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ページID:29722
更新日:2023年5月9日
JFEスチール株式会社
棒線事業部 仙台製造所
所長 須田 守氏
当社では、「常に世界最高の技術をもって社会に貢献します」という企業理念に基づき、鉄スクラップを原料にオリジナリティはもちろん、機能性の高い鉄鋼製品を再生産しています。IT家電、スチールハウス、飲料缶、ドラム缶など、日常生活に深く関連している分野で使用されている薄板製品を始め、世界最大級のサイズを製造可能な厚鋼板製品、エンジンやステアリング、パワートレインといった自動車には欠かせないパーツのほか、風力発電機、建築機械、船用エンジンなどを支える高品質の棒鋼・線材を提供しています。
製造の過程で生じるCO2の排出量削減にも積極的に取り組んでおり、2008~2012年度平均値として、1990年度比9%の削減に成功。廃熱による原料予熱が可能な電気炉、電気炉助燃バーナーの導入、燃料の天然ガスへの転換など、省エネルギー、地球温暖化防止へ向けた様々な取り組みも推進しています。
仙台製造所では棒線の製造をメインに行い、毎月約7万トンを出荷しています。棒線は自動車の部品などを生産する会社で加工され、ビスやボルトといった商品になります。たとえば自動車の場合、総重量は約1.5トンありますが、1トン近くが鋼材で形成され、そのうちの約200kgを当製造所の棒線から精製された部材が担っています。
製造は東北各地から購入したスクラップを製鋼工場で溶かすことから始まります。通常、電気炉のふたを開けてスクラップを装入し、溶かしていきますが、当製造所ではふたを開けずに装入できるタイプの電気炉を用いており、CO2排出削減に成功しています。また、シャフト炉を通る予熱によって、これから溶かすスクラップに熱を伝えるなど、エコ仕様になっています。溶かした鉄に合金を加え中間製品である鋼材(ブルーム)にしていきます。自動車の部品はもとより、風力発電機や建築機械など、様々な用途で使用されますので、硬いだけでなく、靱性や加工のしやすさなども求められます。この鋼材を精製する技術力の高さが当製造所の強みとなっています。
仙台には昭和48年(1973年)に進出したのですが、鋼材を造るうえで、原材料の搬入・搬出がしやすく、冷却に用いる工業用水の供給が可能な場所として当地が最適だと判断しました。夜間や土日・祝日等の電気代が安く設定されている時間帯での生産が中心ですが、真面目に働いてくれる人が多い土地柄なので、労働力の確保という点でも恵まれています。現在は全国各地から毎年10人ぐらい採用しているのですが、住環境の良い仙台で働きたいという人が多いです。また、「一緒に仙台市の産業を発展させていきましょう」という同市の思いのもと、競争力を高める支援なども受けられます。行政と近しい距離で事業を展開できることが大きなメリットですね。
2017年4月のJFEスチールへの移管に合わせ、当製造所が中心となり、倉敷地区の工場との一体運営を図ることになります。一体運営によって、従来以上の技術交流、人材交流が可能となります。当製造所のある仙台には東北大学出身者を始め、優秀な人材が多いので、よりグーバルな活躍が期待されます。
棒線事業は、東南アジアを始めとする海外にはまだまだ進出する余地があります。現地で調達することができない製品はもちろん、クライアントのニーズに合わせたパフォーマンスを有する鋼材を開発し、海外展開も積極的に図っていきたいと考えています。
(2017年3月取材)
※JFEスチール株式会社仙台製造所は、2017年4月1日付でJFE条鋼株式会社から移管されました
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