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更新日:2024年1月17日

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園長ブログ マダガスカル訪問記 第13回(1月17日)

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カメレオンパーク編

マダガスカルは、世界のカメレオンの半分ほどの種類がおり、その多くが固有種というカメレオン大国。
とはいえ、アンダシベでの我々の経験からもお判りのとおり、自然の中でさまざまな種類のカメレオンに巡り合うことはそれほど簡単ではありません。
焼き畑農業や森林伐採による生息地の喪失、違法なペット取引のための乱獲などが原因で数が減っており、アンダシベでのガイドさんも、ここ数年でカメレオンの数が激減し見つけにくくなっていると嘆いていました。
また、カメレオンは動いているものにのみ反応するため、餌や水分も動きを出す工夫が必要で、飼育が簡単な動物とは言えません。

そんなカメレオンですが、アンダシベとアンタナナリボを結ぶ道の途中には、様々なカメレオンを飼育・展示しているカメレオンパーク(正式名称は「ペレリアス・リザーブ・マダガスカル・エキゾチック」)があります。
我々は、アンタナナリボへの帰路に立ち寄ってみました。

園内にはいくつか建物があり、カメレオンだけでなく、ワニ、ヤモリなども飼育されています。
このうち、当園のホームページで紹介しきれなかったものをいくつかご紹介します。

ひときわ大きな建物の中で、たくさんのカメレオンが飼育されています。
パークのガイドさんにカギを開けてもらって中に入ると、あとは自力でカメレオンを探します。
カメレオンは背景になじむ色彩や模様をしていることが多いうえ、優れた視力を活かして先に我々を見つけ、枝や葉が重なって見通しがきかないところに隠れたり、動きを止めてじっとしていたりしますので、おいそれと見つけることはできませんが、見つけられずに困っていると、パークのガイドさんが居場所を教えてくれます。

園長ブログ マダガスカル訪問記13 見学中
ワニのいる池をガイドさんの案内で見学中

 

※ここから先はカメレオンをはじめとしては虫類や両生類の写真が多くなります。
 これらが苦手な方はお気を付けください。

 

園長ブログ マダガスカル訪問記13 カメレオンの足に注目
樹上生活を基本とするカメレオンが平地を歩く時の足の様子にご注目

園長ブログ マダガスカル訪問記13 カメレオンの目
カメレオンの目は、同時に2つの方向を見ることができる優れもの。
大きく膨らみ、円錐型のまぶたの中央に瞳孔のための小さな穴があいていて、視野の広さは水平方向に180度、垂直方向に約90度。
両目の焦点を別々に合わせることや、距離を正確に判断することも可能。
アンダシベでなかなか見つけられなかったのも納得。

 

園長ブログ マダガスカル訪問記13 様々な種類のカメレオン
様々な色と形のカメレオンをご紹介。
めくるめくカメレオンの世界をご堪能あれ。

上の方にばかり気を取られ、足元をおろそかにしていてはいけません。
地面をのんびりと歩いているカメレオンを踏むおそれがあります。

園長ブログ マダガスカル訪問記13 ウスタレカメレオン
地面を移動中のこのカメレオンは、おそらくウスタレカメレオン。
ウスタレカメレオンは尻尾が長く、世界最長サイズのカメレオン。

園長ブログ マダガスカル訪問記13 パンサーカメレオン
木に登ろうとするパンサーカメレオン

自然ではなかなか観ることができないカメレオンの捕食シーンも、ガイドさんが虫を持ってきてお膳立てしてくれます。

こちらの動画版を当園のX(旧Twitter)でご覧になれます。

 

園長ブログ マダガスカル訪問記13 舌を出すパンサーカメレオン
えさの虫に向かって舌を繰り出したパンサーカメレオン。
カメレオンの舌の長さは体長の2倍ほど。
普段は舌骨という骨の周りに蛇腹状に収納されていて、獲物を捕まえるときにはこの舌骨が押し出され、舌を勢いよく前へ飛び出させるという仕組み。
0.01秒で時速90kmに達し、加速度なら生き物でナンバーワンとの説も。

 

カメレオンが好きな方なら、きっと「ここに住みたい。」と思うことでしょう。

ここには世界最大級のカメレオンであるパーソンカメレオンがおり、別の建物には世界最小級のヒメカメレオンがいます。
両極端の大きさのカメレオンを1か所で堪能できるのもユニークでした。

園長ブログ マダガスカル訪問記13 パーソンカメレオン1
重さでは世界最大級のパーソンカメレオン。鼻先が尖っているのはオスの特徴。

園長ブログ マダガスカル訪問記13 パーソンカメレオン2
こちらもパーソンカメレオン。
ここにいる最大のものは、鼻先から尾の付け根までの長さが人の腕の手首からひじくらいまでありました。

 

カメレオンのほかには、外見から名付けられたトマトガエルや、ハリネズミを彷彿とさせるテンレックなども飼育されています。

園長ブログ マダガスカル訪問記13 トマトガエル
赤みがかっていて丸みを帯びた体のトマトガエルもマダガスカルの固有種で、適度な湿度がある鬱蒼とした森林に生息。

園長ブログ マダガスカル訪問記13 テンレック
この日は物憂げな表情に見えたテンレック。
ハリネズミに比べるとトゲが柔らかく、触っても痛くないとのこと。
マダガスカル固有種で、様々な気候に適応してマダガスカル中に生息。
冬眠し、一度に最大32匹を産む子沢山。多産なのは、様々な生き物に捕食されてしまうことへの対抗策。

 

ヒメカメレオンがいる建物では、ヤモリも観ることができます。
2種類のヤモリがいましたが、いずれも平べったく、特に片一方の枯れ葉への擬態は驚くほどの完成度の高さでした。

園長ブログ マダガスカル訪問記13 ヘラオヤモリの仲間
平たい尾が特徴的なヘラオヤモリの仲間。
大きな眼からわかるとおり、夜行性。

園長ブログ マダガスカル訪問記13 エダハヘラオヤモリ
もう枯れ葉で作ったようにしか見えないエダハヘラオヤモリ。
尾の完成度に注目!

 

園内を回る際は、いくつかある観覧コースから時間の合うものを選び、専属のガイドさんの案内に従います。
この日は閉園間際に訪れたこともあり、中くらいの長さのコースにしましたが、これまでに観てきた種類と数を大幅に上回るカメレオンを一度に観ることができました。

マダガスカルに来て、とにかくたくさんのキツネザルをご覧になりたい方には、チンバザザ動植物園かレムールズパークを、とにかくカメレオンさえいればいいという方はこちらを訪れると、きっと幸せな時間を過ごすことができるでしょう。

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園長ブログ マダガスカル訪問記13 おまけ
おまけ。
本気で擬態するヘラオヤモリを捉えた、当園の秘蔵ショット。
今回のマダガスカル訪問時のものではないものの、あまりに見事なのでご紹介。
何匹見つかりましたか?

 

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