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更新日:2023年12月26日

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ホッキョクグマの「ポーラ」と仔について(12月26日)

八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」

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先日、「ポーラ」の仔が死亡したという残念なお知らせをしました。
悲しい気持ちになった方、ショックを受けた方も多いかもしれませんが、「ポーラ」が子育てを一生懸命頑張っていたので、その様子を少し報告させていただきたいと思います。

誕生後、数時間おきに仔が「ギャーギャー」と元気に鳴き始めると、「ポーラ」が体をなめてあげます。
それでも鳴きやまないときは、「ポーラ」は体勢を整えて授乳を開始します。
授乳する時は、片方の前肢を少し持ち上げて首を伸ばし、胸にある乳首に仔が吸いつきやすくしてあげます。

R5_1225_ブログ_ポーラと仔について 授乳の様子
授乳の様子(仔は胸の間に隠れて見えません)

元気よく鳴いていた仔が静かになったなと思うと、「クククク」という規則的な不思議な音が聞こえてきます。これがささ鳴きと呼ばれる授乳音です。
生後3日までは授乳音が1日に20回程度観察されました。

最初の数日間は授乳回数が多く、「ポーラ」は少し疲れたのか、授乳の合間は寝ていることが多かったです。
生後1週間を過ぎると仔がお乳を上手に吸えるようになったのか、授乳回数が1日10回ほどに減ってきました。
「ポーラ」にも余裕が出てきたようで、目を覚ましている時間が増えました。
「ポーラ」の前肢の間に隠れてほとんど見えなかった仔の姿も、「ポーラ」の腕の上やお腹の上で一緒に寝ている姿を見ることができるようになってきました。
生後10日を過ぎた頃には、仔の体は生まれた直後よりも一回り大きくなっているように感じました。

 

R5_1225_ブログ_ポーラと仔について 寝る仔
「ポーラ」と一緒に寝る仔

12月22日、昼前の授乳を確認し仔の元気な鳴き声も聞こえていました。
しかし、昼過ぎにポーラが仔に授乳しようとして体勢を変えた時にお尻で踏んでしまいました。
「ポーラ」は仔が生きていると思い、数分間授乳の体勢をとっていましたが、仔が動かないことに気づいたのか立ち上がってしばらく足元にいる仔の様子を伺い、また優しく仔を抱いて横になっていました。

その後、獣医師が仔の状態を確認したところ、圧迫による死亡と判明しました。体重は1.7kgに成長していて、メスであったことがわかりました。また、たっぷりミルクを飲んでいたことがわかりました。

「ポーラ」が愛情をもって世話をしている様子と、元気に動く仔の姿を毎日見守ってきたので、13日間という短い命となってしまったことがとても残念で、悲しい気持ちです。

R5_1225_ブログ_ポーラと仔について 12月23日ポーラの様子
12月23日の「ポーラ」

しばらくは、子育てを頑張ってくれた「ポーラ」の体調を最優先に考えてあげたいなと思います。
現在の「ポーラ」は餌をよく食べ、体調は良好です。

出産のニュースを喜んで、仔が無事に成育するようにと願って、応援してくださった皆様に感謝申し上げます。

 

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