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ホーム > ブログ・SNS > 八木山動物公園スタッフブログ「八木山ZOO通信」 > ホッキョクグマの仔 生後3か月から4か月(2025年4月26日)
ページID:80458
更新日:2025年4月26日
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八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」
生後3か月を迎えると、「ポーラ」の餌を2頭の仔も一緒に食べるようになりました。
餌の中でも煮たサツマイモ、ふやかしたペレットが特にお気に入りのようでした。
まだ馬肉を引きちぎって食べることはできませんが、試しに馬肉をミンチにして与えるとしっかり食べることができていました。
餌を食べる仔
これからは「ポーラ」の母乳も飲みつつ、自分たちで餌もたくさん食べてより大きく育ってほしいと思います。
そんな成長が目覚ましい3月末、ついに屋外にある放飼場に出る練習を始めることにしました。
昨年12月に産まれてからこれまで産室の中だけで過ごし、1回も外に出たことがない2頭にとって放飼場は未知の世界です。
仔に放飼場に慣れてもらうことは、来園者に公開するための準備であることはもちろん、産室をこまめに清掃して清潔な状態を保つためにも必要なことでした。
仔を放飼場に出すにあたって、まずは溺れることが無いよう放飼場のプールの水を抜きました。
そして万が一水のないプールに落下しても怪我をしないよう、ワラをふかふかに敷き詰めました。
ワラを敷いたプール
また、少しでも外の世界に興味を持ってもらえるよう、小さく切ったリンゴや煮たサツマイモを置いてみました。
何かあればすぐ対応できるよう、飼育員と獣医師が見守る中、放飼練習を開始しました。
産室から放飼場へ続く動物用の通路は1週間前から産室と自由に行き来できるように慣らしていたこともあり、意外にも2頭の仔はすぐに通路から顔をのぞかせました。
通路から外を見る2頭
外への好奇心と不安の間で揺れている様子の仔。
産室にいる「ポーラ」にも見守られる中、産室から出たり戻ったりを繰り返しながら少しずつ放飼場に出る距離を伸ばしました。
おやつとして設置していた煮たサツマイモを食べる余裕もあり、水を抜いたプールに落ちることもなく、順調な滑り出しだと感じました。
放飼場を歩く仔
この日以降、定期的に放飼練習を実施しています。
「ポーラ」と一緒に放飼場に出た日は、母親がいる安心感からか、放飼場を隅から隅まで探索していました。
「ポーラ」は仔たちの側を離れないようについて行ったり、仔があまり遠くに行かないように呼び戻したり、大忙しです。
放飼場で授乳をすることもありました。
飼育員は初めて監視カメラ越しではなく、実際に「ささ鳴き(授乳時に仔が出す音)」を聞いて、大興奮でした。
授乳の様子
水に慣れてもらうため、大きめの容器に水を浅く溜めて放飼場に置いてみると、2頭とも興味津々な様子で容器の中に入り、全身で水を感じていました。
水に臆することなく果敢に挑戦する姿は、小さくてもホッキョクグマなんだと感動しました。
水を溜めた容器に入る仔
水に触れることに慣れてきたため、放飼場のプールに仔が溺れない程度の水を張ってみました。
初めは「ポーラ」が警戒した様子で仔がプールに近付かないようにしていましたが、ある時「ポーラ」が先にプールに入り、仔を呼び始めました。
「ポーラ」が入っている姿を見て安心したのか、仔たちも「ポーラ」に続いてプールに入りました。
小さくジャンプして飛び込んでみたり、顔を水に付けてぶくぶくしたりと、2頭とも「ポーラ」に習って水との距離感を掴もうとしている様子でした。
仔を呼ぶ「ポーラ」
入水した仔
プールの水は、仔が入っても顔が水面から出るくらい浅いため溺れることはありませんが、仔がプールに入っている間、「ポーラ」はすぐ側で見守り続けました。
仔がプールに入るのをためらっていると鼻先で仔を押してプールへと促す様子も見られました。
「ポーラ」は以前から慎重な性格だったため、仔に危ないことはさせたくないのではないかと思っていましたが、仔をプールへと誘導する様子を見て、お母さんとして仔育てに取り組む姿に心から安堵しました。
放飼場で過ごす練習はまだまだ始まったばかりです。
焦らず、「ポーラ」と仔のペースに合わせながら少しずつ練習を重ねていきます。
皆様に公開できる日まで、もう少しお待ちいただければと思います。
お問い合わせ
仙台市建設局 八木山動物公園 飼育展示課
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