもご協力いただけるということである。同友会についても同様であり,宮城県中小企業家同友会ではメールで仙台市内の会員約680社へ送信のご協力をいただけると聞いている。
委員長
自分づくり教育の部分だと,先輩方が多くいらっしゃるので,ぜひうまく活用して取り組んでいただくことを期待する。今まで,先生方がいろいろな体験学習をするために,各商店を回ってお願いしているところから,またこういう本格的な子供たちの体験学習ができるということは,大変楽しみだと思う。平成26年7月のオープンということで,ぜひ協賛企業が集まってきて,子供たちに夢と希望が与えられるようなパークができることを期待したい。
(5)宮城県立光明支援学校の長命ケ丘分教室設置について
(特別支援教育課長 報告)
資料に基づき報告
〔主な質疑〕
委員長
先生は何人,ここに常駐する形になるのか。
特別支援教育課長
分教室の教職員としては15名と聞いている。
委員
職員室,1教室の中に保健室を含むとあるが,保健室の広さやベッド数は光明支援学校の子供たちに十分に対応できるものなのか。
特別支援教育課長
職員室の教室は一般的な教室よりも少し面積が広くなっている。それは,廊下の突き当たりの部分も教室として使っているような構造になっているからである。そこで,保健室機能としてカーテンレールを引いて,ベッドを1つ配置し,体を洗うユニットも設置したことで,その数で間に合うと考えている。
委員長
1年間という限られた期間ではあるが,ぜひ光明支援学校と長命ケ丘小学校の学校同士が,子供たち,保護者のほか,また地域も含めて交流をしたり,地区の学区民運動会もあるだろうし,または光明支援学校も秋にはお祭りもあるので,そういうところで交流を深めていただいて,お互いの子供たちが成長できる良い環境づくりをしていただくことを期待したい。
(6)市議会報告について
(総務課長 報告)
資料に基づき報告
〔主な質疑〕
委員
東六郷小学校の存続について,復興の遅れ,住宅再建についても時間がかかっていて,なかなか復興に向けて進めない。東六郷小学校についても,なるべく早い時期に一定の方向性を打ち出せないと,地域の再建そのものの方向性も出てこないのではないか。現在,地域の皆様との話し合いの状況はどうなっているのか。
理事
昨年9月以降,教育委員会の方針案を提示して,東六郷小学校はじめ被災3校の地域に対して考え方をお示ししてきた。その時点では地域の方々にもおおむね方向性についてある程度のご理解をいただいているが,東六郷小学校については災害危険区域ではないので,そのお考えによってお住まいになる方もいれば,移転を考えている方もいるという点では,非常に混在した地域事情がある。そういう中で,あわせて保護者の皆様にもご説明しているところだが,今現在は継続中の状況である。方向性としては非常に小規模校になっていて,今年の4月は26人の児童数である。そういう点では統合という考え方を教育委員会としてお示ししているが,どの時点で統合というところまでは至っていない。今後も地域初め保護者の方々と話し合いを継続しながら,方向性を固めてまいりたい。東六郷の地域の方々は,全て同じようなお考えの方ばかりではない。地域の中では,場所によっては存続を強く希望される方もいれば,もう統合はやむなしというお考えの方もいる。また,世代間でお考えが違う。私どもとしては丹念に今後も話し合いを続けながら,一定のご納得をいただく形で固めてまいりたい。
委員長
今後ともぜひ話し合いを緊密に持っていっていただければと思う。
委員
アレルギー対応についてだが,対応する研修については,全職員になさっていると思うが,その子供がアレルギーだということを担任以外で把握している先生がどの程度いらっしゃるかというのは,学校ごとにお任せしているのか。それとも,何かこちらまで上がってくるのか。
理事
基本的には,担任だけではなく,栄養教諭,もしくは栄養士の方々,学年主任,当然学校長まで含めて情報共有していくことを原則としている。特に,入学してくるお子さんの把握はもちろん,学年進行により担任が変わる,学年主任が変わる,人事異動で先生方も変わるので,引き継ぎをきちんとしていただくこととしている。担任の先生が毎日必ずいるとは限らないので,その時に変わる先生方にもきちんと情報が行き渡っているということを,当然,学校ごとに徹底していただきたいとお願いしている。
委員長
泉岳自然ふれあい館の地元の団体とのかかわりという点で,今回火災があったことから,町内会等と情報交換をなされたのか。
生涯学習部長
直接地元の皆さんに対してご説明する機会は,今のところまだ持っていない。これからその団体の集まりもあるので,その中でご説明していくような形にしたい。
生涯学習課長
地元の泉岳の関係団体の皆様が集まる関係協議委員会等の中で,活性化推進会議という名称の会議があり,既にそういったところに区を通じて情報提供をしている。
委員
学校で競争原理とあったが,学校を自由に選んで入れるような仕組みをやめたところがあったと思うが,あれはどうだったのか。
委員長
確か学校選択制を進めていたが,その後はむしろ課題のほうが出てきて,元に戻ったというお話は聞いている。仮に学校選択制のようなことになると,地域としての学校というものが完全に崩れてくる。つまり地域にいるべき児童がそこにいない。人気のある学校にだけ行ってしまうということで,非常にいびつなことになる。ましてや今,地域とともに歩む学校という,例えば仙台市の場合だとそういう目標に向かっているところには,非常に障害となると考えられるほか,学校間の競争ということにも拍車をかけてしまうことになりかねない。本来この学力検査は1年間の指導のための基本的なデータとしてとっているわけで,競争のためにやるわけではない。
委員
学校評議員会で議論された内容は,教育委員会には伝わってくる仕組みになっているのか。
学校教育部参事
教育委員会としては,毎年度学校評議員について,どのような方を評議員としてお願いしたか,何回開催したか,そこで扱われた内容や話題といった部分について,翌年度,前年度分の実績として調査集計している。評議員の方にどのような部分を学校としてお願いすべきか,毎年度5月半ば頃からになるが,全校の教頭及び教務主任を教育委員会に呼んで,学校運営及び教育課程のあり方について確認し,そういった中で,学校評議員制度が有効に活用されているか,効果が上がっているかについても確認している。
(7)児童生徒の体罰実態調査に係る文部科学省への報告について
(教職員課長 報告)
資料に基づき報告
〔主な質疑〕
委員長
体罰は今回63件ということだが,全体的には何件くらいの申し出があったか。そして,申し出の結果,体罰等に当たらなかった場合は,どういうところが体罰として当たらないとしたのか。
教職員課長
保護者からの体罰の申し出だが,幼稚園を除く市内の全市立学校194校で,件数は491件,これは子供が被害に遭ったというものだけではなく,それを見たという子供からの報告を受けた保護者からの報告なども含めて491件だった。複数の保護者などから申し出があった同一案件については1件として整理し,その事案が体罰に当たるかどうかを精査した結果,体罰の件数としては97件という形になった。それを文部科学省の報告の要綱に従って整理した件数が63件となっている。保護者からの申し出のうち体罰に当たらないものについて,児童生徒を5分間あるいは10分間立たせたということに関しては,教員の懲戒権ということで,その程度のものであれば体罰に当たらないとしたものや,児童生徒の危険な行為を制止したことについては文部科学省の要綱にもあったとおり,体罰に当たらないと判断した。
委員長
体罰の件数が97件あって,そのうち精査した結果63件だったということ,34件の差があるが,これが出てきている内容を精査した結果,体罰であったという認識でよろしいのか。
教職員課長
今回,文部科学省に報告をする1件というのは,1人の教員が複数回やった場合でも1件と数えるので,数回体罰を行っていた件数を合わせると97件ということで,教員の数として63件という数になっている。
委員
これは実態調査だから,実態がいかに正確に把握できるかが大事なことだと思う。基本は文部科学省からの通達に従った調査方法をとっているが,例えば教職員に関しては,本人からの申し出以外,例えば家庭から出てきたものと同じような目撃したという報告もあったのか。もう一つは,保護者からの調査票だが,これは体罰の有無にかかわらず回答をいただいたのか。それとも体罰があると保護者が認識した場合に,回答をいただいたのか。
教職員課長
教職員の目撃については,報告はない。教職員からの自己申告という形での数である。それから,回答については,強制ではないので自由に書いていただいたこともあり,なかったということでお書きいただいた方もあるが,あったとするものが491件という件数である。
学校教育部長
保護者の方に対する体罰調査の進め方は,全ての保護者に対して学校から調査票を配った。調査票の書き方は,教員から殴られたとか蹴られたことがあるか。あるいは正座や直立等の姿勢を長時間させられたなどの,肉体的な苦痛を与えられたことがあるかという設問を設けて,ある場合にはさらにその詳細を書いていただくという様式にしてある。したがって,私どもはこの調査を行うに当たり,ある場合だけの提出は保護者が非常に出しづらいのではないかと考え,ある場合もない場合も,どちらでも出していただいて結構ですという形をとり,校長宛ての封筒をつけて密封した形で出していただくことを徹底して行った。そういった形で今回の調査を進めている。
委員
保護者からの調査票で無回答がどのくらいの割合であったのか。今体罰があるという件数だけ報告があったが,体罰がないという回答と,あるという回答の比率がどれくらいであったのか。
教職員課長
教育委員会への報告については,無回答という数の報告はさせていなかったので,何件あるかについては今回調査はできなかった。あるとして回答があったものだけの数を押さえている。
委員
教職員1件ということは,例えば1人の先生が日時,場所が違っても,1件と考えるのか。
教職員課長
日時,場所が違って体罰をした場合でも,その教員について1件と数えるというのが,今回の文部科学省の調査要綱になっている。
委員長
実態調査の結果について,被害状況のところに打撲,頭,肩など,書いてある。このように,学校内で体罰があった場合に,校長先生に報告義務はあるのか。
教職員課長
学校で事故があった場合には報告ということだが,体罰等に関してはすぐに学校から保護者や被害児童へ家庭訪問などをしてのおわび,謝罪という形で行ってきた。その結果,保護者からご了解を得た場合などは事故報告がなかなか上がってこなかった。これまでは現場で了解を得たもので,こちらに上がってくる件数はそのうちのいくつかという形になっていた。
委員長
そうすると,学校内の判断で,ある程度和解ができたと,謝罪もできたという部分での報告の案件は,その中でもごくわずかであって,ほとんどが上がっていなかったという認識でよいか。
教職員課長
今の委員長の認識というものが大体,学校の校長の認識でもあり,あとはけががあったという件数などについて,こちらのほうに報告を上げていただくという形になっている。
委員
中学校のほうが被害,具体的なけが等が出た数が多いように見受けられる。まだこれは実態調査の段階で,その内容についての精査はこれからだと思うが,これが例えば中学生で,ある程度身体的に発達した生徒を相手にしているから,体罰のやり方も重くなるのか。あるいは中学生は部活の場合がかなり大きい比率を占めているが,部活の場ということが大きな影響を持っているのか,それはある程度わかっているのか。
教職員課長
小学生の1件というものがあるが,中学生の状況について,ここにあるとおり打撲臀部ということで,お尻を蹴ってしまったというケースや,一部前歯が欠損したということがあるが,授業中や部活中など,それぞれあるので,一様にどういう状況かということについては,なかなか結論のようなお話しをすることはできないと思っている。
委員
実態調査の中で,緊急に対応しなければならなかった事案は上がってきたのか。もし上がってきていれば,どういった対応をとられたのか。また,体罰を受けたということは心にも傷を負っているということなので,今回は肉体的なものに限るという調査だったが,そういった影響を受けたというような回答があったのか。
教職員課長
実態調査の結果,緊急を要するといった案件については,今回幸いにしてなかったわけだが,こちらのほうとして押さえておかなければならないケースがあったということは事実である。それから,心の傷というお話だが,これについては委員ご指摘のとおり文部科学省のカテゴリーからは外れるが,これらの件に関しては暴言による児童生徒の精神的な苦痛が大きいので,万が一それに類するような事案があれば速やかに教育委員会のほうに事故報告するよう,校長会のほうでは指示している。昨年度は1件,それに類するようなものがあり,それについてはこちらで対応したところである。
委員
先ほど日時場所が違っても,教職員1人1件ということは,同じ先生が違う時間に違う場所で何回もそういうことを繰り返しているという,この学校数と件数の差はそこに出ていると思うが,そういったことによってエスカレートしていっているのではないかという不安がある。そういうところをチェックするとか,何か確認するとか,そういった機能はないのか。
教職員課長
部活動の中で指導者と指導される側という関係の中で,そういう関係が生まれやすいということはある。仙台市の場合,なるべく部活については複数の顧問で対応するようにとか,そういった対応をしている。しかし,実際このような件数として上がってきているので,これについてもチェック機能あるいはそういった話があった場合に,校長や上司から絶えず指導していくということも含めて,そういった対応を今後,とっていきたいと考えている。
委員長
体罰があったことについては学校内でもおそらく,特に部活や授業中に,第三者が見ているパターンと見ていないパターン,子供から聞いて,それをお父さんお母さんが伝えるパターン,いろいろなケースが考えられると思う。特に部活で,これが原因で不登校になり学校に行かなくなったとか,そういう案件が何件あったのか。それに対してどのように対応したのか。
教職員課長
今回,学校からの報告の中では,子供が学校に来られなくなったという報告は受けていない。
委員
何度も体罰を繰り返した教員の件だが,その教員は今現在どのような状態なのか。
教職員課長
校長からの指導はもちろん,部活を変えるとか,それぞれの学校長の判断で対応している。
委員
今後の対応だが,対応を5点ほど上げていて,その中で4番目に体罰根絶に向けた啓発・研修ガイドブックを作成するということが予定されている。先ほどの実態調査の結果を伺うと,かなり多数の件数が洗い出されて出てきているので,仙台市内の学校で従来行われた体罰のかなりの部分は網羅されているのではないか。どういう傾向があり,どういう場所で,どんな体罰が行われてきたかほぼつかめたのではないかと思う。今後の体罰根絶の際には,その具体的な事例を活かしていくということが大事で,そのガイドブックを作成するときには,もちろん体罰は基本的に禁止されているというような一般論はもちろん述べなければいけないが,仙台市独自でこの調査結果を生かしたガイドブックを作成したほうが,より効果的なのではないか。ガイドブックの作成は今後どのような方針,スケジュールで行われる予定なのか。
学校教育部長
このガイドブックは今,鋭意作成中であるが,5月中を目途にできるだけ早い時期に作っていきたいと考えている。内容については,今回の体罰の事例も含めて,特に部活動における体罰の防止という点にも焦点を当てて示す必要がある。今回の調査によって,文部科学省から体罰の定義が示されたので,その認識や自己チェックの徹底という部分も入れて作成してまいりたい。
委員長
今回,結果として体罰の件数が63件出たということについては重く受けとめて,いろいろ考えていかなければいけない。今後の対応ということで5点ある。やはり保護者に対しては,この調査結果について,きめ細かに報告するべきである。文書で出したということもあったので,できる限り学校の校長先生から保護者の方々,または学校のPTAの関係者,運営委員会等で説明してほしい。ぜひ校長先生方に対して,指導,指示をしていただきたい。それと,やはり現場で何が起きているかについて,把握をすることが必要ではないか。二次的被害を生み出さないように,保護者間や,学校と話し合いをしながら進めていかなければならない。そのためには,報告等の流れについて,システム化を再度,学校へ指示していくことが必要ではないか。その上で,どういう形で学校に対応したらいいのかというところで,きめ細かな指導も必要になってくるかなと思う。3番目にあった体罰相談窓口については,現況ではどう考えているのか。
教職員課長
教育委員会が持っている相談窓口で,相談の入り口として活用いただいて,あとは担当が入り,対応させていただくということを考えている。
委員
先ほども心の問題ということで申し上げたが,体罰ももちろん,見えるところで大事だが,やはり心を痛めるということも,見えないだけにとても深いものがあると思う。体罰にきちんと対応していくことによって,心の問題もある程度解決していくのではないかと思う。
委員
今回,対象職員は教職員ということだったが,例えば部活動の外部講師というか,地域の方が指導に当たった場合に,この中には入っていないと思う。今後そういった場合,どういう対応をとるのか。それから,授業中の場面があったが,小学生の場合,教室は,子供たちが過ごす時間のほとんどを占めており,その場所が体罰を受ける場所であるということは,子供たちが育っていく上で良くないと思う。中学校の部活動中が50%,やはり同じ間違いをすることを繰り返したというが,体罰が入ると,緊張して同じ間違いを繰り返してしまい,また監督の思ったとおりのプレーができなかったということで,学校という空間の中で起きるとどうしてもエスカレートしていく傾向があると思う。ぜひこれは絶対あってはならないこととして,研修ガイドも作成なさるということだが,配付した後の対応も含めて考えていただけたらと思う。
委員
今回の調査は文部科学省からの依頼ということで行われているわけで,いろいろな制約があって,先ほどの心の問題も含めた調査にはなっていない。それでもそれなりの実態把握にはなっているのだろうと思う。今後の対応だが,もちろん文部科学省からの指示には従いつつ,仙台市としてはあまり限定せずに,必要と思ったことは進んでやっていただきたい。指示がないことでも,それが必要であると思えばやるということが,学校の中の問題を減らしていくためには必要なのだろう。きめ細かな対応が望まれているので,積極的にあたっていただきたい。
委員長
目に見えない心のケアというのも,やはり心の中でずっと困っていて人には言えないということもあるのではないかと思う。もちろん文部科学省からの指導に基づいた形の調査も必要であると思うが,学校独自での心のケアの部分についての対応も,やはり一番わかっているのは学校現場だから,それも教職員に指導していただくことが必要ではないか。
教育長
ただいまの委員の皆様方のご意見を拝聴して,仙台市もこの63件という件数の多さが,初めて悉皆調査で明らかになったわけだが,これまで報告がなかったという点も踏まえ,体罰以外の心に傷を負わせるような暴言のように不適切な指導,そういうことも含めて,文部科学省の指導を待つことなく,仙台市でも独自に体罰の根絶,それから不適切な指導の根絶に向けて努力してまいりたい。被害に遭われた児童生徒,それから保護者の方々には,おわびを申し上げたい。
委員長
私から各委員の方々にご提案をさせていただきたいと思う。各委員によりさまざまなご指摘やご意見があったが,63件にも及ぶ体罰事案があったということは大変遺憾であり,また,これは私どもとして重く受けとめる必要がある。本日の報告においても,不祥事防止の対応,体罰根絶に向けた対応について説明があったが,しっかりとその取り組みをお願いしたい。今後,この議論については,委員の先生方とも議論を深めながら進めていきたいと思っているが,よろしいか。それでは,事務局は,今後の進め方について,よろしくお願いしたいと思う。
事務局
次回定例教育委員会は5月20日(月曜日)に開催する予定である。
午後5時9分
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