クラウドネイティブ技術で東北のDXを加速させたい

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クオリティソフト株式会社
執行役員仙台支社支社長
商品企画部長
小林博之氏

変化する社会で常に新しい価値を提供

クオリティソフト1 　弊社は和歌山県白浜に本社を置く、クラウド型セキュリティブソリューションおよびドローンソリューション事業を手掛ける会社です。主な事業は3つ。1つ目がクラウドから組織や企業で利用するPCのセキュリティ対策を行うサービス「ISM CloudOne」を主力とする事業です。クラウド市場の拡大を予見して2007年にリリースした「ISM CloudOne」は、PCの脆弱性診断や外部デバイスの制御、操作ログの取得をする製品です。テレワークなど多様化する働き方の中でも情報漏洩の防止ができるエンドポイントセキュリティで、クラウド型資産管理サービス市場において6年連続シェアNo.1。2022年10月時点で世界55ヵ国、8万社に導入いただいています。
　2つ目がドローンソリューション事業です。スピーカーを搭載したアナウンサードローンでの避難誘導や、パイロットのライセンススクール、ドローンの飛行を管理するクラウドサービス、ドローンを利用したプログラミング教材などを展開しています。アナウンサードローンについては、栃木県小山市消防本部に導入いただきました。仙台BOSAI-TECHにも参画しており、仙台の防災についても協力していきたいと考えています。
　そして3つ目として本社のある和歌山の特産品を扱う「たまな商店」というECサイトや、本社社屋を活用したワーケーション事業など、ソフトウェア開発の枠を超えた面白い事業に取り組んでいます。

強みを生かし、DX推進の課題に挑む

クオリティソフト2 　クラウド型セキュリティソリューションをさらに進化させるために開発人材を求めて、2021年10月に仙台支社を開設しました。私も秋田出身なので分かりますが、東北には「東京には行けないけど仙台までなら」という人も多く、専門学校や大学が多い仙台なら、優秀な人材が採用できると考えました。ソフトウェアの開発は根気が必要ですが、実際一緒に働いてみると、仙台支社の社員はとても一生懸命、真面目にコツコツ取り組んでくれる方が非常に多いです。また、地方を活性化させたいという社長の想いも、仙台進出の理由のひとつにありました。弊社は長野県松本にも研究開発センターがあるので、海で働きたい人は白浜、山なら松本、杜なら仙台という選択肢ができました。特にこの定禅寺通りのケヤキ並木に面した仙台支社は、社長も気に入っているようです。
　弊社の強みは海外の大手クラウドを利用せず、自社基盤を構築しクラウドネイティブ技術を基に、安価で保守性に優れた高性能なサービスを提供し顧客に利用していただけることです。世界的なクラウド技術の推進団体CNCF（Cloud Native Computing Foundation）にも加盟し、従来の仮想サーバ技術に替わるコンテナ技術やKubernetesの導入・設定、マイクロサービスなど、クラウドネイティブ技術を用いて開発を進めています。これらの技術を利用する人材を仙台・東北に増やすことは、仙台支社ミッションのひとつでもあります。弊社が進める最先端のクラウドネイティブ技術を利用する企業が増えることで、課題となっている東北のDXを加速させるお手伝いもできると考えています。

クラウド人材のスキル向上を目指して

　　現在仙台支社に勤務するのは地元採用を中心とした10名の社員。はじめは中途採用に苦労しましたが、一般社団法人宮城県情報サービス産業協会（MISA）に加入してそこからご紹介いただくなど、協会内の連携の強さを感じています。今年は新卒5名を採用。今後も毎年新卒・中途問わず自己成長してくれる方々を採用して、5年後には200名規模を目指したいと考えています。
　本社では、和歌山大学との包括連携協定でクラウド技術の人材育成に取り組んでいるので、仙台でも同じように大学との連携が進めていけるよう働きかけています。また、クラウドネイティブ技術のオープンカンパニーとして、門戸を開いて開発者の人材育成に取り組むことも考えています。仙台の開発者のスキルが向上することは、弊社にとってもメリットがあることですし、それにより東北全体のDXが加速していくことも期待できます。さらにソフトウェア企業の仙台進出が進めば、仙台のクラウド技術がさらに向上し、様々な事業に一緒に取り組むことが増えていくと思います。

(2023年2月28日取材)

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