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更新日:2024年8月8日
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レジオネラ属菌は、土の中や河川、池、沼、温泉など自然界に広く生息している細菌です。環境中では、アメーバなどの原虫や藻類内に寄生し、20~45℃で増殖します。
レジオネラ属菌が人工的な水循環設備(循環式浴槽、冷却塔、ジャグジー、加湿器)に付着する生物膜(バイオフィルム・ぬめり)に生息するアメーバなどの体内で大量に繁殖します。人への感染は、これらから発生するレジオネラ属菌を含むエアロゾル(空中に浮遊している小さい粒子)を吸い込むことなどにより感染します。免疫力の弱った方では、細菌を含んだ水や氷を誤嚥することでも感染が起こり得ます。
レジオネラ属菌は、人から人へは感染しません。
出展:厚生労働省パンフレットより抜粋
(https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000580777.pdf)
レジオネラ症の潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)は、2~10日です。レジオネラ症の主な病型としては、重症のレジオネラ肺炎と軽症のポンティアック熱が知られています。
レジオネラ肺炎は、全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難が見られるようになります。まれですが、心筋炎などの肺以外の症状が起こることもあります。また、意識レベルの低下、幻覚、手足が震えるなどの中枢神経系の症状や、下痢がみられるのもレジオネラ肺炎の特徴とされています。軽症例もあるものの、適切な治療がなされなかった場合には急速に症状が進行することがあり、命にかかわることもあります。
これに対して、ポンティアック熱は、突然の発熱、悪寒、筋肉痛などの症状がみられますが、またそれらは一過性のもので、自然に治癒します。
レジオネラ肺炎はレジオネラ属菌による細菌感染症なので、マクロライド系、ニューキノロン系やリファンピシン等の抗菌薬で治療することができます。早期診断、早期治療が重要です。
これに対してポンティアック熱は、自然に軽快することが多く、抗菌薬なしでも数日以内に改善します。
レジオネラ属菌は、入浴施設などの水を使用する設備に付着する生物膜(バイオフィルム・ぬめり)に生息するアメーバなどのなどの体内で大量に繁殖します。レジオネラ属菌などの微生物は、生物膜(バイオフィルム・ぬめり)の中では、消毒剤などの殺菌作用から守られて生息し続けます。これを除去せずに循環水だけを消毒しても、十分な効果は期待できません。
生物膜(バイオフィルム・ぬめり)を発生させないよう、発生してもすぐ除去できるようこまめな清掃を行い、循環水や浴槽水は交換し、適切な消毒を行いましょう。
【参考】
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