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更新日:2026年6月3日

仙台・秋保から広がるクラフトビールの可能性と挑戦

グレートデーンロゴ

グレートデーンブリューイング株式会社

代表取締役社長/ブリューマスタ/共同創業者

ロブ ロブレグリオ 氏

最高執行責任者/共同創業者

清沢 哲也 氏

 

私たちは、クラフトビールの製造と、工場敷地内の一角で地域食材を使用したレストランの運営を行っています。創業地はアメリカ・ウィスコンシン州で、仙台に工場を設立したのは2024年です。仙台・秋保を誇りに思っていただけるような商品を生み出したいという思いで活動しています。

人や環境との出会いが、仙台進出の決め手に

グレートデーン1アメリカでは州法により、これ以上お酒を製造できない状況となったため、他州や海外への展開を検討しておりました。京都に住んでいた(ロブ氏の)兄の影響もあり、以前から日本に関心を持っていました。2012年に全米の年間最優秀醸造家(Brewer of the Year)に選ばれ、来日したことをきっかけに、仙台に注目するようになりました。

日本進出にあたり、東京、京都、北海道、新潟なども候補地として検討しましたが、最終的に仙台を選びました。ウィスコンシン州と似た寒冷な気候に加え、仙台という都市の知名度やスポーツ文化との親和性に魅力を感じたためです。さらに、この土地は水が非常に良質です。様々なビールを造る上でミネラルなどを調整できる水の純粋性は大きな決め手でした。

また、進出にあたっては、JETRO(日本貿易振興機構)と宮城県の存在が大きな後押しとなりました。仙台で事業を展開したいと話をしていたところ、宮城県の方々が興味を持ってくださり、JETROを通じてコンタクトを取ってくださいました。その後、宮城県の担当者の皆さんが実際にウィスコンシン州まで足を運んでくださり、「仙台で事業をしたい」という思いが一層強まりました。さらに秋保ワイナリーのプロジェクトをきっかけにかつての師弟(ロブ氏と清沢氏)が再会するという縁にも恵まれ、現在へとつながっています。

部署の垣根を越えた連携と、親身な伴走サポート

仙台市の太白区、観光部門、農業部門をはじめとするさまざまな部署の皆さんが密に連携し、支援していただきました。通常では考えられないほど親身に対応いただき、一緒に土地を探していただいたところから、銀行をはじめ多くの関係者との橋渡しなど、この地で事業を進めるうえで大きな支えとなりました。

地域との強い結びつき、自然と都市が近接する暮らしやすさ

グレートデーン2仙台、特に秋保エリアの最大の魅力は、「目に見えない価値」とも言える、地域の方々の強い郷土愛と人と人とのつながりです。オープン時にビールや食事を無償で振る舞ったところ、驚くほど多くの方々が足を運んでくださいました。そこには、「自分たちはこの地域で生きている」という強い仙台プライド、秋保プライドがあり、私たちもその価値を地域の皆さんとともに育てていきたいと強く感じています。

夜になると人通りが少なく、人口減少という課題もあります。しかし近年では、おしゃれなカフェが増えるなど、若者が集まるエリアへと変化しつつあります。モンキーマジックのブレイズ氏や秋保ワイナリーの毛利氏をはじめ、この町を「クラフトの町」にしたいと志す仲間もいます。外国人居住者も増えており、新しい企業や人がチャレンジしやすい、開かれた土壌が育ってきていると感じています。

(ロブ氏は)アメリカの家を売却し、秋保に家を購入するほどの覚悟をもって移住しました。ウィスコンシン州やニューヨークのような大都市とは異なり、秋保は自然が豊かで美しく、中心市街地へも20分ほどでアクセスできるため、非常に暮らしやすい環境です。今では自らを「仙台のプロモーター」と称しています。これから進出を検討する方々には「Don’t be afraid! Move!(恐れるな!動け!)」とお伝えしたいです。この街には、素晴らしいポテンシャルと活気があります。

ビールの力で地域課題を解決し、人々が交差する町へ

グレートデーン3今後の最大のテーマは、単なる事業成長にとどまらず、「仙台のブルワリーといえばグレートデーンだ」と誇りに思っていただける存在になることです。その実現に向けた足元の課題として、交通インフラの充実に取り組んでいます。

1960年代の秋保にはローカル電車が走り、多くの人が浴衣姿で街を歩く、活気ある温泉街の風景がありました。そうしたにぎわいを取り戻すため、浴衣で来店された方にビールを無料で提供したり、食事を割引したりする取り組みを少しずつ始めています。また、駐車場を増やして滞在時間を延ばし、「家族のもとに帰ってきた」と感じてもらえるような、思い出づくりの場を提供したいと考えています。

歴史ある温泉街のコミュニティと、新たに訪れる観光客との関係は、繊細なものになりがちです。しかし、その間をやわらかくつなぐことができるのが「ビールの力」だと私たちは信じています。私たちにとってビールは、単なる商品ではなく、アートの一つであり、人と人をつなぐ文化でもあります。

アメリカのグレートデーンで30年以上続けてきたように、この地でも子どもや犬を支援する社会貢献活動を進めていきます。さらに、日本で唯一の「ビール神社」とも言われる鹿島神社の再建プロジェクトについても、クラウドファンディングを通じて取り組む予定です。これからも地域の観音様のような存在として、人を明るくし、つなぎ、貢献する存在として歩み続けていきます。

(2025年12月10日取材)

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企業DATA

グレートデーンブリューイング株式会社

本社の所在地:仙台市太白区秋保町湯元字枇杷原5番地

拠点開設年:2024年

事業内容:ビールを始めとする酒類の製造・輸出入・卸売・小売及び通信販売、飲食店の運営など

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