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We Know SENDAI
ページID:29747
更新日:2023年5月9日
工藤電機株式会社
取締役会長
工藤 治夫氏
当社は1956年、東北大学で使用する実験装置の設計・試作・修理からスタートしました。当時も東北大学の先生方は「実学の精神」をもって地元・仙台の町工場や職人を大切にしてくれたものです。以来60年、歴代の先生が持つ「技」を間近に見て学び続け、電流を高精度に安定化させる当社の電源装置は、世界トップクラスの精度を狙う水準にあります。
当社のコア技術を注ぎ込んだパワーエレクトロニクス製品群は、加速器研究施設に必要な高安定高精度直流電源装置として、東北大学をはじめ各大学や理化学研究所SPring-8、大手民間企業など、国内外の研究・試験機関等に採用されています。また近年では、放射線医療や重粒子線医療向け、半導体製造装置用途にも活用分野が広がっています。また、東北地方では次世代大型加速器施設建設(国際リニアコライダー(ILC))が計画されており、当社も計画が実行される事を心から期待しております。
2015年12月に完成した研究開発センター(太白区長町)では、次世代の省エネシステム実現へ向けた様々な取り組みを行っています。
当センターの電源としても使用している太陽光発電対応リチウムイオン蓄電システムにはとりわけ注力しております。これは東北大学をはじめ産学官連携により誕生した地域密着型ものづくり中小企業コンソーシアムが作ったリチウムイオン電池関連製品の1つです。2017年4月からはリチウムイオン電池関連製品のマーケティングも推進していきたいと考えています。
また、井戸水を利用した地下水循環・熱交換システムも実証試験を行っており、施設内の空調管理に役立てております。今後どのような形で提供できるかを検討しています。
地球温暖化など環境面での問題が顕在化している現在、経済的な価値観よりも、低炭素社会の実現という環境的な価値観へのシフトチェンジが求められています。スマートシティ実現の一助となるべく開発を継続いたします。
最先端の電源装置を手掛けている当社のお客様は東北大学の他、首都圏や関西圏の研究機関や大手企業が中心ですが、今後は仙台、宮城、東北エリアのお客様を増やしていければと考えております。当社は創業以来、仙台で事業を展開していますが、最大の強みは東北大学との連携の中で培った技術の蓄積にあると思います。東北大学の先生方は若い技術者に対しても「一緒に創っていこう」という姿勢で接していただけますし、分からないことは丁寧に指導もしていただけます。大学の素晴らしい研究成果が実用化に至るまで5、6年はかかるものです。そこを繋ぎ合わせ事業化することが私たちの仕事です。大企業が手掛けていない分野に入り込む余地はまだまだ残されています。若く優秀な人材が仙台に集まり、コミュニティが形成されることを期待しています。
当社は最先端技術を通し、その一助となると共に、自然と調和し、事業活動を行ってまいります。
(2017年3月取材)
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